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両国寄席令和6年5月6日 [落語]

両国寄席令和6年5月6日
於:お江戸両国亭

三遊亭栄楽『浮世床(夢)』
荒木巴 奇術
三遊亭兼好『千両みかん』

今日は早起きして遠出を……と思ったのだが、起きてみたらどんよりと曇り空。なんだよーとテンションが上がらずグズグズしていたらいつも起きるような時間になってしまった。
とはいえ9時前には家を出て犬吠埼まで。
犬吠埼は10年ほど前にも初めて買ったバイクで行ったことがある。今考えてみれば100ccのバイクでよくもまあ3時間以上もかかる場所へ行ったもんだ。
しかもそのときはバイクにスマホを固定する器具などもつけていなかったので、時々止まっては道を調べながら行くという。しかも帰り道は雨に振られてしまい、水に弱いスマホを雨の中で取り出すこともできず、迷いに迷って6時間以上かかって半泣きになりながら家にたどり着いたのではなかったか。バカだねえ。
今じゃスマホを据え付ける器具もあり、USB電源もあるので充電できる(今日はちゃんと充電できるケーブルも持っていった)。スマホも水に強くなったので多少の雨なら平気だろうし、何ならワイヤレスイヤホンで道案内を聞きながら運転することだってできる。それになによりいざとなったら高速に乗れるのも心強い。てなわけで道に迷うこともなく、ほぼ時間通りに往復できた。とはいえ今日も帰り際にポツポツと雨に降られ、なんだ俺が犬吠埼に行くと雨が降らなきゃならんのかと若干イラつく。まあすぐに止んだけれども。
バイクのギア操作もだいぶ慣れ、ギアチェンジも滑らかになってきた。坂道発進もちょっと緊張するが問題なくできる。けど気を抜いてるとなんでこんなとこで、というようなところでエンストしたりする。あともう少し慣れが必要ですな。あと基本本番に弱いタイプなので、後ろに車がいたりするとすごく緊張する。
で、両国寄席の仲入り後に合わせて帰宅。帰りに買い物をしたいのでバイクを乗り換えて両国亭に向かう。

この4連休で兼好師を毎日コンプリート。ていうか29日からの1週間で兼好師の会は6つ行って9席聴いてる。我ながら頭おかしい。まあだいたい毎年GWは兼好ウィークになるんだけど。

兼好師、「今年のGWは前半と後半に分かれていたが、ちょうどその前半と後半部分は天気に恵まれて、谷間の平日は雨などであまり天気がよくなかった。天気といえばここ最近は気候が極端なので、あともう少ししたらいきなり暑くなるんでしょう。昔はもっとちゃんと季節があって、食べ物なんかも季節のものが食べられていた」と『千両みかん』に。
兼好師のは約3年ぶり。そんなに聴いてなかったっけ。
番頭が半泣きになりながら床屋の親方に「(主殺しの)磔を見たことがありますか」と訪ねた際に、やけに微に入り細を穿ちながら磔の目撃談を語る。それを聞いて番頭がパニックを起こすのが気の毒ながらもおかしい。

帰宅後にアマプラで井上尚弥vsネリの一戦を見る。みんなが見てるからなのかわからんが、数秒に1回再読み込みが起きて中断されるのがうっとおしい。もうちょっとキレイに見たかったなあ。でもまあ勝って何より。
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しのばず寄席 5月5日 夜の部 [落語]

しのばず寄席 5月5日 夜の部
於:上野広小路亭

立川笑王丸『山号寺号』
立川談洲『締め込み』
三遊亭遊雀『四段目』
リトル清宮 ものまね
瀧川鯉昇『茶の湯』
神田山緑『五貫裁き』
キラーコンテンツ 漫才
三遊亭兼好『粗忽の釘』

昨晩はそこそこ飲み、二日酔いってほどでもないがちょっと酒が残ってるようだったので朝バイクはやめてゆっくり寝る。このGWゆっくり寝たのは初めてじゃなかろうか。

笑王丸さん、すげえ名前だな。こういうのつけるのは談笑師かと思ったら大当たり。
名前はいかついが童顔で親しみやすそうな見た目。滑舌もテンポも良く聴きやすい。さすが談笑一門。

談洲さんは久しぶり。
「こないだヒップホップダンスとジャズダンスのダンスバトルの合間に一席やるという仕事に行ってきました」と見事なDJのMCを再現する。「羽生結弦くんより見事に滑りました」だそうで。
風呂敷包みが元で夫婦喧嘩が始まるが、「こんないい女を男が放っておくはずがない。お前浮気をしてるんだろう」「お前さんこそ一番の色男なんだから女ができてるんだろう」とお互いを褒め称え続けるという喧嘩なんだか愛の告白なんだか。聞いていられなくなった泥棒がつい出てきてしまうという。「あなたがたそう言ってますけど、いうほどじゃない」という一言がおかしい。
しかしまあ面白いなあ。さすが談笑一門(本日2回め)。

遊雀師、談洲さんの高座を聴いて「あれいい工夫だよねえ。古典落語ってのは誰かが作った新しい工夫がウケるとそれがやがてスタンダードになっていく。もしかしたらあれが今後のスタンダードになるかもしれないね。そうするとアタイもお客さんも歴史の証人になったかもしれない」とべた褒め。
「彼は今後売れるかもね。そしたらお金ちょうだい。……おい聞こえてんのか!」「聞こえてます!」となんちゅーやり取りをしてるんだか。
「今度歌舞伎町で初めて歌舞伎をやるんだってね。『歌舞伎町』って戦後『こういう名前を町名にすれば歌舞伎がこざるを得ないだろう』ってんでつけたんだって。そしたら結局来なかった」へえー、そんな来歴があったとは。
歌舞伎の話から『四段目』に。

二日連続で離昇師。前のリトル清宮先生のネタを見て、「昔『現役時代の王に似ている』といわれて、野球中継が雨で中止になった場合の穴埋め番組に出させてもらったことがある」と思い出話を始める。ただ、鯉昇師はメニエール症という持病があり、これによって球技ができないので野球をまったく知らなかったそうで。
青豆の粉の他に絵の具や洗剤が入っているというとんでもない茶の湯。近所から「アオミドロ」と呼ばれているのがおかしい。

