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らくご長屋 宮治六連続独演会 令和3年9月25日 [落語]

らくご長屋 宮治六連続独演会 令和3年9月25日
於:中野 なかの芸能小劇場

桂宮治 ひみつの時間
桂宮治『粗忽の釘』
桂宮治『らくだ』

オフィス10の会は必ず開演前に社長の娘による影ナレが入るのだが、これがいつもちゃんとできない。いつまで経っても原稿棒読みなのはまだいいとして、毎回読み間違いをして自分で笑ってしまう。で、おそらくさらに芸人さんが笑かしてるんだろうな。どんどん笑ってしまいぐずぐずになるのがよくあるパターン。今日も笑い倒す。それでウケてることも多々あるが。

フリートークのひみつの時間は、最近歩きまくってることを話す。ラジオを聞いたり稽古をしながら歩き回っているらしく、今月は○日間だけでxxxkmくらい歩いたというようなことを言っていた。今朝も3万歩ほど歩いており疲れ切っているのだとか。さらにこの会の直後には西荻窪で宮治展があるうえに東洋館もあるのだとか。売れっ子ですなあ。
コアなファンは宮治展の方に行くんだろうなあ。狭いので今はさらに入れなくなってるようで、予約できない感じ。
あとは昨今の弟子入り事情とか。
しかしほんとに疲れてるのか、いつもよりもキレがない感じ。

今日はなんかまあ面白いのは面白いんだけど、なんか雑。
マクラと噺もつながってないし。
特に『らくだ』の後半は時間もあってか屑屋が酒を呑み始めてからはすっごい雑。
まあたまにはそういうこともあるだろうけどさあ。
タグ:桂宮治
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貴殿凄腕体当願候~柳亭こみち 三遊亭兼好に二人会を申込むの巻~ [落語]

貴殿凄腕体当願候 ~柳亭こみち 三遊亭兼好に二人会を申込むの巻~
於:深川江戸資料館 小劇場

オープニングトーク
柳亭こみち『紙入れ』
三遊亭兼好『質屋蔵』
三遊亭兼好『高砂や』
柳亭こみち『片棒』

こみち師が「自分がすごいなあと思う先輩」と一緒に会をやることで自分を鍛えるという主旨の会だそう。
その記念すべき1回めは兼好師。こみち師曰く、自分の客にはほとんど宣伝もせず、ほとんど兼好師の客だという。その空気の中で何でもできるようにならないといけないんだとか。まあでも兼好師の客ならこみち師のこと嫌いっていう人はそういないんじゃないかなあ。

前座の高座がない代わりとして出演者ふたりのオープニングトーク。
しかし開口一番にこみち師が「兼好兄さんがすっごいやる気のない顔をしている」と訴える。兼好師曰く、「自分は先のことを考えると目先のことがうまくいかないタチなので、先のことは考えないようにしている。この会の話を聞いたときも深く考えずに了承したが、昨日まで私はこみちさんの会のゲストとして真ん中で『粗忽長屋』でもやればいいと考えていた。そしたら昨日電話がかかってきて『二人会ですよ』っていわれて。ええーってなった」そう。こみち師によれば「こんなやる気のない顔を見るのは初めて」だそうだ。
この会は2回めがすでに決まっていて、会の相手は彦いち師だとか。彦いち師と話をしていたら、「オープニングトークで相手の盗みたいところを発表したほうがいい」とアドバイスされたので「さっき落語協会で書いてきました!」と紙に書いた漢字を見せる。
まずは「器」。「『器用』の『器』ということもありますし、以前に一緒に会をやったときに今日やるネタと今後やってみたいネタを聞いてくれて、それには一切つかないネタをやってくれた上に『これ打ち上げ代ね』と2万円くれた。そういう『器』の大きいところ」だそうだ。照れ隠しなのか「いい人でしょー」と兼好師は自画自賛。さらに「そういうときにそのネタをやっちゃうのが一之輔ね。アイツは悪いヤツなんだ。人の会で勉強してそれを地方でやって大ウケする」と暴露する。一之輔師とばっちり。でもやりそー。
もうひとつは「研」。「登場人物を研究している。あとこの字にはもうひとつ意味があって……なんだったかな……これ昇さんがいってたヤツなんですけど……」と言葉に詰まり「ダンナのネタ!?」と突っ込まれる。
一応二人会なので、オープニングトークで出番順を決めたいと事前に兼好師に提案したところ、それは拒否されたという。兼好師によれば「あなたが頑張る会なんだから」とのこと。
「わかりました……じゃあアミダで決めましょう」「私の拒否権は!?」というやりとりがあり、舞台に模造紙?が持ち込まれる。ここに縦線が10本書かれており、そこに兼好師とこみち師が横線を書き足した上で「兼」と書かれた場所に当たったら兼好師がトリ、というルール。「1/10くらいの確率ですからいいでしょう」と無理やり兼好師に承諾させる。
兼好師がスタート地点を選んだところでしゅりけんさんに「我々はトークしてるからくじをやっといて」と頼む。が、トークの間もしゅりけんさんは話に聞き入っており、くじをすすめる気配がない。しばらく経って「どうなった?」と聞かれたところで「まだやってなかったのか!」と突っ込まれる場面もありつつも、結局こみち師がトリ、という順番に決まる。

