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第五回 優々白書 [落語]

第五回 優々白書
於:神保町 らくごカフェ

オープニングトーク
桂優々『手水廻し』
三遊亭兼好『粗忽の釘』
桂優々『船弁慶』

最近兼好分が足りない気がする。
こないだも書いたけど、独演会や二人会よりも大物とのホール寄席への出演が多い。
今日も大手町ホールでの江戸東京落語まつり。吉笑兼好雀々わん丈文珍で5800円。……いや悪くないよ。悪くないけどさあ、さすがにこれに5800円はなあ……。
ということで普段なら行かないけど、ゲスト出演の会に。
私が上方落語が苦手だから優々さんにはほぼ馴染みがないが、正月に一度聴いたときはそんなに嫌じゃなかった。さらにゲストとのトークもありということだから、兼好師一席分よりもオトクなのは間違いない。
雨模様のため電車でらくごカフェに。
……おおん? 7人しかおらんぞ。……え、兼好師ゲストなのに? いやまあ贅沢っちゃあ贅沢だけど。
兼好師は江戸東京落語まつりから駆けつけたのだろう、結構ギリギリに会場入り。入り口近い席だったからよく見える。久しぶりのらくごカフェだからか、どこから入るか戸惑っていたのはご愛嬌。

まずは優々さんがひとりで出てきて兼好師を呼び込む。「こんなに狭いんだ……」と戸惑っている様子。見台もあるしね。
優々さんと兼好師はもちろん面識はあるのだろうが、そんなにお互いのことを知っている感じではなさそう。
兼好師から「出身はどこなの?」と聞かれ、優々さんは滋賀出身だと答える。「あー、わん丈くんと一緒なんだ。さっきまで一緒だったけど」「そうなんですよ、アイツ滋賀の仕事全部持っていくんですよ! ……いややめましょ、アイツの悪口や愚痴になりそう」。上方には滋賀出身者はたくさんいるが、東京にはわん丈さんともうひとりくらいしかいないらしい。
滋賀は関西弁でも落語用の大阪弁とは違うらしく、かなり直されるそうだ。全然わかんないけど。兼好師が福島出身ということで「訛り直すの大変じゃなかったですか?」ときかれるも、「東北弁は『訛ってる』と自覚があるから直しやすい。訛りがいつまでも直らないのは茨城とか千葉、山梨あたりの人」「あー、微妙に訛ってる方が……」「いまだに訛ってる人もいる。でも東京はいろんなところの寄せ集めだから、あまりみんな厳しくいわないんだよね」「大阪はオバちゃんが厳しいんですよ。気持ち悪いらしくて絶対に許してくれない」そうで。
「そういやさっきおたくの師匠と一緒に仕事だったんだけど、『なんや、これから満堂のとこ行くんかい』っていわれたから『いやいや、あなたのお弟子さんと仕事ですよ』って答えたら急に小さくなって『すまんなあ』って……。かわいがられてるねえ」「師匠は仕事で一緒になった人に連絡するんですよ……。こないだもたい平師匠と仕事だったんですけど、僕の携帯じゃなくてたい平師匠の携帯にメールしてて……」。ちょっと意外。
「そういえば昨日ニュースに出てましたよ。好楽師匠が『圓生はもう決めている』って……」。お、それは俺も聞きたかった。明確な名前は書いてなかったけど、あれは完璧に兼好師のことを言ってたはず! と思っていたら「え、そんなことあったの。でも師匠は飲むとずっと言ってるよそれ。もう5~6年くらい前から。『うちの一門ヤバいな』って……。だからその記事も師匠を飲ませて聞いたんじゃないの」とサラリとかわす。えー。まあでもてことは兼好師ももう飲み込んでるってことかな! さーて襲名披露の祝儀貯金を始めるか!
今日から真打昇進披露が始まるが、兼好師は「満堂ってねえ。声に出すとねえ……」とニヤリ。「そんなこといったら南光師匠はホントは『萬光』になるはずだったんですよ。これ結構大きい名前なんですよ。でもテレビじゃ無理だって言われて」「へー。まあ確かにダメだろうね。あとは『百生』もテレビはダメ。ちゃんとした名前なんだけどね……」と名前の話で終わり。まあ俺も彼には何の興味はないけれど。