3日連続で兼好師。
重いタンスを背負ったまま新しい長屋にたどり着くまでの苦労話をべらべらと喋り続ける主人公の軽薄っぷりが相変わらず楽しい。話しながらもちょいちょい「よいしょ」という感じで担ぎ直しているのがたまらない。

さてGWもあと1日。明日は朝早く起きてツーリングへ行きたいなあ。
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瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜 [落語]

瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜
於:清澄白河 深川江戸資料館

柳家しろ八『動物園』
瀧川鯉昇『千早振る』
三遊亭兼好『宮戸川』
瀧川鯉昇 三遊亭兼好 お喋り
三遊亭兼好『孝行糖』
瀧川鯉昇『ねずみ』

今日も早起きして朝バイク。3時間ほど走って自分の母校やその周辺を回る。そのために昨日遅くまでかかってブログを書き上げ、睡眠時間も削っている。俺がこんなに勤勉だとは。

昨年もGWに開かれた鯉昇師と兼好師の二人会。昨年は前日夜に胆石の発作を起こし、ほぼ寝ていない状態できたため、高座中うつらうつらしてほとんど覚えていないという大失態。そういやあれから胆石の発作が出てないな……。

鯉昇師の一席め、この師匠の話すテンポやテンション、スピードがものすごく心地いい。ゆったりとした話しぶりで気負ったようなところはないのにところどころで面白いことを入れ込んでくる。それがすごく楽しい。
最初は普通の『千早振る』だったのだが、「お前『竜田川』ってなんことだと思う? ヒント。ナイル川。インダス川。チグリスユーフラテス川」「あ、川の名前ですか?」「残念。モンゴル出身力士だ」のあたりからちょっと変わった千早に。
千早太夫は南千住のロシアンバーのチハヤスカヤだし。チハヤスカヤに振られた竜田川がモンゴルに帰るのだが、やっぱり豆腐屋になる。おからが重要な話の流れ上、豆腐屋にならざるを得ないのだが、モンゴルに豆腐屋があるんかい、というおかしさがある。
落籍れた旦那から離縁されて落ちぶれたチハヤスカヤが、最後にもらった味噌ひと樽をラクダに乗せて竜田川のところにくるというのもシュールすぎる。モンゴルにラクダいるのか……?

兼好師の一席め、最近の日本では75歳以上か2000万人になったと話す。これはオランダの人口よりも多く、オーストラリアの人口よりもやや少ないくらいなのだそうだ。「オーストラリア行ったらカンガルーとコアラと高齢者に会うようなもんです」。ん?
「これだけの人数がいるんだったらいっそ名古屋あたりで独立してしまえばいい。愛知と岐阜があればいいんじゃないですか。お金もそこそこ持ってるし、そこだけで経済が回るでしょ。『高齢化のせいで経済が』とかもいわれなくなりますし、どちらにとってもいいと思うんですけどねえ」とぶち上げる。「政治家なんかも二階さんなんかそっちの国ではまだ小僧ですよ。鯉昇師匠もあと数年でそっちですけど、そっちでは前座ですから」と楽しそう。
「高齢者が若さを保つのは色気が必要。ここだけのハナシ、五代目の圓楽師匠なんか最晩年にふたりの女性に自宅の合鍵を渡してましたからね。……ヘルパーさんですけど」と見事に落としてから『宮戸川』に。
お花を見つけた叔父さんが、小鼻をピクピクと動かしてからニヤーっと笑うその表情の動きがお見事。
寝ている婆さんを見て「昔は今小町と呼ばれたいい女だったんだがなあ。俺も業平って呼ばれてた」とつぶやくと先ほどの『千早振る』があったのでウケる。こういうの上手いなあ。その婆さんを見ながらも「まあ今もいい女ではあるんだけどな」とか妬いている婆さんを見て「何だお前かわいいな」といったり、いまだに仲良しな老夫婦の姿が微笑ましい。

仲入り後にふたり揃ってのトークコーナー。
「去年もあったんですけど、なにを話したのかなにも覚えていない」というおふたり。「前座さんがこの会のことを書いているブログとかも調べてくれたんですけど、とても話せるような内容ではないそうで……」とこのブログも見てもらったのかな。まあ前述のように昨年はとにかく眠かったので、内容も覚えてなくてろくなこと書いていないのだが。
離昇師の「今日は満席ですけど、コロナの間のひと席おきという配置に慣れてしまって、隣に人がいるのが嫌だという人がまだいるみたいですね。『その点お前の会は程よく空いてていい』なんてことをいわれますけど」という話をきっかけに、寄席の座席の話に。
末廣亭の椅子は鈴本のお下がりだったことがある、とか桟敷は普段2列しか入らないが正月などの特別な興行のときは4列入れてしまうとか。「桟敷は茶筒と同じで、お客さんが笑うと間隔がいつの間にか詰まっていくんですよ。だから開演後30分くらいの場所に爆笑派の人を出して、寄席が湧いた後にどんどん客を入れちゃう」という裏話?が興味深い。
「それと昔の末廣亭はトイレが男女共用だったんですよ。入口は分かれてるのに中は同じ。昔はご婦人が寄席にくることをあまり想定してないんだ。それに男性が小をするときの場所が、便器があるんじゃなくて壁に向かってやるスタイル。個室はその後ろを通らないと行けない。そうすると女性はトイレに行くのに4本くらい見なくちゃいけない」「4『本』って本で表せないでください!」とほぼ聞き役に徹していた兼好師も楽しそう。

兼好師の二席め、「昔は与太郎も世の中から受け入れられていた」と『孝行糖』に。噺の前のバカの小咄が初めて聴くものだった。
相変わらず賑やかで気のいい人がたくさん出てくるので、聴いていてぱっと明るくなるのがいい。

鯉昇師の二席めの『ねずみ』はほとんど改変もなくスタンダードな形。ただねずみを彫るときには甚五郎だと明かさない。とはいえ彫ったネズミの脇に「ねずみやに泊まってください」という但書きに甚五郎の名前があるという粋な形に。
評判となったねずみやが、「江戸から来たんだ、泊めつくれ」と旅人からいわれ、「あそこにいる人が泊まるのを待っている人たちの最前列。最後尾は小田原まで続いているので小田原まで行ってください」とにべもないのがおかしい。

