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大自宅落語祭 [落語]

大自宅落語祭
於:配信(各師匠自宅)

笑福亭たま『ベルゼバブの蝿』
春風亭一之輔『睨み返し』
三遊亭兼好『強情灸』
柳家三三『加賀の千代』
旭堂南湖『血染めの太鼓』
三遊亭遊馬『蛙茶番』
大喜利 芸人格付けクイズ

いつもはGWに行われている大日本橋亭落語祭がZOOM落語会としてそれぞれの師匠の自宅から配信される。
一年で一番楽しみだった会が一年の最後に聴けるなんてありがたい。配信はあまり好きではないが、こういうこともできるのもネットの強みなんだよなあ。

順番はいつものようにじゃんけんというわけにも行かずにくじで決める。
ZOOMらしく、まずは6人全員で雑談を行い、それがマクラとなるという珍しい形。
さらにお囃子さんも自宅で演奏し、出囃子が終わったら噺家さんが映るというZOOMをフルに活かしている。というか下座さんが出囃子を弾いているところが見られるというのも結構レア。

たまさん、「呪いの書」を読んだ男たちの噺。
「呪いの書」はおそらくプリンターで出力したものだろうが、「呪い」だけフォントが違っていたりして芸が細かい。

一之輔師、ソファに座っているのだが、それが画角的にちょうど正座しているように見える。「私このままやってもいいですか?」とソファのまま噺に入るのもリモートならでは。人によってデバイスが異なるので写っている画角も異なるのが面白い。
噺は年末らしく大晦日のネタ。
カメラに向かって睨むので表情がよく見える。というか目が死んでいたり白目で睨んでいたりと顔芸。

兼好師、以前インスタで『寄席芸人伝』の全巻セットを古本屋で見つけて買おうかどうか悩んでいるという投稿があったが、その後お客さんが送ってくれたので一日一話ずつ読んでいるという。たまさんと三三は食いつくが他のメンバーは特に。三三師自身も周りからストーリーを聴いただけでちゃんと読んだことはないらしい。
話自体は何度も聴いたことがあるが、いつもとちょっと何かが違う。このとき気づいたのだが、いつものように上下を切らず、カメラに向かって語りかけるように話す。なので兄貴分がこちらに話しかけているような感じでかなり新鮮。これは他のメンバーも皆そんな感じで、デバイスが携帯だから思わず語りかけてしまうということなのだろうか。そして仕草もいつもとちょっと違う。これも多分画角内に収めようとしているためで、リモート特有な気がする。

三三師、マスクでの挨拶はつけたままするのが失礼なのか、今は外したほうが失礼なのかわからないという。ただ若手がわざわざマスクをはずして「おはようございます!」と近づいてくるのは勘弁してほしいとのこと。そうでしょうねえ。
大晦日の掛取りを払うためにご隠居に金を借りに行くが、朝顔の話題が出てくるのでなんとなく夏っぽく感じる。
電波状況が悪いのか、話の途中で映像が遅れたり途切れたり。これもリモートならでは。

南湖さん、大阪のスーパー玉出でクリオネを売っているということをマクラに。一応鑑賞用として冬の定番として売っているそうだが、「あまり味ないで」と解説されたとか。
兄弟子の旭堂南北さんのエピソードをネタにしたもの。前にも南北さんネタは聴いたことがあるが、それとはまた別ネタ。出身校が甲子園に出場して江川と対戦したときの話。
時間の都合なんだろうが、最後に「冗談言っちゃいけねえ」で終わらせる。講談で聞いたのは初めてだがそれは出演メンバーも同様だったらしい。

遊馬師、マクラで素人落語家が老人ホームなどの落語会を荒らしていると話し、噺に入ると素人芝居のネタ。マクラと噺がリンクしていたのは唯一だったかも。
上下もちゃんと切っていて、一番高座との差が少ないかも。
他のメンバーの持ち時間からすると『蛙茶番』入るかな? と思ったが、風呂から上がってカシラにモノを見せつける場面で切る。なるほど確かに笑いとしてはここがピークなのでここで切るというのはアリかも。
今年は遊馬師で落語〆。

大喜利は「芸能人格付けチェック」を模したもの。
「名人」「いぶし銀」「芸人」「関係者」「立川流Cコース」「落研」「知らん人」のランクがあり、クイズに間違えるごとにランクが下がっていく。
コメント欄で誰が優勝するか投票できるが、私はこの会では遊馬師に投票することに決めているので遊馬師に。賞品は兼好師がメンバー全員を入れた似顔絵でこれは欲しい……。
動物の鳴き真似を見抜くとか、下座さんが誰の出囃子を弾こうとしているか、とか。
結果としては南湖さんが優勝。
兼好師や遊馬師は「立川流Cコース」となって「立川佐藤」「立川木村」と呼ばれていた。つーかこんなクイズ当たるか。
11時くらいまでで終わる予定だったらしいが、気づけば12時直前まで。兼好師や一之輔師が「眠いー」とこぼしていた。