こみち師の一席め、「他の師匠の客の前でやることで鍛える」というコンセプトで始めたので、兼好師のように「噺を大きく変えることがありながらも、決して噺を壊すようなことはしない」噺をやらなくちゃ、と思ったという。が、「自分は女性視点に変えたりしているので、持ちネタとしてあまり(スタンダードなものが)ない」という。その中でも「もしかしたら自分の願望も入ってるんじゃないか」と『紙入れ』に。
『紙入れ』定番のマクラで豆腐屋の間男騒動があるが、これは男の演者なら与太郎が話を広めるところ、こみち師では長屋のおかみさんたちが井戸端で噂話をしているところに豆腐屋が棒手振りでやってくるという形になっており、このアレンジは見事。
噺の本編はほとんど中身を変えず、新吉視点で進む。お店のお内儀さんが必要以上にくねくねし、途中で「……気持ち悪いですか」と客に聞くのがおかしい。
従来のサゲのあとにお内儀さんから「新さんゆっくりしていって」ともう一言添えられるのだが、その一言がなんだか意味深な余韻を残す。新吉の受難はまだ終わりそうにない。

兼好師の一席め、最近の楽しい話題として純烈のリーダーに脅迫状と包丁が送られてきたというニュースを挙げる。「犯行理由が『自分の好きなメンバーが、リーダーから悪口をいわれたから』っていうのがいいですよね。でも私も他の人のことを高座でいろいろ悪くいったりしますけど、基本的にはその人のことが好きだからいうんです」という。その理由として「本当に嫌いだったら話題にしません。良くも悪くも宣伝になっちゃうから」というのはとてもリアルな気がする。
「私も気をつけないと包丁送られてくるかもしれませんね。……白酒あんちゃんなんか既に送られてそうですよね、いわないだけで。でもあのあんちゃんだったら送られてきた包丁を気にせず使いそうな気がするから怖い。『国宝のファンから送られてきた包丁、長いだけで使えねーな』とかいいそう」。何重にも悪口が重なっててもうなにがなにやら。
「そういう想いが怨念になる」と『質屋蔵』へ。
この噺自体は3年ぶり。
番頭さんが話す質草妄想ストーリーや小僧の定吉のこまっしゃくれたお使い、熊さんのひとり告白や蔵の中でのドタバタと、一席の中にいろんな要素が複雑に絡まりながら詰め込まれている。これは確かに凄腕じゃなきゃこんなに面白くできないよなあ。

二席め、最近定番の眞子さまいじりに続いて「昔は結婚するにもいろんなしきたりがあって大変だったんでしょうね」と『高砂や』に。
最近は小辰さんでばかり聴いていたが、兼好師は豆腐屋の真似のくだりなどはほぼ一度だけでさっぱりと。でも面白さの量は少しも変わらない。
……そうだよなあ、これで充分面白いんだよなあ。……いいにくいけど小辰さんのはちょっとくどすぎだよなあ……。もちろん繰り返しの面白さというのもあるけど、稽古の場面と本番の場面でなんども繰り返されるのはなあ。