今日はこれから高校時代の友人と飲み。最近歯茎に菌が入って腫れているので抗生物質を飲んでおり、酒は飲んでいないのだが大丈夫か?
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プチ人形町落語会 [落語]

プチ人形町落語会
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭遊馬 『百川』
三遊亭兼好『町内の若い衆』
柳家三三『山号寺号』
笑福亭たま『寿限無』
旭堂南湖『難波戦記より 真田大助』
春風亭一之輔『蔵前駕籠』
論破王決定戦

GW恒例、年に一度のお楽しみの会。
前の会の会場からもほど近く、小網神社へお参りもしながらのんびり歩く。

これまでは毎回オープニングトークでじゃんけんをして出演順を決めていたのだが、今年は楽屋で「厳正なるあみだくじ」を行ってすでに決めてきたという。「毎年この時間が無駄だったとようやくわかった」と兼好師。
昨年のオープニングトークでは撮影可だったのに、カメラを持っていないという悔しいことがあった。今年はその轍は踏まぬと重い一眼レフを背負ってやってきた。……のに撮影タイムなし。……うんまあ俺初回から皆勤だけど、撮影タイムあったの去年だけだったしね。

トップバッターは遊馬師。……あれもしかして今年初かい? いや土日の会はみんな飲み会付きだし、こないだ寄席のトリは一蔵師の鈴本トリと重なって、初鈴本主任を優先しちゃったんだよな……。ファンにあるまじき……といいつつ、土日に普通の会やってよー。
「最近は人手不足だそうで」と振ってから『百川』に。
え、この会でそんな大ネタを? というか毎年この会はネタ出しをしてチラシなんかも作ってるのだが、今年は何も情報がなかったな。たまさんが時間がなかったのか。
百兵衛さんの訛りがいつもよりもだいぶ強めで、聞き慣れている耳でもだいぶ聞き取りづらいほど溶けている感じ。それがまた面白い。
くわいのきんとんを丸呑みして百川の主人と話しているところで切り上げる。このときオチを盛大に噛み倒す。これが大いなる伏線となるとは……。

兼好師、いただき女子が短期間に一億五千万集めたことに感心している。GWは男が女性に金を巻き上げられることが多いのだとか。
『町内の若い衆』は相変わらず金公のおかみさんのキャラクターがすごい。
私はひとつだけ兼好師で気になっていることがあって、サゲのセリフを言いながら頭を下げるのでオチが最後まで聞こえないことがある。今日も「町内の若い衆が」で頭を下げきってしまった。この噺のオチのいちばん大事なところは「若い衆がよってたかって作った」っていうところだと思うんだけどなあ。

三三師、最近は浅草は外国人ばかりだといい、彼らが着物を着ている見て「半衿のところがこんな感じでピラピラしていますな」と着物の中から首筋に手を出してピラピラと指を動かすと大いにウケ、「そんなに評判がいいならこのまま噺やりますけど」。
アドリブの山号寺号では「遊馬さんエロオヤジ」「一之輔さん問題児」など。ここらへんはいろんな時代が混ざってカオスになるのが楽しい。

たまさんは「これから『寿限無』をやります。……というと『そんなんやめてくれ、もっとちゃんとした噺を聴かせてくれ』っていう人いますけど、そういう人ほどちゃんと『寿限無』を聴いたことがない」という。……そうなの?
寿限無の言い立てははスタンダードな形ながら、寿限無氏の晩年を描いた噺。『寿限無』の改作というかアフターストーリーみたいなものはいくつか聴いたことがあるが、なんだか回り回って私も実際には聴いたことがないけれど本来の『寿限無』のサゲみたいな終わり方になっていた。

南湖先生、毎年書いてるけど南湖先生の声を聴くと「GWだなー」と思う。
講釈のスタンダード、軍記物をテンポよくぽんぽんと語り続ける。落語の『やかん』や『五目講釈』で聴いている元ネタを聴いているようで楽しい。

一之輔師、「毎回たまアニさんにネタ出しをしろっていわれて出すんですけどねー、『蔵前駕籠』をトリネタのつもりで出してないんですよ」と相変わらず気怠げに。ていうかさっきも書いたけど今年ネタ出しの情報どっかにあった? チケット取ったe+の該当ページにも会の詳細はほとんど書かれてないんだけど。
「女郎書いの決死隊」男の暑苦しさと駕籠屋の親方のシニカルな口ぶりとの取り合わせが面白い。