さて今年一年の集計。
今年は全部で380席。去年は402席。……あれー? 今年はコロナでまるまるひと月以上落語聞けなかった期間があったから大幅に減っただろうと思っていたのにあまり変わってないな……。
十席以上聞いた人は下記。

1.三遊亭兼好:60席(34会)
2.入船亭小辰:31席(15会)
3.入船亭扇辰:18席(10会)
4.春風亭一蔵:13席(6会)
5.三遊亭遊馬:12席(7会)
5.三遊亭天どん:12席(7会)
6.春風亭一之輔:10席(8会)

次点として笑二さん9席。
まあいつもとほとんど同じだが、いつもよりも人が固まっている感じ。まああんまり寄席とか行けてないからなあ。あと久しぶりに一之輔師が10席いったが、配信で見られたことが大きい。カウントしたのは課金したものだけなので、無課金で見たものを含めたらもっといったなあ。

来年は中止とかなくなればいいんだけど。
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第7回 三遊亭兼好 噺の会 [落語]

第7回 三遊亭兼好 噺の会
於:浅草 ことぶ季亭

三遊亭好二郎『猫と金魚』
三遊亭兼太郎『相撲の小咄』
三遊亭しゅりけん『看板のピン』
桂小すみ 三味線と唄
三遊亭兼好『うどんや』

毎年恒例の落語納めの会。……なのだが、今年はこの後にZOOM落語会がある。今年っぽいね。
昨日、腰が痛いので腰の下にローラーっぽいものを入れてゴリゴリしたところさらに悪化。まともに歩けないほどヨロヨロになる。そんな状態で銀行行ったり年賀状書いたり。痛い。

好二郎さんは3月の昇進披露の会以来か。
それ以降から自粛が厳しくなっていったから、完全に出鼻を挫かれたような感じになってしまって気の毒。
兼好師がSNSを始めたことが今年一番の驚きだそう。確かにファンにも驚きだったしありがたかった。で、そのインスタに「兼好師の次女の寝顔が正代大関に似ている」という投稿があった。兼太郎さんはうまいこと「お嬢さんは眠れる森の美女です」などとコメントしたのだが、好二郎さんはあまり内容を確認しないで「いいね!」を押してしまい、それが娘さんの逆鱗に触れてしまったらしい。慌てて娘さんに電話したところ「クビです」と伝えられたとか。このやり取り見たなー。「まさかこんなことで破門されそうになるとは……」と苦笑い。
噺には「猫にキャットう(決闘)を申し込む」「フィッシュ(必死)に闘う」など初めて聴くくすぐりなどがふんだんに盛り込まれている。なるほど以前に「師匠の型とは離れようと思う」と言っていたのでその現れなのだろう。……ただそれが有効かどうかは別として。うーんなんかちょっと粗くなってない……? いやまあしばらく聴いてない俺が言えた義理じゃないんですが。もうちょっと聴きに行かないとなあ。

兼太郎さんも久しぶりだなあ。今年は特に落語行く機会が減ったからねえ。
噺家と同じく和服を着る仕事として相撲取りの話に。
「これから相撲の噺をします」といってみたところ反応はイマイチ薄く、「なんでですか!」とご不満顔。
小ネタをいくつか挟んで相撲のマス席が舞台の小咄に入る。酔っ払いの小咄+『禁酒番屋』的な。結構直截的なシモネタだから反応しづらいなあ。

しゅりけんさん、着々とネタを増やしているようだ。
兼好師の型とはちょっと違うっぽい。とりあえずは今のところ覚えたまんまという感じだが、親分のマネをする男のような、ちょっととぼけて抜けたキャラはすごく似合ってると思う。

兼好師、本来ならこの会は二席なのだが、楽屋が密になるということで一席ということに。その分木戸銭はお値引きされていた。ちょうどこの前に噺の単価ということも書いたが、その点から言えばお値引きはありがたい。とはいえ結構値引きされていて私の中の単価表からいえばかなりおトク。
今年の話題といえばやはりコロナで、今日は高座の前にアクリル板つき。「どうなるんですかねえ。ワクチンなんかもできたと言っていますが、我々が打てるまでには待たなきゃならないんでしょうね。でも本来は何年もかけて開発するものを1年弱で出すわけですから、心配ですよね。……だって今のしゅりけんを真打にします、って言ってるようなもんですよ? 心配ですよねえ」。なんという説得力。
やはりこの噺を聴くと冬の厳しい寒さが感じられるように思える。
鍋焼きうどんの蓋を開けたときに立つ湯気を追う目の動き、熱々のうどんをすすりこんだときに口の中でちょっと持て余す感じ、具をつまんで食べる動きといい実にリアル。
あと気のせいかもしれないが、同じ小さな声でもうどん屋をこっそり呼ぶ人と、風邪っぴきの人が呼ぶ人で声の質が違う気がする。兼好師ならこれくらいやりそうな気がするんだけどどうかなあ。