こみち師の二席め、『高砂や』のマクラで兼好師にさんざん落語家と漫才師の組み合わせについていじられていたので「いいじゃないですかねえ、落語家と漫才師でも。この仕事してるといろんなものをいただける。今日身につけてるものも着物から帯、帯留めまで全部いただきもの。自分で買ったのはパンツくらい。前座の頃には楽屋のお弁当をたくさんいただくこともあるんですが、冷蔵庫がないからそんなにもたない。でも捨てたくないので見極めるのが上手くなりました」と傷んだ食べ物の見分け方のレクチャーが続く。
「何がいいたいのかといいますと、要は私はケチなんです」と『片棒』に。
以前にも寄席で聴いたことがあるが、途中はかなりの改変がされている。
今日は長男の金太郎案は大金をかけるのではなく、「鈴本演芸場を10日間借り切って興行をやりましょう」というもの。鈴本や落語協会の裏側がチラチラ見えて面白いが、多分アドリブなためかちょいちょい前後と整合性取れていないところが出てきてしまう。あと次男案と方向性が被る。
次男案はこの後の展開もあるため、祭囃子の口三味線を「ここは割愛しましょう! みんな知ってる」とカット。普通ならここが一番の盛り上がりどころなのだが、三番めの子で長女の鉄子が登場して「私を喪主にしてもらったらおとっつぁんの大好きな『(大人の事情のため割愛)』を歌ってあげる」とオンステージ。……これも次男案と被るな。
いろいろ盛り込みすぎてちょっととっ散らかった印象があるかな。サゲは従来通りなので余計そう思うのかもしれない。

オープニングでも話していたが、次回も既に決まっていて、予約も受け付けているという。面白そうだけど、丸1年後の来年の9月だそうだ。ちょっと先過ぎだなあ……。
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第449回ノラや寄席 秋の三人旅〜小せん・龍玉・天どん三人会 [落語]

第449回ノラや寄席 秋の三人旅〜小せん・龍玉・天どん三人会
於:中野 なかの芸能小劇場

柳家ひろ馬『道灌』
三遊亭天どん『ちきり伊勢屋』
柳家小せん『景清』
蜃気楼龍玉『もう半分』

親父の墓参り。やっぱりこの時期のバイクは最高に気持ちいい。
お寺があるのは梨で有名な場所なので、近くの直売所で1袋1800円もする高級梨を買い込む。1個600円て冷静に考えると高いよなあ……。まあ年に一度の贅沢として。
さらに近場の温泉へ。最近はサウナも復活しているようで、3セットをこなして心身ともに整う。

ところが。2時間弱で戻れるはずが、大渋滞に阻まれる。しかも抜け道のような裏道でハマったからさあ大変。バイクなのにすり抜けもできず、大幅に時間をロスしてしまう。やっぱバイクのときはナビを信じずに大きい通りを選んだ方が結局は早い。何度も学んでいるのにナビに「10分早いルートを見つけました」とかいわれるとついそっち行っちゃうんだよなあ。

それでもギリギリ間に合うな、と見えたら会場近くで盛大に道を間違える。おいおい、なかの芸能小劇場なんて何十回何百回と行ってるところじゃん、なんで間違えるかなあ。
まだ曲がる道じゃないのに何故か「あ、ヤベ曲がる道過ぎちゃった」と思い込んでしまった。
引き返そうとするも東京裏道特有の一通地獄で行きたい方向へ行けず、グルグルと回った挙句に最初の地点に戻っているという絶望を味わう。
その後ふとまだ曲がるところじゃなかったと気づいて戻れたのだが、焦ってると正確な判断ができなくなるね。
で、そのせいで5分遅刻。それでオープニングトークの鼎談を聞き逃してしまった。このメンツでの鼎談て何を話すか興味があったのになあ。受付で検温とかしてるときに天どん師のうひゃひゃ笑いが聞こえてきた。まあ5分で終わったんだから今日の会のコンセプトを話したくらいなんだろう(と自分を納得させる)。

天どん師、「今日は9時までに終わらなきゃならないって会場に来てから知らされましてね。普通にやったら40分から1時間かかる噺を持ってきたんですけど、僕はマジメなんで、30分で終わろうと思います」とマクラもそこそこに噺に入る。
『ちきり伊勢屋』は名前は知っているが初めて聴く噺。
よく当たると評判の占い師に「2月15日に死ぬ」と見立てられた若旦那の噺なのだが、この若旦那が「どうせ死ぬんだから」とお金を施したり大金をばら撒いて遊んだりする。
他の人のを聴いたことがないのて比較はできないのだが、ストーリーだけ見ると「ヤケになって」という感じになってもよさそうなものだけれどもそんな感じは一切なく、むしろものすごくポジティブ。
死の予告をされた当日もノリノリで「よーし、死んじゃうよー!」ととにかく明るい。このどこまでも明るい若旦那のキャラが天どん師らしくてとても楽しい。
でもなんだろ、どこかウェットな部分も感じる。どこが、と聞かれても困るのだけれど。