大喜利は「論破王決定戦」。客からYes/Noで答えられる形式または二択となる選択肢が提示されている問題を集め、そのお題でふたり一組でディベートするというもの。
初戦は三三師vs一之輔師。テーマは「日本人が食べるべきお菓子は和菓子か洋菓子か」。和菓子派が三三師で洋菓子派が一之輔師。
自分がどちらの意見を主張するかは自身の本来の主義主張とは関係なく司会のたまさんに振り分けられる。なので洋菓子好きの三三師が無理矢理和菓子派の主張を繰り広げることになるのだが……。結構三三師ってこの会の大喜利でルールを無視するというか根底からひっくり返りかねないことを言い出すきらいがあるような。
とりあえず持ち時間1分でそれぞれ主張を行い、もう1分でディベート(罵り合い)をするというもの。とりあえず最初のお題は一之輔師が勝利する。
二回戦は遊馬師vs兼好師。おいおい俺はどっちを応援すりゃいいんだ。でテーマは「落語界にコンプライアンスは必要か」。必要派が遊馬師で不要派が兼好師。遊馬師は「コンプライアンスは必要です。なぜならコンプライアンスができたからです」と主張としてはほぼ中身がないのだが、あの声と堂々とした喋り方で説得力がものすごい。一方兼好師はいつもの立ちトークやマクラそのままにとにかく面白く不要説を説く。だがディベートになると遊馬師の堂々とした話しっぷりが兼好師のツボに入ってしまい、ほぼなにもできないまま寄り切られた感じに。ここでも遊馬師は噛みまくりながらも力技でねじ伏せたような一戦。
三回戦にたまさんvs南湖先生。テーマは「パパ活した議員は議員辞職すべきか」。辞職派が南湖先生で辞職不要派がたまさん。理論としては完全にたまさんなんだろうが、女性客が多かったからか主張は受け入れられずに南湖先生の勝利。
準決勝は遊馬師vs一之輔師。なお南湖先生はシード。テーマは「『笑点』メンバーは60歳で定年にすべきか」。定年必要派が遊馬師で不要派が一之輔師。これは詳細は書けないが私の中のベストバウトだった。一之輔師もメチャクチャなことをいっているが、遊馬師はさらにメチャクチャなことをいい声でいい、好楽師の弟子の兼好師も巻き込んで超カオス。もはや怪しげなセミナーか宗教家のようになってきた遊馬師が勝ちをおさめる。
決勝戦、遊馬師vs南湖先生で「大阪万博マスコットのミャクミャクは悪か」。「悪ではない」が遊馬師で「悪」が南湖先生。むしろ大阪万博自体が「悪」となっており遊馬師不利かと思われたが、あの怪しげトークで会場全体を怪しげな教えに染めていく。「マスコット」を「マスカット」と噛み、「今日は私は噛む日です。私は噛みます。なぜなら私は神だからです」と怪しさはいよいよマックスに。三三師も「このために今日カミカミだったのか! まさか伏線だったとは……!」と悪ノリ。「さあ皆さん私を信じなさい。私は神です」ともう会場は完全に遊馬師のペースに飲み込まれていた。もちろん優勝は遊馬師。
いやー、落語ファン歴=遊馬ファン歴で、15年以上遊馬師を追っかけてた俺が遊馬師の新たな才能を目のあたりにできるとは。来年も絶対にこよう。
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入船亭扇橋の会 [落語]

入船亭扇橋の会
於:都内某所

入船亭扇橋『真田小僧』『黄金餅』

今日は落語2つ予定があるので朝しかバイクに乗る時間がない。なので早起きして片道2時間くらいで行けるところ……と考えて親父の墓参りでも行くか、と思いつく。親父の墓はなんでか我が家とは縁もゆかりもない場所にある。母親がいうにはいい寺がなかったということらしいが。
埼玉の北の方にあるのでちょうどよかんべ、時間が余ったらメシでも食おう、と思っていたら甘かった。まあ道が混んでるのなんの。東北自動車道と並走している122号はビッチリ。まあもう半クラでの低速走行の練習と思うしかない。
結局目的の半分くらいの距離で断念して戻ってくる。それが結果的には正解だった。ゆっくりメシを食って会場へ向かうと時間ピッタリ。

かわら版などにも情報を出さず、チラシなども撒かない、会場の常連客に向けた会。会のタイトルも別にちゃんとあるんだけど、まあ一応。
扇橋師のブログにも出ていない。

一席め、先日の「噺す男」の裏話をたっぷりと。まあほぼほぼグチというか。
芝居なので小道具があるのだが、それがあると噺家はかえってやりづらいのだとか。酒を飲むシーンでは一升瓶と湯呑みを使っていたのだが、「あるとできないんですよ。芝居の役者さんは『動きの幅が広がる』っていうんですけど、噺家は逆です」だそうで。
『噺す男』に出てきた「元噺家で木戸番として働いていた男」にはモデルがいるそうで。先代柳枝師の弟子で、先代の扇橋師とも近い世代の人だったとか。
「一席めに『一目上がり』をやって、ひとり芝居で『一目上がり』についてイジる場面がある。で、そのひとり芝居で先代文楽の『心眼』の良さを語る場面があって、落語の二席めで『心眼』をやるんですよ。……地獄でしょ!?」。あー俺もプレッシャーすごそうだと思ったけど、やっぱりなあ。
「演出としては洒落たことやってんなと思いますけど、そもそも『一目上がり』なんてウケないんですよ。『一休禅師の悟だ』『五!?』『ドンッ』ってないでしょ。で『心眼』ですよ。ありがたいことにお客さんも半分落語ファン、半分芝居ファンなんですよ。落語ファンは芝居も見てくれるんですけど、芝居ファンは落語に興味ないんですよ。芝居ファンにしてみたら『コイツ地味で暗い噺ばっかりやってんな』って思われるじゃないですか」。まあ『心眼』は笑いどころも少ないしいきなりは辛いような……。
落語と芝居の稽古の違いとかについてもいろいろと思うところがあったようで、戸惑いなどもあったようだ。「我々の稽古なんていい加減ですから。確かに長い噺のアゲの稽古なら2時間とかかかりますけど、芝居だと最低5時間」だったそうで。
「真打に昇進してから前座さんに『お稽古お願いします』と頼まれることもあるんですけど、私は基本的に断ってるんです。私は師匠から『できるだけ元を辿れ』と教わってますから、『俺じゃなくてもっと上の師匠にお願いしなさい』と。でも中には聡い前座さんがいて、その子の師匠がそばにいるときに私に頼むんですよ。そうするとその師匠から『悪いんだけど頼むよ』って言われるんで、『わかりました一之輔アニさん!』っていうしかないじゃないですか」。
「で、稽古つけるときはできるだけ教わったとおりにやるんで、自分のくすぐりとか削るんですけど、こないだそうやってたら自分の知らない言葉が自然と口から出てきて驚いた。なので今日はその噺を……』と『真田小僧』。
「薩摩に落ちた」の最後まで。
「自然と出てきた知らない言葉」ってなんだったんだろうなあ。

二席め、小学生の頃に行った林間学校で、近所の方までにお土産を買ってくるように、と親御さんから言われた扇橋少年が買ってきたものの話をマクラに。
扇橋師の『黄金餅』は初めて。
長屋から麻布十番までの道のりを並べたあと、「今のルートをGoogleマップで調べると約2時間かかる。確かにそれはくたびれる」と現代的。
焼き場のシーンでは本来グロテスクな感じもするが、金兵衛の鬼気迫るテンションに押されるのかあまりそんな感じもしない。
オチも「その金を元手に大儲け」で終わらず因果応報的なものに変えられていた。でもその形はいくつかの他の噺でもやってるものだしなー。
タグ:入船亭扇橋
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第11回 兼好集 [落語]