いつもなら打ち上げがあって、ご近所特典で最寄り駅まで一緒に帰るというのが落語締めなのだが、今年はもちろん打ち上げなし。寂しいが仕方ない。
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入船亭扇辰一門会 [落語]

入船亭扇辰一門会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『垂乳根』
入舟辰乃助『前座ラウンジ』
入船亭小辰『鋳掛屋』
入船亭扇辰『鰍沢』

彼女を寮まで送り、そのまま車で中野まで。
安い駐車場を知っているのでそこに停めて会場まで向かったら思ったより距離があって焦る。バイクだと2〜3分なんだけどね。

辰ぢろさん、「以前赤い毛氈の高座に赤い手拭いを持ってきて困ったのに、……またやってしまいました」と苦笑い。そして「まだ師匠が到着しておりません」とのこと。
噺はまだ慣れていないのか、語尾をちょいちょい噛んだり言い間違いが多いのが気になる。聴いている方からすると、語尾がハッキリしないと「おい大丈夫か」と不安になってしまうことがわかった。

辰乃助さん、なんか見かけがシュッとした感じになったような気が……。
初高座の日に師匠をしくじった思い出をマクラに。
一門は「扇辰日和」で初高座を踏むのがしきたりで、その日師匠宅から会場までタクシーで移動したのだが、師匠がイヤホンして目をつぶって噺をさらっていたために自分も初高座のネタをさらっていたのだそうだ。そのためにタクシーが会場とは別のところに向かっていることに気づかず、師匠が激怒したとか。「しかも俺がさらってる隣でセコな『寿限無』やりやがって! お前なんか破門だ!」となったらしい。
結局はなんとかなったのだが、その後も師匠との思い出を続けていたら「いい加減にしろこの野郎!」と私服姿の扇辰師が登場する。シャツと合わせた赤いマスクがオシャレ。会場は拍手で沸く。「これだけ言っておく。……おめえなんか破門だ!」。生で破門宣言聞いちゃった。辰乃助さんは座布団外して土下座する。
「……師匠もう来てたんですね」と苦笑い。
数年後のパラレルワールドの噺、と前置きがあって噺に入る。
真打に昇進して5年ほど経った辰乃助さんが主人公で、師匠から「お前寄席に全然顔付されてないじゃないか。小辰はもう弟子が3人もいて、辰ぢろはさがみはら若手落語家選手権も獲ってるんだぞ」とお小言を喰らう場面から始まる。
「あー情けねえなあ、寄席に出てえなあ。そうすれば前座が『師匠師匠』と言ってきてくれるから、上から目線で小言が言えるのに!」とゲスい欲望を滾らせているところに落語家専用の前座がホスト/ホステスのラウンジがあって……というもの。着物のたたみ方や羽織の着せ方について細かく小言を言い、「気持ちいい~~~~!」となる。どんどん沼にはまり込んだところで小辰さんが助けに来、「これに乗って逃げろ!」と示されたのがドラゴン(辰)に姿を変えた扇辰師で……と一気にファンタジーに。
いやコレすっごい面白い。多分「二ツ目から見たセコい真打の前座に対する態度」についての痛烈な皮肉も込められているし、「前座に小言を言ってみたい」というのももしかしたらちょっぴり思っているのかもしれない。でもまあ寄席じゃできないだろうなあ。以前にも巣ごもり寄席で掛けていたらしいが、今日のために作ったのだろうか。数回やるだけのために作ったのならもったいない。けど周りの状況なんかも影響する噺だし、賞味期限は短いか。

仲入りを挟んで小辰さん。
「……いやあまさか師匠がドラゴンだったとは……。ていうか師匠を『これ』呼ばわりって。結局あいつが一番失礼なんじゃねえか」と至極まっとうなご意見を述べる。さすが一番弟子。
辰乃助さんに触発されたのか、小辰さんも初高座の日に師匠をしくじった話をマクラに。
その日のトリネタ『阿武松』が終わったところで追い出しのCDを流して緞帳を下げるのが小辰さんの仕事だったのだが、追い出しは鳴ったが緞帳が下りなかったのだとか。緞帳の主電源が切れていたのが原因だったそうで、当時はテンパっていたので気づかずにずっとボタンを何度も押していたという。異変に気づいた扇辰師が袖を睨むが緞帳は下りず、最後はゴロンと横に転がったそうだ。小辰さんの実演つき。でもそれもおそらく扇辰師の優しさだよねえ。この後「おめえはクビだ」と言われたそうだが。
最近はさすがにしくじることも少なくなったそうで、もししくじっても息子さんを連れて行くと喜ばれるのだそうだ。おかみさんに息子情報を話すだけでも喜ばれるらしい。いい関係ですね。もう完全に親子じゃん。
子どもの話から悪童たちの噺に入る。
やっぱり何度聴いても上手いなあと思う。特に後半は鰻屋ひとりが話しているのだが、息もつかせずにずっと話し続け、それでも周りの情景がありありと目の前に浮かぶ。

