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紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会 [落語]

紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会
於:四ツ谷 紀尾井ホール

三遊亭兼好『新聞記事』
三遊亭けろよん『狸賽』
三遊亭兼好『四段目』
三遊亭兼好『宿屋の仇討』

コタツを出す。
2週間前まで半袖で「アチー」とかいってたのにおかしすぎる。
時間に余裕を持って出たはずが、信号にことごとく引っかかる。あーーーもう。しかも会場や会場の近くには駐輪場がないので少し離れたところに停めなければならない。駐輪場から10分くらいかかる上、結構な坂を登らなければならない。
息を切らしながら必死で登るも、ちょうど兼好師が登場して話し始めたところで会場に到着。少し遅れて席に着く。せめて道が平らだったら間に合ったのに。

一席め、さすがにこの気温のアップダウンに触れ、そのせいで紅葉が汚いという。「一斉に赤や黄色というのはなくて、まだらになってる。『今年は暑いからまだ赤くならなくていいですよね、モミジさん?』『ええ、私もまだこのまま行くつもりで』なんて言ってたら『……うわ、寒っ! こんないきなり……モミジさん!? モミジさん!? ……死んでる!』なーんて感じで枯れてるらしいですよ」。いつもながら突然始まる落語仕立ての小ネタが楽しい。
「そんなおかしなことが起きている年だから、阪神が阪神優勝するのもうなづける。38年前もいろいろ事件があったんですよ。豊田商事とか……。今年もまだあと2か月ありますから何かあるんじゃないですか。文枝師匠やざこば師匠も高齢ですし……」と黒い笑みを漏らす。
「最近は何か事件が起きるとすぐネットニュースになる。朝の事件を夕方に話すともう遅い。情報は新聞くらいのスピードがちょうどいいと思うんですけどねえ」と『新聞記事』に。
「お前、天ぷら屋の竹さんは知ってるかい」「あいつとは竹輪の友で」と子ども時代におやつ代わりに竹輪を両端からポッキーゲームのように食べていたという小さいくすぐりが散りばめられていて楽しい。
中でも「泥棒が懐に呑んでたんだよ……」と「匕首」という言葉を出すためにおかみさんとの惚気を嬉しそうに話すのが最高。

けろよんさん、狸が朝に訪ねてくるのは珍しい。その分「狸のキンは八畳敷」とか小僧に化けて買い物をしてくる場面が刈り込まれていきなり「サイコロに化けられるか」となってスピーディー。

兼好師の二席め、昔は娯楽が少なかったと芝居の話に。「皆さんストーリーとかわかってます? でもそれでいいんです。幕が上がって『わーキレー』とか『かっこいー』とか言ってるくらいがちょうどいい」。歌舞伎を観に行ったことがないのでわからないけど、ストーリーを追える気がしない。
『四段目』に出てくる定吉は、小僧なのにだいぶ芝居に詳しい。そういう小僧は本当にいたのかはわからないが。
しかし芝居が見られるほど小遣いがもらえて、ほぼ一日中いなくてもそんなに叱られず、(嘘だけど)芝居小屋を借り切って店総出で芝居見物に行くなんてすごくいいお店だなあ。
定吉が蔵に閉じ込められるときに、格子戸に取り付きながらも芝居仕立てなのが懲りてなくておかしい。
旦那も蔵にお櫃を持って行くときも芝居の足取りを再現しながらというのも芸が細かい。焦ってるんじゃないんかい。

三席め、珍しく袴姿に。
最近腰痛がだいぶ楽になったといい、その原因がホテルの枕だったそうだ。「あるからせっかくなんでホテルの枕を使ってたんですが、そうするとすごく腰が痛かった。試しにタオルを何度か折ったものを使ってみたらすごくよかった」そうで。俺もやってみようかな。
昔と今ではずいぶん様子が違うと神奈川宿の話を振って『宿屋の仇討』に入る。
江戸っ子たち「はにほへと三人組」の軽快なマシンガントークが相変わらずお見事。あれはもはや言い立ての域になってるのでは……。扇橋師も兼好師から教わった噺をそのままやろうとするとすごく大変だと言ってたしなあ。
いかめしい雰囲気を出す万事世話九郎だが、「なんだあのどんちゃん騒ぎは。これでは勝手に身体が動いて寝られんではないか」とか茶目っ気のある性格であると伏線が張られている。これも他の人では聴いたことがないなあ。
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