第11回 兼好集
於:内幸町 内幸町ホール

三遊亭兼好『道灌』
三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『鈴ヶ森』
柳亭市童『夢の酒』
三遊亭兼好『愛宕山』

昨日からまた歯が痛い。次回の歯医者が来週末まで予約取れなかったのだがそれまで持つだろうか。痛み止めを飲んでもあまり効かないし。
普通に口を閉じてるだけで痛いし、モノを噛むと激痛が走る。ろくに飯も食えず、ほぼ噛まずに飲み込んでいるような状態。
痛む歯の反対側には乳歯が残っており、そっちもぐらついていたのだがその歯を使わざるを得ず、その結果ぐらつきが加速度的に進行してしまった。……今治療中の歯が終わるまで待ってほしかったけど、これはもうムリだろうな。乳歯ってことはそれこそ45年以上俺の身体にあったもので、それとお別れが近いというのはなんだか寂しいような。

兼好師の一席め、仕事で福井に行ってきたそうで、恐竜のオブジェが駅前に並んでいたという。この恐竜が自動で動くのだが、ティラノサウルスは思ったほど動かないんだとか。しばらく見ていて「なんだたいしたことないな」と飽きてきた頃に派手に動くんだとか。こんなときに子どもや外国人観光客は大げさにリアクションをして喜ぶのだが、日本人の大人はあまりリアクションせずに淡々と写真を撮っているだけだという。「もうちょっと外国人を見習って心から楽しまないとダメですよ。落語も同じ。『いつも同じ噺だな』とか『前も聴いたな』とか『え、これ前座噺じゃない!?』とか思っちゃダメ。『いつ聴いても面白いな』『何回聴いても面白いな』とか『前座噺でも面白いな』とか思わないと」。俺はいつも師匠の噺を聴いてそう思ってますよ。
予防線を張りつつ八っつぁんがご隠居のところにやってきて「まんまお上がり」でがっかりする場面から。「本当に前座噺やるのかい」と自らツッコみつつ『道灌』に。兼好師のは何度か聴いたことがあるが、それでも今となってはレアネタじゃないかなあ。
なんだかいつも以上に明るくワチャワチャとやっていて、なんだか派手な感じを受ける。これくらいはっちゃけてると前座のネタとはちょっと違うように思える。

二席め、「GWは何かを始めることや、反対にやめることも多い」という。泥棒も同じで、行楽地で浮かれてる人たちを見てつい彼らから物を盗んだりすることがあるのだという。「ひとりでうろうろキョロキョロしてると怪しますけど、ヤツらは子どもの名前を呼びながらやるんですって。『ケンター、おーいケンタどこだー』なんてまわりを物色しながら歩いても怪しまれない」のだそうで。なるほどなあ。
泥棒の話から『鈴ヶ森』へ。マイペース過ぎる子分に振り回されてイライラしている親分がまったくもって気の毒ながらも最高に面白い。
今日のお尻に刺さるものは時期なのでスタンダードに筍。……この一文、分かる人にはスッと意味は通じるだろうが、まあ文章としておかしなことしか書いてないなあ。

市童さん、朴訥とした、というか、有り体にいってしまえばモサい容貌なのだが、そのルックスで『夢の酒』の御新造を演じるのがそれだけでなんかおかしい。逆にお花は多分すっごい合ってるような感じがする。

兼好師の三席め、一八の幇間らしからぬ傍若無人な振る舞いが楽しい。旦那も一八の人間性を知りながらも、追い詰められたときに考えもしなかったことをやらかすというその一点だけを目当てに贔屓にしているというのだから、こちらもなかなかのサイコパスっぷり。そらあ繁蔵に気軽に「一八を崖から突き落とせ」と命令するだけあるわ。その狂気を垣間見るのも楽しい。

……自宅でシャワーを浴びていると、いよいよ乳歯がぐらんぐらんに。こらもうダメだと覚悟を決め、自分で引っこ抜く。グッバイ50年近く連れ添った乳歯よ。てか現状歯が2本抜けた状態。やべえ『月曜から夜ふかし』とかによく出てくる歯抜けおじさんに近づいているのでは……?
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入船亭扇橋独演会『噺す男』vol.2 [落語]

入船亭扇橋独演会『噺す男』vol.2
於:下北沢 「劇」小劇場

入船亭扇橋『一目上がり』
入船亭扇橋 ひとり芝居『楽屋の幽霊』
入船亭扇橋『心眼』

人形町から下北沢へ。
微妙に時間が空いたのでマックでコーヒーを飲みながらブログを書く。昼は軽く蕎麦でも手繰って、この時間にもうちょっと食べるとかにすりゃあよかったなあ。

娯楽百貨主催の『噺す男』は約半年振りの2回め。娯楽百貨の下北沢の会は毎回会場が異なるんだよな……。
相変わらずオサレなんだかよくわからない人たちの間を縫って会場まで辿り着く。
扇橋師も「古典落語をやっている存在自体をシモキタという街に拒否されてるような気になる」と感じたそうで。
娯楽百貨主催のこれまでの会の変遷を挙げ、「なんでかこの会は落語をやらせてくれないんですよね……」。たしかに落語は落語なんだけど、なにかしら加えようとしている。
「今回は打ち合わせからおかしかった。最初に打ち合わせしたときにはもうプロットができてる。で、次回の打ち合わせのときにはもう台本ができてるんですよ。次の打ち合わせでは『楽屋の幽霊』ってタイトルも決まっていて、もうやることが決まってた」だそうで。
「だから今日は私もどうなるかわかりません。お客さんも『何が始まるんだ』って感じでしょ? お互いどうしたらいいかわからない感じ」とのことだがまあ確かに。
芝居ファンは何か作品からメッセージを探ろうとするが、落語にはそんなものはないと話し、「私の師匠はすごく優しくて声を荒らげたりしないんですが、一度だけ怒られたことがあります。『俺のパン食いやがって』って。そんな人たちが話すことですから……」とよく聞く扇辰師エピソードだが、今日はその詳細まで話してくれた。これは初めて聞いた。特別なパンを食べちゃって怒られたのかと思っていたが、どうやら違ったようだ。ていうか確かにそら怒られるわ。おもしろー。
たっぷりとマクラを振って『一目上がり』に。
キッチリと端正に丁寧に、という印象。