トリの扇辰師、マクラもたっぷりと。
現在末廣亭の夜席主任なのだが、「全然入んねえの。昨日なんか50人くらいだよ」とのこと。まあねえ。新宿ってのもあるしなあ……。「今末廣亭は新宿で一番安全な場所です」。
今年は仕事がかなり減ったが、特に旅の仕事がほとんどなくなってしまったと嘆く。「ここと……あそこと……」と数えられるほどしかなかったそうだ。
最近嬉しかったニュースとしては、関越道が立ち往生したときに岩塚製菓のトラックが商品の煎餅を配ったというもので、「あれは私の地元の長岡の会社なんですよ。……まあ私が威張ることじゃないんですが」と話すも「銀座に『瑞花』っていう高級ブランド品を出していて、これが美味いんだ。高級って言ったって煎餅ですからそんなに高いものじゃない。私はいつも贈り物なんかに使ってるんだ」とのこと。今度見てみよう。
雪国新潟の話が出たところで以前新潟の落語会があったときにほくほく線が雪で止まってしまって立ち往生したエピソードを挟んで『鰍沢』に。
これもまた何度聴いてもお見事。雪山の冷たさや暗さが目に見えるよう。実際に夜の冬山に行ったことなんてないのだけれど。
噺の最後に切り立った崖の上に出たときの情景などは静謐さに息を呑む。

たっぷりとお弟子さんたちも含めて堪能させていただきました。
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第九十回 一蔵ひとりの会 [落語]

第九十回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『笑い茸』『古手買い』『御神酒徳利』

やべえな今年は年賀状とかも何にもしてない。でも落語には行く。

一席めは今年を振り返りつつ。
オンライン配信だと仲間の高座を正面から見られるので嬉しいといい、文菊師の仕草に大ウケしていたとか一左師のコロナ真打自虐が止まらないとか。
亀有リリオでの一門会で起きたエピソードや大喜利の大惨事などを相変わらず面白おかしく話す。
笑いの重要性を説いて『笑い茸』に。
笑ったことがないという旦那に笑い茸を食べさせて寄席に連れて行く噺で、実在の噺家とフレーズが登場する。
「春風一刀と申します。名前が一刀だけに真剣に……」「くだらん!」「春風亭一朝と申します。名前が一朝だけにいっちょうけんめい……」「天才だ!」と師匠を持ち上げるのがおかしい。

二席めはネタ下ろし。ある師匠に稽古をつけてもらうことになったのだが、すでに持っている噺も多かったため、珍しい噺を選んだという。一蔵さんも寄席で掛かっているのは聴いたことがないそうだ。
が、一蔵さんに限らず珍しい噺をするときは必ず「珍しい噺っていうのは面白くないから廃れていった」と注釈が入る。「最初っから言い訳から入るんすから」というぶっちゃけも楽しい。
唯一米朝師匠の音源をYouTubeで見つけたそうだが、その米朝師匠も言い訳していたとか。
さて噺の内容だが、親戚の着物を買いに行きたいので買い物上手の友人についてきてくれと頼み、店でありえない額を値切ったら番頭にぞんざいな扱いをされたのでキレて啖呵を切るというようなもの。三席めでの一蔵さん曰く、「最初『壺算』で途中から『大工調べ』になり、最後は小咄で落とすわけのわからない噺」だそうだ。
「これでもかなり手を入れてわかりやすくしたんです。教わったままだともっと意味がわからなかったのをどうにかここまで持ってきた」とのことだが、あまりの噺の筋のぶっ飛び方に頭の中が「?」でいっぱいになる。
「一席め二席めは珍品を聴いていただいたということで……」とのことだが、たしかにレア物だった。

三席めはスタンダードに。
鴻池の支配人の圧の強い強引さがいかにも一蔵さんらしくておかしい。
そろばん占いのときに変な手振りをつけて「胡散臭いな!」と毎回ツッコミを入れられるのも面白い。
でも宿の旦那が鴻池の支配人に話をされて大坂行きの話を善六さんにしようとしているときに「あっ、旦那! いま芸者の〇〇ちゃんと△△ちゃんにいい人がいつ現れるか占ってあげようと思って!」「無駄遣いするな!」というやり取りが実は一番好きかも。
以前小辰さんとリレーでやっていたが、小辰さんと共通のくすぐりも多い。同じ師匠にふたりいっぺんに習ったのだろうか。

予定よりだいぶ時間が過ぎての終演。かなり力が入っていたようだ。
タグ:春風亭一蔵
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ゆにおん食堂落語会 一蔵・ふう丈の忘年会 [落語]

