SSブログ

ふかえどカレッジ「喬太郎の江戸深川 "ちょいと、いい噺"」 [落語]

ふかえどカレッジ「喬太郎の江戸深川 "ちょいと、いい噺"」
於:清澄白河 深川江戸資料館

柳家喬太郎『らくだ』

深川江戸資料館でのイベント。
先日兼好師の北千住の中学校での会に一緒に行った人が行けなくなったということで席を譲ってもらった。
常設展示の入館料400円で喬太郎師が聴けるとはかなりお得。

前半は資料館で展示している資料の写真を見ながら江戸の暮らしを喬太郎師が解説するというコーナー。
「えーとね、『江戸深川"ちょいと、いい噺"』ってことですがね、これについてはワタシもわかりません。アタシ世田谷生まれなんだ。それで横浜育ちなんですよ」。で、今は池袋住まいと。
「江戸の暮らしってのは落語を通じてしか知らないんでね、今日はアタシも勉強させてもらいます」と控えめ。が、写真がスクリーンに投影されると「これは大店ですね、『味噌蔵』とか『寝床』に出てきますね。大きな店と書いて『おおだな』。これで『おおみせ』と読むと意味が変わってきます……」と表示された画像に写されたものにまつわる落語と絡めていろいろ説明してくれる。さらにその場面を少し演じてくれるので大変オトク。細切れではあるが、いろいろな噺のさわりを聴くことができた。中には「これ初めてやったけどできるもんですね」という持ってないネタまで。なんだっけな、結構「え、これ持ってないんだ」と意外だった噺なんだけど。
画像でへっついが表示され、「この『へっつい』と舟の『舫う』が伝わらなくなってきたのが落語が廃れていくんじゃねえかって危惧されてましてね……。かといって『へっついとは』って説明しちゃうと教育みたいになっちゃう。志ん朝師匠は『船徳』で若旦那が舟を出すシーンで『若え衆、舟がまだ舫ってるよ』『ああ、まだ繋いでありました』とひとつの言葉をふた通り表現してました。私の『居残り佐平次』のサゲ、『おこわにかけた』も同じような工夫をしています」と他じゃ聞けないような裏話も聞けて大変結構でございました。今では埋もれている噺のあらすじとかも語られたり。
出る画像出る画像にそんな蘊蓄が語られ、「いやー、出るねー俺!」と本人も楽しそう。中には猫の画像が出され、「……猫です。次!」というのもあったが。

休憩を挟んで落語を一席。
「大変なことがございます。……持ち時間5分という……。前半喋り過ぎましたなあ。といって小咄で終わらせるわけにもいかないので……。先ほどから長屋での暮らしを話していたので、いろんな長屋の描写が出てくるこの噺をダイジェストでお送りします」と『らくだ』。
月番やら大家やら表店とか出てくるもんなあ。
普通なら45分くらいかかる噺を本当に15分で。とはいえちゃんとストーリーが省かれたりせず、しっかりと『らくだ』のまま。押し問答とか屑屋がぐずってるところが長いんだな、この噺は。

せっかくなので常設展も見ていく。
落語ファンからすると、長屋での庶民の暮らしという点では両国の江戸東京博物館よりも満足度が高い。落語の世界の息遣いを感じる気がする。
タグ:柳家喬太郎
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。