サゲを言って頭を下げ、そのままひとり芝居へ入る。「一之輔・宮治・扇橋三人会」で一番手で上がって『一目上がり』を掛け、「ウケもせず、かといってケラレもせず」という具合だったというシチュエーションらしい。
さらに前座さんからも尊敬もされず……という腐りかけている状況の中、掛け持ちで新宿末廣亭へ行くと、下座のお師匠さんが『いっさいいっさいろん』ではなく先代扇橋師の出囃子である『俄獅子』が弾かれている。「おっしょさん、これじゃなくて『いっさいいっさいろん』です! おっしょさん! ……もうこれで出ます!」といったところで暗転。誰かに取り憑かれ、寄席の寝ている客やスマホをいじってる客を罵倒しだす。これが40年以上前に末廣亭の楽屋で亡くなった噺家が、30分だけ現役の噺家の身体を乗っ取って現世に戻ってきたというもの。噺家といっても酒でしくじって噺家をやめて木戸番をしていたという人物。
先代の扇橋師に憧れており、『俄獅子』が聞こえてきたから慌ててやってきたら当代の体を乗っ取ってしまった、ということのようだ。
元が昭和の噺家なのでコンプラも一切無視、現存するベテランの噺家にも「おじさん」とか「爺さん」とか言いたい放題。前座が隠していた酒を取り出してひとりで飲みだし、色々な思い出を語っていく。
新作落語としてもできそうな噺だが、高座や舞台をフルに使っているのはやはり芝居らしい。着物であぐらをかく扇橋師なんてのもなかなか見られないし。

仲入り後の落語の二席めは『楽屋の幽霊』の中でも話題としてのぼった『心眼』。
体を乗っ取った元噺家が過去の名人の出来の素晴らしさを語っており、その後に自分でも演じるのだからかなりのプレッシャーだったのではないだろうか。
前半部の差別に苦しむ重苦しさと、後半部の人の見た目にこだわる軽薄さの差が人間の業というものなのだろうか。その落差がなんかぞわぞわする。
ところで主人公の梅喜って途中から失明したのかな。じゃなきゃ見た目にこだわったりしないもんなあ。
タグ:入船亭扇橋
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馬石・兼好・文菊三人会 [落語]

馬石・兼好・文菊三人会
於:日本橋社会教育会館ホール

オープニングトーク
隅田川わたし『垂乳根』
三遊亭兼好『淀五郎』
隅田川馬石『千両みかん』
古今亭文菊『木乃伊取り』

今日は午前中が空いているのでバイクに乗って隣の草加まで行ってスーパー銭湯で朝風呂。
開演の30分前に天やに入ってビールと天丼。……時間がかからないだろうと思って入ったのだが、全然出てこない。結局出てきたのは開演7分前。3分でビールで天丼を流し込んで出る。あーもったいな。そういうときに限ってレジでテイクアウトの注文で「キスとかぼちゃを追加で……あ、やっぱりキスだけで」とかやってる。ああもう。
ホント幕が開く直前に滑り込む。うわあ満席。

まずはオープニングトーク。
文菊師はこないだインフルエンザに罹ったそうで、馬石師が寄席の代演に上がったり、兼好師との二人会が独演会になったりと影響があったようだ。そのお礼からトークがスタートする。
恒例の客からのアンケートに回答していく形式で、文菊師がアンケート回収箱を持って司会の形になっている。
「小中学生の頃に好きだったアイドル」とか「お互いどんな休日を過ごしていて欲しいか」とか。兼好師は三原じゅん子で馬石師は中山美穂だったとか。文菊師は「アタシは女に興味なかったから」だそうで。基本的に文菊師は回答せずどんどんお題を変えていく。
最後に「注目の二ツ目」というお題では兼好師は「えー? 最近絡まないからなあ……というか最近は『すごいバカ』とか『すごくヘタ』っていう人がいない。みんなそこそこできる」とのこと。馬石師が青森さんを挙げ、兼好師と文菊師も納得の様子。「これからこの会は青森さんを推していきます」だそうです。

一番手は兼好師。この会は「普段あまりやらない噺」をリクエストされていたそうで、私も兼好師の『淀五郎』は一度しか聴いたことがない。
「芝居はチケットはそこそこしますけど、あんまり『損をした』と思うことは少ないですね。舞台の大道具だとか衣装だとか化粧だとか、いろいろ掛かっているのが目に見える。そこへいくと落語はチケット自体はそんなに高くないですけど、舞台は今日のように屏風が出ているだけで頑張っている方、衣装はほぼ自前で六割ポリエステル、素顔のおじさんがしゃべってるだけですから……」と自虐めいたマクラから噺に入る。
オープニングトークで「なんで『淀五郎』なのにトリじゃないの?」と馬石文菊両師からツッコまれつつ「軽い『淀五郎』だから」といなしていたが、確かに細かい部分を省いてサラリとした軽い感じに聴こえた。

今日の回は主催のオフィス10の8周年記念の会で、8年前の4月29日になかの芸能小劇場でやった馬石師の会が初だったそう。その時は『花見の仇討ち』だったそうで、今日は『千両みかん』。「時季の噺をやらない」とオープニングトークで兼好師に指摘を受けていた。
「アニさん『千両みかん』をしょっちゅうやってるように思うんだけど。さっきお弟子さんに聞いたら『のべつやってます』っていってたよ」と暴露される。雲助一門では『千両みかん』は取り合いなんだそうで、「師匠が一門会で『今日オレ“千両みかん”やりたいんだけど』っていうから『こないだ龍玉がやってましたよ』っていったら『(やってたって)いいよ』って。夏はやる機会がない」そうで。
磔の恐怖を抱えながら夏のみかんを探し回っている番頭さんの気の弱そうな姿が馬石師のキャラと合っていて、気の毒なんだけどその姿が楽しい。