ゆにおん食堂落語会 一蔵・ふう丈の忘年会
於:六本木一丁目 ゆにおん食堂

春風亭一蔵『ふう丈茶番』
三遊亭ふう丈『アンテナボーイ』
春風亭一蔵 三遊亭ふう丈 トーク
三遊亭ふう丈『新作( 一蔵・ふう丈の忘年会)』
アサダ三世 ものまね奇術
春風亭一蔵『らくだ』

今年の一蔵不足を補うべく川口から六本木に移動。直行だと時間が余りすぎるので一旦家に戻って30分ばかり休む。年賀状とかも何もしてないのに何してんだ。

「忘年会」と銘打たれているだけあって落語ありトークあり余興ありの盛りだくさん。
一蔵さんの一席めは今年の一蔵さんの誕生日にふう丈さん、馬久さん、一花さんが自宅に来て起こした茶番について。いつもならマクラなのだろうが、時間の都合でそこで終わってしまった。

トークは主にふう丈さんが「2020新作落語台本発表落語会」で優秀賞を受賞したときの話。直前に圓丈師から電話で「そろそろ売れろ」と発破をかけられたときに反射的に「いやいやいや……」と答えてしまったらしく、それが圓丈師のお気に召さず謝りに行ったそうだ。その後に賞を獲ったそうだが、講評で圓丈師が「師匠の小言がどれだけ効くかがわかった」といったそうで、誰にも伝わらなかったという。

……まあふう丈さんの二席めもそんな感じだったけどね。「今日のための新作で今日しかやらない」といっていたからまあいいんだけど、今日のこの会場のこの会を題材にしたもので、基本的に内輪受けで、このお店のオーナーやふう丈さんのことを知ってる前提でくすぐりを入れたりしているので分かる人にはわかるけど、という感じ。私はちょっと取り残され気味。

余興としてふう丈さんがアサダ二世先生のモノマネでアサダ三世。ハゲヅラとタキシードで喋り方も似ている。自粛期間中にYouTubeでよくやっていたそうな。マジックを演る直前に他の話をしだすというところもカバー。一蔵さんによれば、楽屋から出ていくときの仕草まで似ているのだそうだ。

一蔵さんの二席め、今年は高座自体が少なかったが、その分持ちネタをまんべんなくできたそうだ。でもまだやっていない噺があるので、と『らくだ』に。
前に聴いたときよりもだいぶこなれてきている印象がする。
兄貴分の迫力が一蔵さんに似合っているのは相変わらずだが、屑やが少しずつ兄貴分と打ち解けてきてくる様子も楽しい。

本来ならばこの後に打ち上げがあってゆにおん食堂の美味しい料理が出てくるのだろうが流石になし。残念。ここのポテサラ美味いんだよなあ。
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SKIPシティ落語会 兼好・太福二人会 [落語]

SKIPシティ落語会 兼好・太福二人会
於:川口 SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

三遊亭しゅりけん『道灌』
三遊亭兼好『氷上滑走娘』
玉川太福『不破数右衛門の芝居見物』
玉川太福『地べたのふたり』
三遊亭兼好『徂徠豆腐』

来年1月4日の兼好師匠の独演会のチケットを買っていたのだが、まさかの仕事始め。正気かよウチの会社。年末は29日まで仕事だし、今年は正月休みが5日しかない。
さすがに初日休むのはな……と思い、チケットの払い戻しかせめて他の会への振り替えができないか聞いてみようとチケットをテーブルの上に置いておいたところ、ちょっと目を離した隙に……。
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まあ犯人(犯猫)は予想はついている。悪魔かココア。
さすがに半券が千切れた上にその半券が見つからない状態で払い戻しの交渉なんてできないので潔く諦める。はーあ。すべてウチの会社が悪い。

しゅりけんさん、四天王のくだりからしっかりと。最近こういうキッチリ細かく覚える噺が多い。そろそろ入門して丸3年だし、次のステップへ行く準備なのだろうか。

兼好師の一席め、昨日の羽生結弦の演技を見て「いやー、やっぱりカッコいいですねー。決めのあのポーズなんてナルシストじゃないとできないですよ」などと褒めてるんだかくさしてるんだかわからないようなコメントから『氷上滑走娘』に。
兼好師が前に語っていたところによると、新作は年に1回くらいしかやっていないとのこと。私はそれで2年に1回の割合で聴いてるんだから結構当たっている方だろう。
膝を痛めたお婆さんが医者の勧めでスケートをするという噺で、以前に聴いていたバージョンだと「実は医者が勧めていたのはスケートじゃなくて〇〇」というくだりがあったはずなのだが、いまはなし。
サゲに繋がる仕込みが冒頭にあるので、手を入れ続けいるのだろう。
また、前はフィギュアだけだったのが現在ではスピードスケートで小平奈緒といい勝負をしているという場面も入っている。
いつも思うが座布団の上の仕草だけでスピードスケートのスピード感や、フィギュアスケートの3回転を表現しているのはお見事。
羽生結弦の決めポーズもしつかり取り入れている。

