SSブログ

浅草演芸ホール 六月中席 [落語]

浅草演芸ホール 六月中席
於:浅草演芸ホール

昼席
入船亭辰ぢろ『たらちね』
林家八楽『平林』
入船亭小辰『金明竹』
古今亭文菊『道灌』
伊藤夢葉 マジック
柳家甚語楼『真田小僧』
入船亭扇辰『麻のれん』
すず風にゃん子 金魚
三遊亭歌武蔵『支度部屋外伝』
柳家はん治『鯛』
林家正楽 紙切り
三遊亭圓歌『やかん』
古今亭志ん彌『替り目』
ストレ-ト松浦 ジャグリング
鈴々舎馬風 漫談
柳亭燕路『お菊の皿』
鈴々舎馬るこ『置泥』
ロケット団 漫才
柳家小ゑん『フィッ』
柳亭市馬『山号寺号』
立花家橘之助 浮世節
柳亭こみち『片棒』

夜席
春風亭いっ休『子ほめ』
春風亭与いち『手紙無筆』
春風亭柳枝『初天神』
アサダ二世 マジック
古今亭志ん五『ロールケーキ』
春風亭柳朝『荒茶』
ホンキ-トンク 漫才
隅田川馬石『鮑のし』
春風亭正朝『星野屋』
翁家社中 曲芸
古今亭志ん輔『猫の皿』
春風亭一左『幇間腹』
五街道雲助『権助魚』
林家楽一 紙切り
春風亭一朝『祇園会』
柳家小菊 粋曲
春風亭一之輔『あくび指南』

こらまたいい顔付。しかも今日は交互出演がほぼほぼ私の好きな方が出演するという最高の組み合わせ。
小辰扇辰一之輔といういつも追っかけている人たちに加え、馬るこ市馬こみち柳朝馬石ホンキートンクという最近ご無沙汰している人たちも大量に補充できる上に一朝雲助馬風というプレミアもついてくる、そんでもってチラシ割引で2500円ってお得すぎでしょ。
本当は昨日も行きたかったけどさすがに浅草昼夜は疲れるので昨日は先週の仕事の疲労回復につとめてほぼ家から出ず。雨も降ってたしね。

小辰さん、骨皮の部分は抜きで最初から上方の使いから。
やっぱりピシッと上手い。一蔵さんのときも言っているが、自分が贔屓の二ツ目さんが寄席でウケているのを見るとなんか嬉しい。なんだろうな、大変イヤラシイ了見なんだろうけど、「どうだい俺のオススメの若手は。面白いだろう!?」という「本物をいち早く知ってる俺」っていう優越感なんだろうか。うん、だとしたら口に出して言わないようにしなければ。

文菊師、「ごめんなさいね、こんなイヤらしいお坊さんみたいなのが出てきて」ってもう完全にそういう路線を狙ってるよね!? いやまあ似合ってるしいいんだけど。

夢葉先生のムチも久しぶり。

扇辰師、夏らしく涼やかな一席。
蚊が出てきたり雷が落ちたりと涼やかな要素はあまりないんだけど、それこそ麻のれんのようなさらっとした肌触りのようなものを感じる。

はん治師、生簀に入れられた鯛が、生簀歴20年という先輩鯛に生簀の中で生き残るための術を教わるという新作。三枝時代の文枝師作の噺らしい。はん治師は三枝落語が多い? 面白いけど。

正楽師、雷門、七夕、線香花火のご注文。もちろん見事に切り抜く。

園歌師、古典をやるときもいつものような細かい小咄をつなげていくようなスタイルなのね。ひとつひとつのネタできっちりと笑いをとっていく貪欲さがすごい。

馬風師、コロナの入院体験談から先代三平師の噂まで。
大したことないように語っていたけど、やっぱりひと月入院したってのはなかなか重症だったんじゃないかなあ。髪も染めていないようで、真っ白に。

久しぶりの馬るこ師、また丸くなっているような……。ポッドキャストを聴いているのであまりご無沙汰感はないんだけど、やっぱり落語は楽しい。

市馬師、とんとん落ちの説明のための小咄として『九日十日』を演じるも、なんと最初に金毘羅様の縁日を尋ねられたときに「九日十日」と正解を答えてしまう。そのまま噺が進んでくうちに「……これ間違えました」と苦笑い。さすがにやり直す気力はなかったようで、「会長がこのていたらくなんだからあとは推して知るべし」ととんでもないことを言い出す。
『山号寺号』のためにとんとん落ちの説明をしたかったんだろう。
いろいろとこみち師を持ち上げるような山号寺号を出すところなどに市馬師の気遣いが見える。

こみち師、「会長自ら間違えてトリのハードルを下げてくれるという……」と会長をいじる。でもそれが許されるんだろうから市馬師の人柄や下から慕われているのがわかる。
長男は寺を借り切るのではなく、浅草演芸ホールを借り切って通夜をやるといい、さらに兄二人の下に鉄子という妹がおり、これがちあきなおみを歌うというなかなかぶっ飛んだ型。オチは変えないほうがいいんじゃないかなあ。


そのまま当然夜席にも居残る。

柳枝師は昇進後初。ちょっと丸くなった? カピバラ風に磨きがかかっているように思える。

柳朝師も久しぶり。もとから軽さが持ち味だったと思うが、さらに軽くなっているような。

新生ホンキートンクは初めて。トシさん時代のネタも残しつつ、新しいネタにもアップデートしているようだ。歌ネタはチェッカーズではなくKinKi Kidsに。

馬石師、鮑を持って大家さんちに口上を言いに行くところまで。甚兵衛さんの魚屋でのやり取りとメチャクチャな口上を楽しむ噺になっており、鮑を突き返されたりしないのが優しい馬石師風になっている。しかしまあ散々言われてることだろうけど、雲助一門てすげえな。弟子がみんな方向性違っていてそれぞれ売れてるって。

雲助師、お内儀さんに険がないのがいい。権助がおかしなことを言っていても本気で怒っているのではなく、呆れてるという感じが伝わってくる。こういうところを馬石師が継いでるのかなー。

楽一さん、梅雨入り、集団接種、東京オリンピック、猫。梅雨入りの紫陽花を見る親子が見事。

一朝師、イヤミな京都人と鯔背な江戸っ子の対比が鮮やか。
やっぱり一朝師の江戸弁の啖呵は聴いていて気持ちいい。

一之輔師の『あくび指南』大好き。
年増のいい女が師匠だと思って口説こうとして二枚目顔で「職業は……でえくです……。家……作ってます……」と決めるのがおかしい。そのいい女は師匠のおかみさんだとわかったときの「今月三度目だー」という嘆きとその後のやさぐれぶりがとにかく笑える。
「下地? あるわけねえだろそんなくだらねえもん!」「習いに来た人に面と向かって言われたのは初めてだ」というやり取りも好き。
一度手本を見せてもらったあとに心を入れ替えた八公に「おわかりいただけましたかな」とドヤ顔でキメる師匠もまたおかしい。

11時半過ぎから8時半過ぎまで約9時間。さすがにケツ痛い……。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能