文菊師、大旦那が若旦那のを勘当すると騒いでるときにお内儀さんが「お隣の若旦那なんて真夏にみかんが食べていっていって千両も使った」とか、番頭もミイラ取りになったときに「お隣の番頭さんは行方知れずになったんですよ」と『千両みかん』を拾うのがおかしい。そういやどっちも若旦那噺で完全にツいてるような……。
上手いからこそなんだろうけど、若旦那のキャラがなんか嫌。なんか可愛げがないというか。
あとインフルからの復活をアピールするためか若旦那も清蔵もやたらデカい声で叫ぶ。ちょっとうるさくて食傷気味かな……。
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三遊亭天どん独演会 新作大全 [落語]

三遊亭天どん独演会 新作大全
於:両国 お江戸両国亭

三遊亭天どん『牛の子』
三遊亭ごはんつぶ『ふんどしの街』
三遊亭天どん『ランゴランゴ』
三遊亭ごはんつぶ『全自動』
三遊亭天どん『忘れたじいさん』

レブル250で印旛沼までツーリング。今年のGWはあまり天気がよくないらしいので今日は晴れてよかった。だいぶギア操作にも慣れ、発進もかなりスムーズに。特に何も考えずに乗れるようになってきた。ただキツい坂道発進ではもうちょい慣れが必要かな。
帰りの途中、ちょうどルートが複雑なところで携帯の充電が切れて焦る。ていうかUSB電源も付いてるんだけど、ダイソーで買ったケーブルだと充電してくれない。最近厳しすぎない? 下手すると少し古い純正ですらはじかれることもあるし。とりあえず方向的に正しいと思われる方向に走っていたら、偶然以前何度か行ったことがある市川動物園の看板を見つけ、動物園までたどり着く。そこからなら道はわかるので、方向音痴の私としては割と最小限の被害で済んだ。しかしiPhoneにはイラつきしか覚えない。
家に戻ってバイクを乗り換えて両国亭まで。直前まで乗っていたバイクと比べると段違いに軽いということがよくわかる。あとハンドルポジションの違いとか。ハンドルが体に近いとすごい楽。

ところで毎年恒例ではあるのだが、GWは自分のやりたいことややらなきゃならないこと、行きたい落語や友人と飲みに行ったりなどなど時間が足りなすぎる。ということでいつものペースでブログ書いてると時間が足りないのでGW中は簡易バージョンで。というか本来自分のための備忘録用ブログなんだからあんまり省略しすぎるのも意味ないんだけどなあ。

天どん師の一席め、「なんかよくわからない披露目につきあわされてる」といつものようにブツブツとグチりから。「そこでアナタがたが笑うのもおかしいでしょう」ってもうめんどくさいなあ。まあそれがいいんですけど。
「馬場でも新作の会をやってて何が違うんだと思われるでしょうけど、一応こっちは師匠や大師匠の噺をやるということで差別化をしてるんですよ。師匠の噺はなんとなく覚えたものとか、強制的に覚えさせられたものとかいくつかあるんですけど、もう一周しちゃったんですよね。二周め入ってもいいんですけど、主催の方に『いいですよ、師匠のネタ覚えますよ』って言っちゃったんでね。でも寄席でよくやってたネタでちょうどいいのを探したんですけどあんまりないんですよ」といろいろ舞台裏をぶっちゃける。ていうかやっぱりなんだかんだで天どん師が一番師匠のこと好きだよね。
「まあそのネタは次にやりますけど、最初の噺は圓生師匠がやってた噺をやります」と『牛の子』に。
昨日も高座の上で後ろにひっくり返って股引を見せつけていたが、まさか二日続けてとは。しかも噺に合わせて牛柄の股引。「こういうことやると前座さんにバカにされるんだよなあ」だそうで。まあしらんけど圓生師はやらなかっただろうなあ。

ごはんつぶさん、わん丈師の披露目の番頭で大変そうなのにこういう会にもきっちり出てくるのは偉い。
ネット上で炎上しがちなあの人のあのツイートについて裏話的な暴露も。
「ふんどし」「大谷翔平」「不適切」の三題噺。老舗のふんどし屋が「銀河ふんどし」という怪しげなものを開発し、それをマルチまがいに販売展開をしていくというもの。ホラーといっていたが、不条理ものといったほうが近いかも。

天どん師の二席め、「さっき『前座にバカにされる』といいましたけど、ホントなんですよ。まず私に挨拶しませんから。昨日も楽屋にさん喬師匠がいて、私もいたんです。さん喬師匠には手をついて『おはようございます』って言ってるのに、僕にはついでに『あ、どうも』みたいな感じの挨拶しかないんですよ。披露目の手伝いにきた二ツ目もね、わん丈には足を止めて『おはようございます』とか『おめでとうございます』とかいってるんですよ。でも僕にはやっぱり『あ、どうも』みたいなんで終わりなんですよ。お前わん丈を手伝いにきたんだろ。俺はその師匠だぞ」と憤懣やる方ない様子。
『ランゴランゴ』は仕事でイベントに出てくれる落語家を探していると友人から相談を受け、少ない予算で呼べる人としてアフガニスタン出身の噺かを紹介するというもの。
いろいろ世界観というか中東っぽい感じと東南アジアっぽい感じが混ざりあって、かなりカオスな状況になっていくのが面白い。

ごはんつぶさんの二席め、家電好きのおじいちゃんが、その孫に対して使い方を教えるというもの。「アレクサ」の代わりが「アサクサ」で、なにか頼むとそれを江戸っ子弁に直されて機械に説教されるのがおかしい。

天どん師の三席め、なにを聞いても「忘れた」しかいわないおじいちゃんと孫との噺。「思いっきりおじいちゃんと孫でツいてる」とボヤく。
孫娘が結婚をしたいという相手をおじいちゃんと会わせると、「忘れた、忘れた」といいながらも激しい仕草で反対される。どうやら彼の祖母となにかあるらしく……というストーリー。
ちょっとラブストーリー的な展開になるところもあり、「うわー、さぶ。誰この噺作ったの?」と大層照れていた。「恥ずかしさの限界に挑戦する噺」なんどそうで。
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真打昇進披露興行 令和六年四月二十七日 [落語]