太福さんの一席め、兼好師からのイジりを返したり3回転の仕草に感心したり。
……でですね、俺この会の直前に近くの松屋でハンバーグ定食を食べており、会場の椅子も大変快適で、太福さんの唸り声がまた心地よく。あっという間に別世界へ。そんでもってみね子師匠の三味線がこれが気持ちいいんだ。
もったいないことを舌とは思うが、浪曲、眠れないときにいいかも……。

二席めはちゃんと起きて聴く。
いつもの『地べたのふたり』かと思いきや、今日はおかず交換もしない。
年配作業員の齋藤さんが保温式の弁当屋を初めて使うという、実に他愛のないもの。しかし太福さん曰く、
それが浪曲なのだという。
もう一人の作業員の金井君のいかにもなゆとり振りもおかしい。

兼好師の二席め、今年は皆で鍋をつつくこともできず寂しいという。しかし湯豆腐に限ってはひとり鍋の方がいいらしい。後輩と一緒の鍋だと取り分けてくれるのだが、たいがい豆腐が崩れているのが嫌なのだとか。ひとり鍋なら自分の好きなように取れるのでいいのだそうだ。
鍋の話をしていたので『二番煎じ』かとも思ったが豆腐つながりで『徂徠豆腐』。これを聴くと冬だなあと思う。
兼好師の「奴先生」は軽くて士分のようには見えない。がそれがいい。江戸っ子の上総屋とのやり取りが楽しい。
やり取りが楽しいのは火事の後に訪れてきた大工の頭との会話も同様。噛み合わない会話をしながら「あれー? 違う人の家建てちゃったかな?」という小さくつぶやくのがたまらなくおかしい。
火事という大惨事なのに、まったく暗さを感じさせないのが兼好師らしい。
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桂吉弥 三遊亭兼好二人会 [落語]

桂吉弥 三遊亭兼好二人会
於:渋谷 渋谷区文化総合センター 大和田伝承ホール

桂小鯛『時うどん』
三遊亭兼好『小言幸兵衛』
桂吉弥『宿屋の富』

なんとなくボケッとして時間が過ぎる。
いろいろやらなきゃならないことも多いのに、一向にはかどらない。なんか最近そんなのばっか。
この会も16時開演という微妙な時間で昼メシもそれに合わせて半端な時間に食べる。

まあそんなのはどうでもよくて。

正直に言えば今日は失敗。
つーか一席ずつで前売3千円はぼったくりすぎ。

おそらく落語好きの頭の中には噺家の単価というものがあると思う。
つまりその人の一席にいくら払えるか、というもの。
たとえば私の中では兼好師だったら一席1800円くらいまでなら払う。そのほかこのブログによく出てくる追いかけてる真打なら1500円くらい、一蔵小辰レベルの二ツ目なら1200円くらいとかかなあ。つまり兼好師なら二席だったら木戸銭3600円までだったらOK。だいたい兼好師の場合その値段なら三席プラス前座とゲストがあるので、私的にはおトク。
出演者の顔付と自分の中の単価表と突き合わせ、自分の中の総額が木戸銭よりも高ければ行く、という見積を多分皆やっているのではないだろうか。やってない?

で、だ。
正直私は上方落語苦手なので単価的にはほぼ0。せいぜい300円くらい。下手したらマイナス。
だけど、「二人会」というからには二席ずつ演るんだろうと思ってチケットとったわけで。
言ってしまえば「まあ上方もいるけど兼好師だけで3600円分あるから上方マイナス分があったとしてもいっか」と思ったわけだ。
それがどうですか。
一席ずつって。これじゃあせいぜい2000円しか出せませんなー。もっと正直に言えば上方二席マイナスで1500円かな。
終演後に「どっかに『一席ずつ』って書いてあったよ」と兼好追っかけ仲間から聞いたけどなにそれ知らない。「この後に吉弥さんは二席やる会があるみたいよ」とも。知らんがな。知ってたら行かなかったのになあ。
というかなんなのこの値段設定。どっから出てきたの。「二人会」なんて銘打つなよ。小鯛さん含めて三人出てきてんじゃん。そもそも俺『時うどん』好きじゃないし。

しかも吉弥さんいきなり朝ドラの自慢話から始まるし。朝ドラ興味ないんだけど。ということで速攻で意識が遠くなる。ふと気づくと『宿屋の富』だし。俺富くじネタもそんなに好きじゃないんだよな。『富久』も『水屋の富』も富に当たっても全然幸せじゃないし。唯一『御慶』は好きだけど。
閑話休題、『宿屋の富』ってあまり笑いどころがなく、一番は「二番富が当たったら」の話をしているところかと思うのだが、これも上方らしくねちっこい。うー苦手。当たってるのを気づかないのもわざとらしすぎるほど長い。さすが上方スタイル。これが天丼ですか。胸焼けしそう。