小せん師、「……さすがに30分では無理でしたね、しかしあんな『ちきり伊勢屋』あるんだ」とのことで、うーんやっぱり他の人のも聴いてみたいところ。兼好師土日の会でやってくれないかなあ。
『景清』は以前に聴いたことがあるはずなのだが、このブログを始める以前のようで、手元に記録は残っていない。一之輔師だったかなあ。どこかちょっと郊外での会で聴いたようにおぼろげに覚えているのだが。
旦那とのやり取りの中で、目が見えなくなってからおかみさんをもらったという話題が出て、「目が開いてないのに帰れない」と嘆くシーンがある。自分の中で『心眼』と噺が混ざってしまい、目が開いた時点で「さっきあんなこといってたのみおかみさん裏切るのかあ」と思っていたら、おかみさんをはじめて見て「きれいな人だ……初めまして」とサゲて終わり。後味よく終わってよかった。

龍玉師、『もう半分』は6月にも聴いているがやはり表情がすごい。
煮売り屋の主の酷薄な表情や棒手振りの爺っつぁんの絶望感漂う上目遣いの凄まじさが伝わってくる。
そこからのクライマックスでの大笑いが鬼気迫って圧倒されそう。

陽が沈むともはや寒い。もう夜にバイク乗るなら上着持って行かないとなあ。
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上尾×落語 Vol.6 三遊亭兼好独演会 [落語]

上尾×落語 Vol.6 三遊亭兼好独演会
於:上尾 上尾市文化センター小ホール

三遊亭しゅりけん『大安売り』
三遊亭兼好『大山詣り』
三遊亭兼好『厩火事』

一夜明けてすっかりいい天気。
からっと秋晴れでバイクに乗っていても気持ちがいい。1時間半ばかりツーリング気分で会場まで。

しゅりけんさん、兼好師のとはまったく型が異なる『大安売り』。
大阪場所の全敗ぶりは割とあっさりで、その分京都や名古屋、浜松にまで周るというストーリー。そこでも全敗しているのを楽しそうに話しているのがおかしい。

兼好師の一席め、ひさしぶりの好天による気候の話から山の話へ移り、『大山詣り』に。
そろそろシーズンも終わりか。
今年はひと月前にも聴いたし、こないだ車で出かけた際に三田落語会でのネタを聴いていたのでなんとなく多く聴いた気がする。とはいえ『大山詣り』を聴くのは最近ではほとんど兼好師ばっかりだな。
それでもなんかしら前に聴いたのとは微妙に変わっているところがあり、それを探すのが楽しい。
……今日はなんというか、どこがどうというわけではないんだけど、微妙にキレがないような……。もちろん面白いのはいつもどおりなのだが、いつもよりも若干言葉が重いというか半拍から1/4拍ぐらいタイミングが遅いような気がする。気のせいかもしれないが。

二席め、眞子さまの結婚について。「みんな思ったより賛成しないんですね、ダメだったらダメでいいじゃないですか、御所で『出戻りの儀』とかやれば」とのことだけど、税金使わないなら好きにして、というのが正直なところではないだろうか。
「もちろん小室さんが天皇になるって可能性があるなら私だって止めますよ。『それはちょっと』って。落語でいえば白鳥師匠が圓生を継ぐ、ってなったらそれは止めます。……でもこないだ喬太郎師匠と話してたら、『継ぐなら圓朝かもしれない』っていうんですよ。でも確かにあれだけ噺を作ってて、その噺を他の人もやっているのは上方の文枝師匠と白鳥師匠くらいしかいないんですって。さらに長編の続き物も作っているので圓朝師匠っぽい」。言われてみれば確かに……。
「でもえんちょうはえんちょうでも園長の園に鳥で『園鳥』だろうって。いいですねえそしたら弟子も『三遊亭にわとり』とか『三遊亭やきとり』とかになるんでしょうね」。それはちょっと面白いかも。
夫婦の縁の話から噺に入る。
噺の冒頭でおさきさんが食事中の兄いの家に飛び込んできて冷たくあしらわれ、「おまんまと私とどちらが大事なんですか!」「おまんまに決まってるだろう、お前に会わなくたって死なねえが、おまんま食わなかったら死んじゃうだろ」と当然至極のことをいわれ、「じゃあいいです、食べ終わるまで待ってます」といいながら、その待つ姿勢がウザい。今日はその仕草を長々とやり、そのウザさが面白い。