優々さんの一席め、奥さんがお酒が好きで、目を離すとウーバーイーツで酒を頼むらしい。すげえなセレブだな。「私は大阪に行くときに飲んだりしますが、もう小旅行気分ですね」と旅の噺を。
あ、奥様は優々さんの名前でエゴサをするのが趣味だそうですが、万一このブログを見ることがあれば、大丈夫です、ご主人は頑張っていらっしゃいます。
本来上方の噺だと思うが、上方落語で聴くのは初めて。
「手水」が「テョーデュー」になるパターン。

兼好師、「昨日まで岡山の学校を回ってまして。昔はそれこそわん丈くんが前座で、喬太郎師匠がいて、和助師匠がいて、小三治師匠で一公演200万とか普通にあった。しかも学校ってお金の感覚ないんで払っちゃう。で、お金のないところは助成金もらってひとりだけ呼ぶ。……そういうところを回ってきました。9校くらい回ったんですが、どこも6年生が一番多くて10人くらい。で、徐々に少なくなっていくんじゃなくて、5年生はもうその半分くらい。その下の学年はそれぞれひとりずつ、なんてことが多かったですね。……だから今日の状況には慣れてます」。
「持ち時間が90分あるんですが、子どもは飽きてしまうんで前後2回に分けた。で、演るネタといったらもう『転失気』です。だから今できるネタは『転失気』しかないんですが、『手水廻し』と同じ噺ですから……。で、ずっと『転失気』をやっていると、頭では他のことを考えながら口だけは動いている。子どもはそういうところを見抜きますから、それじゃいかんということで他のネタを掛けた。そしたらまったく理解できなかったのか『なにをいってるんだこのおじさん』という顔をするんですねえ。……その噺をしたいと……」と『粗忽の釘』に入る。小学生にはこの噺の面白さがわからんのか。もったいない。
相変わらず亭主と女房のパワーバランスが絶妙。
女房に威張ろうとああだこうだ小言を言いつつ、結局は女房がいないとなにもできないのが透けて見えて微笑ましい。
……腰巻きのくだりは小学生相手にやったのだろうか。

優々さんの二席めは仲間内で川遊びへ行こうとする噺。
こちらでも女房の尻に敷かれた亭主が主人公として登場する。
主人公は川遊びの芸者が主人公のことを「誰かのお供としてしかきたことがない」として「弁慶さん、またはひっくり返してけべんさん」と呼ぶのが気に入らないといい、友人が「もし芸者がお前のことを弁慶、けべんと呼んだら割り前を取らない」という。
先日落語好き仲間と話していて、「弁慶」という言葉には「タダ酒を飲む人」みたいな意味もあり、『青菜』の「弁慶にしておけ」というひとことはそういう意味も掛かってるんじゃないか、ということをいわれたのだが、これはまさにそんな感じ。
でまあ船の中で割り勘負けをしないように主人公が意地汚く飲み食いをするのだが、なんかこういうセコいところがやっぱり苦手。多分それが笑いどころなんだろうけど、やっぱり見栄っ張りの江戸文化とはちょっと違うなあ。

雨も上がっていたので秋葉原の方まで歩く。
最近なぜだかやたらNintendo Switchが欲しくなっている。ゼルダの新作とかやりたい。
……いやわかってるんだ、買ったはいいけちょっとやっただけで飽きる上にやる時間もほとんどないのですぐにやらなくなるんだ。スーパーファミコンミニとかPCエンジンミニとか買ったけど、特にPCエンジンなんか1~2回しか触ってない。
さらに以前Wiiを買ったときはそのひと月後にWii Uが発表されて、ソフトも数本買ったのに結局ゲームした総時間数としては多分20時間もやってないんじゃないかなあ。その同じ轍を踏みたくはない……。せめて買うなら中古にしてダメージを最小限に……と思いしばらく逡巡した後、買わずに帰る。こんなブログでも書くのに数時間かかるからね、ゲームする時間なんてないよね。
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