あとついでにいっちゃうと最近兼好師の啖呵にキレがないようでちょっと心配。今日も豆腐屋の啖呵がちょっと消化不良気味だった。

まあ基本八つ当たりです。
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三遊亭遊馬独演会 2020年12月6日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 2020年12月6日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『鮑のし』『崇徳院』『愛宕山』

天気のいい日曜をダラダラ過ごすと喪失感がすごい。
朝早めに起きたのにずーっとうだうだしてしまった。
これで明日からまた仕事かあー。
まあ最後に落語で〆てるからよしとする。

さて例年ならば年に2回、6月にもあるのだが今年はさすがに中止となった。今回もいつもであれば後援会が主催なのだが、どうやら遊馬師の自主公演の形になっているようだ。一席おきという制限はないものの、席数は絞っての販売だったようで。もちろん穴開きはあるが、全体的にお客は入っているようだった。
寄席やホール落語へ行って最低限の遊馬補給はしているしているものの、三席たっぷり聴けるのは3月の遊馬百席以来でかなり久しぶり。

一席め、ぼんやりとした甚兵衛さんの佇まいはほんわかとした遊馬師の雰囲気と合っていてとても心地良い。バカすぎる与太郎よりも、その手前の甚兵衛さんくらいの方が私は好き。甚兵衛さんの他にも侍や相撲取りなんかもビッとハマるからいいんだよなあ。
その甚兵衛さん、山田さんから借りた五十銭が1円に化けるからくりを魚屋の親方はおろか大家さんにまで話してしまう。「これはね、お金儲けなの。他の人に話しちゃダメだよ」と念を押すバカバカしさがたまらない。
大家さんはいきなり怒り出すような理不尽さはなく、戸惑いながらも「受け取れない」と突き返す優しさがある。
熨斗の根本を教えてくれるのは鳶の頭ではなくさっきの魚屋の大将という型は初めて聴いた。
さらに大家も熨斗の根本を聴いて本当に感心している様子なのもいい。誰もツンケンしてない。

二席めは3月の遊馬百席でも聴いた『崇徳院』。
熊さんと若旦那は年の近い友だちという設定なのはあまり聴かない。「親友のために」と駆けずり回るという形は美しいが、恋患いで寝込む若旦那の一方で、熊さんはおかみさんも持って三軒長屋に住んでいるというのはちょっと無理があるような。三軒長屋って割とステータス高めの人が住んでるんじゃなかったっけ。
とはいえ恋患いを打ち明けるのは歳の離れたおじさんよりは友だちの方が自然か。

三席め、今度は旦那が大旦那ではなく若旦那になっている。これまた初めて聴く型。
小判を投げるのは自分で稼いだものと親の金とではだいぶ重みが違う。ただ、親の金だからこそぽいぽい投げるのも納得がいく。
一八が鼻歌を歌いながら山に登る場面では恒例のハメモノが入る。
かわらけ投げをする場面では、かわらけが的に当たると「チーン」と鳴るという芸の細かさ。
谷底にいる一八と上にいる若旦那と会話をする場面では声の調子だけで谷の深さが伝わってくる。これ地味にすごい表現力ではないだろうか。声の伸び具合とかすっと声が消える塩梅が絶妙。

早く遊馬百席も復活しないかなあ。
タグ:三遊亭遊馬
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扇辰日和 vol.77 [落語]


扇辰日和 vol.77 「扇辰、胸を貸す!」
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『狸札』
入船亭扇辰『道灌』
入船亭小辰『御神酒徳利』
入船亭扇辰『二番煎じ』

……結局待ってる間に生ビール2杯とハイボールを飲んでしまった。けど手羽とハツと唐揚げも食って1300円しないってすごいな。中野の昼飲みはすごいね。

今日はほぼ満席。両側の席に客がいるのはかなり久しぶりな気がする。扇辰師も「こんなたくさんの方の前で話すの久しぶりだ」と嬉しそう。

辰ぢろさん、んん、いかにも「覚えたことをそのまんま喋ってます!」っていう感じで間も何も、という勢い。どうした前に聴いたときはもうちょっとできてたと思うんだけど。

案の定扇辰師から恒例の公開説教を受ける。「『噺の方には相も変わらず狐や狸が出て参ります』だって。『相も変わらず』っていうなら江戸っ子とかさ、熊さんに八っつぁん横丁のご隠居……とこなきゃ。狐や狸はそんなに噺にゃあ出てこねえんだ!」。ごもっとも。
「今日は寒いねえ。今年初めて着たよ。……なんだっけ横文字出てこねえんだ。…………ヒートテック! 何がおかしいんですか。寒いの嫌いなんだよ!」。雪国出身なのに。
「必要があってね。今年いくつ仕事がとんだか数えてみたんだ。56本だって。……ということはざっと5600万の減収が……」。おおーと声が上がるも自分でイヤイヤと手を振る。
「お金なくてさ、ゲストが呼べないんだよ。金渡さないでいいとなると……弟子しかねえな、と」と今回と次回の企画の説明。私にとってはすごくお得でありがたい。「万年二位の芸をお楽しみください」。……シャレキツいなあ。
「今日は小辰に『遠慮しないでやれ』と言ってあるから」と自身は軽めの『道灌』。最近何度か聴いているが、ご隠居と八っつぁんの軽妙なやり取りが楽しい。