さてこのブログの『落語』カテゴリもこれでちょうど1000記事め。
2011年の12月から始めたこのブログも10年弱で1000回落語行ったってことか。まあ初めの頃は落語に関する話題を書いたり、1日に行った複数の回をまとめて書いたりしてるから実際には1000回かは正直よくわからないけれども。昨年なんかは配信のもあるし。
一応『落語とカメラと散策と』という自分の趣味を並べたようなタイトルにしたのはいいものの、最近では他のカテゴリの話題はほぼインスタの方で上げているのでこちらではあまり触れなくなってしまった。
まあ飽きっぽい自分がよく続いたもんだ。
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第444回ノラや寄席 遊雀・遊かり親子会18 [落語]

第444回ノラや寄席 遊雀・遊かり親子会18
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭遊かり『初音の鼓』
三遊亭遊雀『替り目』
三遊亭遊雀『十徳』
三遊亭遊かり『新作(テレビ取材)』

台風の中を休出。行き帰りの時はちょうど雨風が収まっている時で助かる。

今日は遊かりさんが先日の北とぴあの若手賞レースで2位を獲ったということで「今日はお前が先に上がりなさい。トリもとりなさい」と言われ先に上がったとか。
マクラではその賞レースの舞台裏というか、それに備えてやってきたことなどをたっぷりと。その会はゲストが遊雀師でやりにくいことこの上なかったとか。
1位を獲ったらその賞金でいい肉を買って遊雀師宅で一緒に食べようとイメージトレーニングをしていたそうな。
結果としては2位だったが賞金も出たので遊雀師に話したところ、「形のあるものを買いなさい」と帯を買うことを勧められ、「それで買ったのがコレ」と新しい帯を見せる。「賞金じゃ足りませんでしたけど」とオチもつく。
噺では殿様が鳴きすぎて逆に道具屋に請求書がいくというもの。サゲはもう一言あったが、ない方が面白かったかなあ。

遊雀師、「肉はいつ持ってくるんだ。そりゃ皆さんだって後輩が頑張って結果出して『先輩のおかげです』ってお礼を出そうとしたら『そんなのいいんだよ』っていうでしょ。でも日本人ならそこから『ではごさいましょうが』ってとこまでいかなくちゃあ」とはいうが、まあ本心は嬉しいんだろうなあ。
若い頃から賞レースを総ナメにしてきた遊雀師だが、久しぶりに賞レースの現場を舞台袖で見ていて懐かしい想いになったとか。他の人がウケてれば袖ではすごい顔で睨んでるし、滑れば満面の笑みだそうだ。
で、1位は小辰さんだったのだが、遊雀師曰く「圧倒的だった」そうで。
「こたっちゃんの出番は2番めで、正直そんなにいい位置じゃない。でも高座に上がって1分話しただけで『あ、こりゃ優勝するな』と思ったね。まだ他の演者が4人残ってるのに。遊かりには悪いけどそれくらい圧倒的だった」とのこと。遊雀師は基本的に他人を悪く言わないし後輩のこともよく褒めるけど、それでもここまでいわせるってすごいな。
さっき遊かりさんも「噺も上手いし、本当にいい人で。お世話になりっぱなしなんで『打倒小辰』なんて無理。なんか弱点ないかと思ってるんですけど」といっていたし、本人がいない場でここまで爆上がりというのも贔屓としては本当に嬉しい。
そこで小辰さんが掛けていたネタを自身でも演りたくなったと『替り目』を。
酔っ払いの亭主が「私みたいなおばあちゃんのお酌じゃ美味しくないでしょうが」と見せた手本のほうが色っぽく、おかみさんの方は野太い声でドスが効いているのがおかしい。
噺に入る前に「『替り目』なんてみんなやってて噺自身は怒ってるだろうね、『俺のこと便利に使いやがって』みたいな」といっていたのだが、スタンダードであろう俥屋とののくだりやおでんのくだり、おかみさんへの感謝はバッサリとカットされており、おかみさんとの呑む呑ませないの攻防やうどん屋とのやり取りがメインに。ちょっと珍しい構成。

