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古典廻し #2-3 [落語]

古典廻し #2-3
於:西荻窪 一欅庵

立川笑二『親子酒』
春風亭一蔵『寝床』
春風亭一蔵『のめる』
立川笑二『黄金餅』

築80年以上の民家で行われている落語会。
床の間のある和室に高座がこしらえてあって、まんま八っつぁんとご隠居が出てきそうな雰囲気。

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Nikon D7000

笑二さんの一席め、噺家で飲みに行った噺をマクラに。
兄弟子の吉笑さんや馬るこさんたち、そして兼好師と6人で飲みに行ったそうで、一番上の兼好師の話をふんふんと聞いていたという。兼好師が気を使って、「談笑師匠には前にこういうことを言われたことがあって、それがとても励みになっている。弟子だからいろいろ言ってもらえるでしょう?」と吉笑さんにいったところ、「返事するのに夢中で聞いていませんでした」と答えたとか。
吉笑さんは吉笑さんでこないだ「笑二さんがいかに気が利かないか」と熱弁してたし、お互いネタにしあって仲がいいのか悪いのか。
酒を遠回しに要求すると、婆さんが白湯やおじやを湯のみに入れて持ってくるのがおかしい。
さらにねだるときに「婆さん……おとよ……おとよっち」とだんだん砕けた呼び方になり、婆さんもまんざらでもないのがおかしい(婆さんの正確な名前は失念)。その後酔っ払うとずっと「おう、ばばあっち」と呼びかけるのも笑える。

一蔵さんの『寝床』は初めてかな。
とにかく最初ニコニコしていた旦那が重蔵の話を聞くにつれイライラしていくグラデーションがいい。
重蔵も重蔵で旦那に向かって「あ!?」と凄むところは一蔵さんらしい。
長屋の連中が駆けつけて旦那の機嫌が直ったあとに「店立てはやめよう。でも義太夫の会も今日はやめよう」といい、「ではありますが」と言わせようと誘い受けをして重蔵に盛大に舌打ちさせるのも面白い。

『のめる』は久しぶりに聴いた。
前座時代に聴いて「この前座すげえな」と認識したネタだった気がする。
お人好しの八っつぁんとクールな半公のコントラストが楽しい。

笑二さんの二席め、西念があんころ餅の食べ過ぎで死ぬのではなく、あんころ餅で金を包んで食べていたのを覗いていた金兵衛に「なにしてるんだ、出せ!」と半ば暴行を受けて死ぬという結構ダークな演出。
さらに焼き場へ連れて行くときに西念が息を吹き返すのをさらに絞め殺すというかなり陰惨な方向へ。
本来なら手に入れた金を元手に大儲けをして……という噺なのだが、オチも大幅に変更して、ちょっとした怪談噺に変わっていた。なるほど……。途中のグロさとかを考えたら変に笑いにするよりそっちにしたほうが確かに自然な流れのような気がする。

終演後に会場のオーナーさんの案内で一欅庵の建物見学を。
大正末期の家で、洋間や女中部屋まであってハイソだったんだろうなあ。
すごく趣があって、一蔵さんが「高級旅館みたい」と言っていたのもうなずける。


20151206_02.JPG
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Nikon D7000
窓ガラスも建築当時のものらしく、表面が歪んでいるのだがそれもまたいい感じ。
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