真打昇進披露興行 令和六年四月二十七日
於:池袋演芸場

林家さく平『金明竹』
柳家花ごめ『元犬』
林家はな平『権兵衛狸』
花島世津子 奇術
柳家小せん『茄子娘』
柳家三三『つる』
ホンキートンク 漫才
三遊亭天どん『不良クラブ』
柳亭市馬『七段目』
真打昇進披露口上
三増紋之助 曲独楽
林家つる子『ストロベリーフィールズフォーエバー』
古今亭菊之丞『親子酒』
柳家さん喬『真田小僧』
立花家橘之助 浮世節
三遊亭わん丈『付き馬』

最近は夜に1時間くらいバイクの練習。ようやく慣れてきて発進もスムーズになってきた。けどまだ坂道がね……。もうちょい練習かな。
なので今日はちょっと日和ってレブルではなく前の125ccで。……楽ー。
しかし以前はバイクをこっそり置いておけるところがあったのだが、久しぶりに行ったらやめた方がよさそうな状態。うーむ。以前池袋の昼席で適当な細道に停めといたら駐禁切られたことがあるからおとなしく駐輪場に停めた方がいいな。しかしそうなると電車で来た方が安いんだよな……。

バイクを置く前に演芸場の近くを通ってチラリと覗くとだいぶ並んでいた様子。バイクを置いて演芸場へ行くと、開場時間前だが入場開始していたようで、行列がなくなっている。前売りを買っているので座れるのは確定してるがやや焦る。まあ結局はさほど悪くない席が取れた。っつーか池袋なら座れれば大体の席でよく見えるし。

前座の前にスーツ姿のわん丈師が高座に登場。池袋の芝居ではわん丈師が前説のようなことをし、つる子師が当日券待ちのお客の相手をしているのだとか。
紀尾井ホールの披露目のチケットが売り切れている日が多いらしく、、さらに転売もされているのだとか。「完売の次の目標は転売だ、と自分で言ってましたけど、実際にされているのを見るとなんだか申し訳なくて。なので、」とチケットを手に入れる方法を本人が話す。
それと契約上一般販売はできないものがあるのだが、法律に詳しい後輩がいうことには「アニさん、これはそのまま売ってはダメですけど、みかんの包装紙として使う分には問題がない。だからみかんを売りましょう」ということになったのだとか。実際に仲入りには「千円みかん」としてあるものが包装紙として使われたみかんが売られていた。「前座さんが駆け回ってくれて、池袋中のみかんがなくなったそうですよ。だから今日はバレンシアオレンジです」なんだそうで。
番頭のごはんつぶさんも高座に上がってふたりでトーク。撮影可ということなので撮らせてもらう。ごはんつぶさん二ツ目に上がったばかりなのに番頭は大変そうだなあ。
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前説のふたりに「いいところは元気なところ」と紹介されたさく平さん、たい平師の御子息かつ弟子だそうで。確かに元気でアドリブもバンバン入れる。

花ごめさん、声がよくて聞きやすい。「もとは居ぬか」というのはシロに呆れたのではなく「お茶を焙じるのはおもとにやってもらおう」という意味で呼ぶのはいいね。けど兄弟が「大八車に轢かれて死んじゃった」とか「長屋の人に川に投げ込まれてそれっきり」とかこのご時世もうやめない? 動物好きとしては噺でも動物が酷い目に遭うのはイヤなのよ。

はな平師は久しぶり。真打昇進してからは初めてか?
『権兵衛狸』の田舎弁を地元の九州弁に換えて。素朴な感じがよりリアルというか昔話っぽい感じになりつつなんだか心地よい。いやこれはいいですね。

小せん師、これは三K辰文舎仲間の扇辰師からか。小せん師の飄々としたキャラもありさらに軽快な感じに。

天どん師、不良を自称する3人のおじいちゃんが公民館の和室に集まって悪巧みをするという噺。まったくもってバカバカしくて楽しい噺。
途中後ろにひっくり返って股引を丸出しにするというのはもう驚かないが、「もう僕くらいになるとお尻で上下きれますから」と尻を右に左に揺らすのがおかしい。

市馬師、やっぱりきっちりきっちりしみじみ上手い。私は芝居の素養はないけれど、なんとなく舞台の感じがわかる(気がする)。

真打披露口上は三三師を司会に、下手から菊之丞師、さん喬師、わん丈師、天どん師、市馬師。
さん喬師がラコステのシャツを買って寄席に着ていったらわん丈師が反応したという。「一回しか着てないからクリーニングしてからあげるよ」とわん丈師にあげたものの、その後着ているのを見たことがない、とクレーム。
馬風師の馬風ドミノは市馬師に引き継がれていた。

つる子師、R-1の決勝に残ったどくさいスイッチ企画さんが作ったという新作。なぜかメイド喫茶でカップルが別れ話をするというシチュエーション。オムライスがおいしくなるというおまじないをつる子師がやるという、似合っているんだか似合ってないんだか。

わん丈師、「今はスーツで来ないといけないんで見せられてないですけど、ちゃんとラコステのシャツ着てます!」と楽屋に向かって叫ぶ。「なんでこんなに袖を気にしながらやってるんだろう」とぼやきが止まらない。いろいろラコステでいじられてたからなあ。
披露興行でやりたいと思っていた噺が『居残り佐平次』と『付き馬』だそうで、「ある師匠が『今日は違うな』とかいうんですよ。で、一昨日『今日は”居残り”だ』っていわれて『居残り』やってウケたんです。そしたら今日は『今日は”付き馬”だ』って。……言いなりですよ」だそうで。
以前浅草の出番があった際に、後学のためにと吉原を歩いたそうで、浅草からの道筋を解説していく。これが噺の中の客と妓夫太郎が歩いたルートになっている。その前フリが効いているので噺もなんだかリアルに距離感が想像できるのが楽しい。……けど「馬」の説明の仕込みがないけど大丈夫? ……と思っていたら、終演後に演芸場の看板の前でお見送りに出ていたわん丈師が「すみません、今日は仕込み忘れです。サゲの意味わからないですよね」と自ら解説をしていた。なんかいろいろ珍しいものを見たような気がする。
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