二席め、初めに「こんちはぁ」といったあとに妙な間が開く。「……上下間違えるとうまく出てこないな……」ということらしい。「……それで?」「この後どう行こうと思いまして」「それはお前さん次第だ」と考えがまとまっていない様子。まあこの導入パターン多いからなあ。「さっき変なもんを着て……」「……そっちで来たか」とメタ的な演出を引っ張る。
噺が進んで十徳のくだりが終わった後に「まだ聞きたいことがあるんだけど。鶴はなんで鶴っていうんですか?」と他の噺がミックスしたような状態に。「こっちの噺は明日の浅草でやろうかな」とのこと。明日の浅草演芸ホールの遊雀師のネタは『つる』です。

遊かりさんの二席めは、特許を取得した研究員の家にドキュメンタリーのテレビカメラがくるという噺。……うーん。正直なにがいいたいのかよくわからない……。
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渋谷らくご 龍玉劇場 ~単館上映落語会〜 [落語]

渋谷らくご 龍玉劇場 ~単館上映落語会〜
於:渋谷 ユーロライブ

柳亭市童『ろくろ首』
弁財亭和泉『銀座なまはげ娘』
三遊亭遊雀『小言幸兵衛』
蜃気楼龍玉『駒長』

曇り空の中バイクで向かう。余裕を持って出たはずが、渋滞やらなんやらでかなりギリギリに。六本木通りってなんであんなに混んでんの。しかも渋谷の人混みすげえなコレ。どこが緊急事態なんだか。
さらにあてにしていた駐輪場が満車で焦る。自分用メモ。渋谷での駐輪場はユーロライブからちょっと遠いけどヤマダ電機が一番安いし空いてるので今後はヤマダ電機一択です。
そんなこんなで5分ほど遅刻。シブラクって途中で入れるのかと不安だったが後ろの席にだったら大丈夫だった。

市童さん、与太郎が叔父さんのうちで説教されているところに入場。
「おかみさんが欲しい」と言い出す前にもじもじしてえづいているのがおかしい。

和泉師、真打昇進後初。
一度舞台袖に顔を出した後になぜか引っ込む。
いろいろと忙しくてバタバタしているそうで、今日も出番順を間違えてかなりギリギリの楽屋入りになったそうだ。
さらに足袋を片方忘れ、前座さんに借りたそうで、それが漫画に出てくるような穴のあきそうなものだったそうで。さっき一度引っ込んだのも忘れ物に気づいたからとか。忘れ物って扇子と手ぬぐい以外になんかあるのだろうか。
和泉師の代表作のひとつ『銀座なまはげ娘』は久しぶり。
いつのまにやらなまはげになることになった元OLが、教材DVDをみてキッチリと稽古しているのがおかしい。

遊雀師、袴姿で登場。「あまり袴は普段つけないんだけどね。タンスに入れっぱなしだと傷むんだよ。だからたまにはね。虫干しみたいなもん」とのこと。
「最近仕事減っちゃってさ、情けないんだけど寄席の15分はいいんだけど、それを超えると足が痺れるようになっちゃったんだよ。そんなとき袴はいいよ。こうやって足を崩してもわからないでしょ? なんだったら胡座をかいたって……」と実際に高座で胡座をかく。「おお? これ結構いいな。そんなにおかしく見えないでしょ?」というが、胡座じゃいろいろ仕草とかやりにくいんじゃ、と思ったら「やっぱり正座じゃないと動きづらいな」とのことで正座に戻る。
噺に入って長屋中を小言を言い回るときに「悪い子はいねがー」と和泉師のネタを引き継いで大ウケ。「これがやりたかっただけでこのネタ選んだ」とのことだが相変わらず場の空気を取り込むのが上手い。

トリの龍玉師、『駒長』を高座で聴くのは初めてか。志ん朝師のCDや弥助時代の配信で聴いたくらい。
「珍しい噺というのは面白くないから。ちゃんと理由がある」とのことだが、まあ確かにこの噺は今のご時勢には受け入れられにくいだろうなあ。借金をごまかすために美人局の筋書きを立て、そのためにDVするってねえ。
龍玉師はピカレスク譚の噺が多い印象だが、この噺はそこの裏舞台を描いておりちょっと珍しい。『包丁』とちょっと空気が似ているかな。

帰りも結構な渋滞。いろいろ寄り道とかしてたらすっかり遅くなる。家に着いた途端に大雨が降り始める。あっぶねえ。
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