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人形町噺し問屋 その106 [落語]

人形町噺し問屋 その106
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭けろよん『半分垢』
三遊亭兼好『干物箱』
ちんどんバンド☆ざくろ ちんどん
三遊亭兼好『二番煎じ』

本来明日も仕事なのだが、大口クライアントが明日から休みのため私も代休。
会社の大掃除もそこそこに本年の仕事終了。来年がまた大変で今からイヤな気分ではあるけれど、とっとと兼好師の落語を聴いて厄落としをせねば。

まずはご挨拶。
「本当にこの年の押し詰まった時期に……。今日はキャンセルが多かったんですよ。気付いたんでしょうね、『今そんな場合じゃない』って」。……あー……、うん、まあ私もそうなんですけど。今年は年賀状も一切やってないしなあ。どうすっぺ。
「今年もいろいろありましたけど、やっぱり裏切らなかったのは日大。ずいぶんお世話になりました」。主にマクラの餌食としてね……。
「アメフト部も廃部になるそうで。ちょっともったいないような気もしますが……。というかね、アメフト部がある大学って少ないんですよ。だから日大とかに人が集まる。だから、今の日大のアメフト部の部員は他の大学が引き取ったらいいんですよ。そしてそこでアメフト部を作る。そうしたらもう少し大麻も流通しやすくなるんじゃないかと……」。途中までいいこと言ってるのかと思ったら。
「まあでも『ピンチはチャンス』ですから。これを活かすようにしないと。……それでいうとアレですね、秋田県知事が愛媛のじゃこ天を『貧乏くさい』って発言して炎上しそうになったんですけど、それで『じゃこ天て何?』ってなって売り上げが上がったんですって。それで今じゃ秋田と愛媛が協力して『仲良しセット』って貧乏くさいものをセットで売ってるんですって」。調べたらきりたんぽとじゃこ天のセットのようだ。そりゃちょっと美味そうだなあ。
「あと最近ゴロゴロを自分で引いて移動することが多くて、そのせいか腰がすごく痛くなったんです。で、琵琶湖湖畔の宿で落語会があって泊めていただいたんですが、もうものすごく寒いの。温泉にも入れてもらったんですけど、浴室の窓が開いていて……。結構上にあった窓なんですけど、これは閉めないとダメだなと思っていろいろ頑張った。そのときツルッと足が滑って、顔から岩にぶつかりそうになって……。『あーコレはダメだ』と思った瞬間、体をクルッと反転させて浴槽に落ちたんです。そうしたら、体を思いっきり捻ったからなんでしょうね、……腰治ったの」とダブルピースで舞台上を飛び回る。そんなことある?
……しかし俺、仕事でかなりピンチなんだけど。コレなんとかなるのかなあ。
あとは政治家のパーティに出席した話など。「安倍派がアレだけやったんだから少なくとも国葬は取り消してほしいですよね」と話して拍手が起こる。

今日は前座さんはけろよんさんのみ。
しかしすごい勢いでネタ増やしてるなあ。それでどれも前座クオリティじゃないんだから大変だ。

兼好師の一席め、「最近の北朝鮮で娘と一緒の写真が公開されたそうで。『金正恩の前に出て写真を撮るなんて、この娘が後継者なんじゃないか』なんて言われてるそうですが……。私も娘がいますけど、そんな大層なことですか? 娘って父親より前に出るでしょう?」と納得いかない様子。
「ところでああいう独裁者って影武者がいるんですってね。だからわざとチョビ髭をはやしたりして特徴的な見た目にする。パッと見て『あ、アイツだ!』ってわかるように。でもなきゃあんな髪型にしないでしょ」と思わず納得の理由を話す。
影武者の話から『干物箱』に。
階下から大旦那に小言をくらい、ブツブツと反論する若旦那の独り言が面白い。
貸本屋の善公とは事前の打ち合わせはなにもなく、とにかくぶっつけ本番でなんとかしろという無茶振り。こんなクライアント嫌だ。
なので運座の話や無尽の話もなし。その代わり「お前の友だちの貸本屋の善公だがな。アイツはどんなヤツだ」と聞かれ、「アイツはいいヤツなんで、今度おとっつぁんからアイツに小遣いを」と答えたのに「この前お前の声色なんか使いやがって、今度やったら承知しねえと言っておけ」という大ピンチが訪れるのがたまらない。それに答える善公の苦悩がとても楽しい。

ゲストのちんどんバンドのざくろは何度か聴いたことがあるはず。クラリネットのメンバーが朝橘師の奥方らしく、その繋がりなんだとか。
私自身がクラリネット経験者なので、どうしてもクラリネットに意識が行ってしまう。

兼好師の二席め、「最近は人口が減っているそうで、秋田などは20年後には人口が半分くらいになるかもしれないんだそうですね。いろいろ対策はしてるそうですが、私は流れに任せたほうがいいと思うんですけどね。『ライフラインなどのインフラはどうするんだ』という意見もありますが、昔は『自分たちの地域のことは自分たちで』という考え方があって……」といってみれば自警団の噺である『二番煎じ』に。
前半部の見回りの場面で、「アナタは謡の先生なんだから」とか「アナタは小唄とか端唄を習ってるんだから」とかいってお爺ちゃんたちの隠し芸大会になっているのがとにかく楽しい。
後半の酒盛りの場面でもまた隠し芸大会のシーンがあるが、前半はガチの芸、後半は酒が入って乱れた芸という対比が面白い。
そしてそれはなんといっても兼好師の芸達者ぶりがあってこその快楽であることよ。都々逸をひとくさり唸るだけでこんな拍手が起きるなんてそうそうないよ。
あー兼好師が一番の贔屓で良かったー。そんなふうに思わせてくれる一席でした。
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