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第六十七回 一蔵ひとりの会 [落語]

第六十七回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『幇間腹』『甲府い』『猫の災難』

小辰さんもまったく同じ時間に会があり、悩みに悩んだ挙げ句こっちに。
というか悩んでいるうちに小辰さんの会が満席になってしまったのだけれど。
というか明日NHK演芸新人大賞の本選なんだよなあ。私は過去に馬るこ師、三朝師が大賞獲る前日の高座聴いてるので、もしこれで小辰さんの高座も聴いて小辰さんが大賞獲ったらすげえ自慢できるんだけど。

で、その本選には市弥さんも出ているということで、自然とマクラもその話に。
本人は気にしていないというのだが、周りがすごく気を使っているのがわかるそうだ。一之輔師からは「自殺するなよ」という暖かい(?)第一声の電話をもらったり、一朝師には「腐るな」というメールをもらったらしい。寄席の楽屋でも前座さんたちが気を使ってテレビはNHKを写していないのだとか。
しかし市弥さんかあ。ここ最近は全然聴いてないけど、正直私の率直な感想から言えば新版三人集の中では一番なんというか心許なかったというか。小辰さんほどのテクニックも一蔵さんほどのダイナミックさもなく、ふわふわとして頼りないなあ、という印象だったのだけれど。だから小辰さんは本選出場と聞いても全く驚かないしむしろ当然というかもう1~2年早くてもよくね? と思うくらいなのだが。イケメン落語家として注目されるようになって一皮むけたのだろうか。多分そうなんだろう。
一蔵さんも気にしてない、気にしてないといいつつ、その話題で結構な時間を費やす。宮治さんも獲ったんだし、一蔵さんのあの芸風は受け入れられると思うんだけどな。

さて一席めの『幇間腹』は一蔵さんでは久しぶり。というか『幇間腹』自体が久しぶりだった。前聴いたのが去年の正月? そんなに聴いてなかったっけ……。
若旦那は割とおとなしめ。そのかわり幇間の一八のテンションはガン高。というかやっぱり一蔵さんの幇間はこれがいい。一蔵さんのヨイシャー気質と相まってなんともリアルな幇間像となる。

二席めの『甲府い』がネタおろし。旅の仕事の話をマクラに。こないだは旅の仕事が続いて12連泊したそうだ。また、帯広のばんえい競馬で噺家仲間でそりを引いた人間ばん馬の話なども。
なんと売り声の「とーふぃー」といったきり「生揚げ」が出てこない。「ちょっと待ってください」といってやり直し。「これがネタおろしの醍醐味」と言っていたが、珍しい。
善吉とお花を結婚させようと相談している豆腐屋の夫婦のシーンで、お父つぁんが先走りして激昂するところがあるが、その激昂ぶりが激しくておかしい。私はこれくらいブチ切れるのが好き。

三席め、『猫の災難』も久しぶりだなあ。一蔵さんだと2年半以上ぶりか。
眼の前の酒を呑むために自分自身に言い訳をするのだが、そこで多重人格のように他の人格が出てきて「あなたは本当にそれでいいのですか」と追い詰めていくのが面白い。
タグ:春風亭一蔵
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