小辰さん、「私もそろそろひとり立ちして師匠と訣別をしなければ。これまで『師匠に似ている』と言われたりしているので。……まずはヒートテックを着るのをやめます!」と先ほどの師匠のマクラを受けて宣言する。
小辰さんの『御神酒徳利』は何度も聴いているが、今日は特に師匠の前だからか余計な入れごとや大げさなくすぐりなどは少なめ。きっちりきっちりと端正に端正に、じっくりと丁寧に描いていく。先ほど訣別と言ったばかりだが、やっぱり扇辰師の端正さがにじみ出る。

扇辰師の二席め、「小辰のヤツ、ホントに遠慮しねえの。……じゃあ私は『寿限無』かな」といいつつそれ以上のお小言はなし。弟子を褒めない扇辰師ではあるが、どことなく嬉しそうに見えるのは気のせい?
江戸の名物を挙げ、「火事と喧嘩は江戸の華」から噺に入る。扇辰師の『二番煎じ』は初めて。
火の用心の声をあげるときに口三味線で『からかさ』を唄いあげ、それがまたお見事。唄が上手い人のこういうちょっとしたひとくさりは震えるなあ。
番小屋に戻ってきてからの「一の組になったのは失敗でしたな……でもねえ、私伊勢屋さん苦手なんですよ。だから二の組に分けて二の組頭を押し付けた」というようなちょっとした会話がリアル。こういう些末なセリフでも、なんだか一気に空気が現実味を帯びて景色が見えやすくなる。
逆に『時そば』とかでもそうだけど、猪鍋は「肉とネギどんだけ持ってきたの?」ってくらいみんなで大量に食べている。健啖家おじいちゃんが楽しそう、というのが伝わってきて楽しい。

終演後、周りのお客さんはみんな「呑みたくなっちゃったねー」と言っていた。同感だがすでに私はすでにもう入っているので寄り道せずに帰宅する。
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三遊亭兼好独演会けんこう一番!冬スペシャル [落語]

三遊亭兼好独演会けんこう一番!冬スペシャル
於:大手町 よみうり大手町ホール

三遊亭兼好『真田小僧』
三遊亭しゅりけん『浮世根問』
三遊亭兼好『錦の袈裟』
三遊亭兼好『死神』

いつもなら往復で2時間弱のところに午前中車で出かけたところ、今日はやたら車が混んでて結局3時間くらいかかってしまう。しかも雨が降っててバイクも使えない。やむなく昼メシ抜きで会場に向かう。

兼好師の一席め、今年ももうあとひと月を切ったが、いつもならあれもやった、これもやった、という振り返りがあってそれなりに充実感があるのだが、今年はそれがまったくないという。イベント事が軒並み中止だったからなあ。
「今年はなにもいいことがなかった。強いていえば秋篠宮様が『結婚を認める』とおっしゃったことくらいですかね。でもあれは相当怒ってると思いますよ。私できちゃった婚なんですけど、それを告げに行った時の向こうのお父さんと同じ顔してましたから」。
兼好師ならこの状況をどう料理するのかと思ったら、「眞子様は好きだが、小室さんはどうも好きになれない、応援できない」という。「こうなったら弁護士になったところで誰ももう認めてくれないんだから、もういっそ芸人になってしまえばいい。噺家は似合わなそうだから伯山に弟子入りして『伯爵』とでも名乗れば眞子様も『伯爵夫人』を名乗れる」。うまいところに持っていくなあ。
子どもは自分が思ったようには育ってくれない、というところから『真田小僧』。
そういや最近はあまり他の人でも聴いてないなーと思っていたら、今年初だった。一時期は月に2〜3回くらいは聴いていた気がするのに。兼好師では約2年振り。
おっかさんだって銭はやらねえ、と言われたところで金坊がチッチッチッチッと指を振って「甘い」とやるのが小憎たらしい。
おその後のっかさんと男の人が話しているのを聞いた、という場面で抑揚をつけながらも「◯×■△○☆◎、ははは」「◎☆●♫♯、ほほほ」となにを話してるのかわからないというのが芸が細かくて面白い。
前座噺らしく女房に小遣いをねだるところでサゲ。個人的には「じゃあおめえもハナ一銭出しねえ」という言い方が好きなんだけど、兼好師は違うんだよねー。

しゅりけんさんはこの前も掛けていた『浮世根問』。
教わった通りなんだろうけど、普通に聴くとなると長くてダレるかなあ。特に後半はいかにも上方のネッチリとしたしつこさがあってもたれる。

兼好師の二席めも久しぶりに聴く。
与太郎のおかみさんが気が強いながらも与太郎と仲良くやってるのがやっぱり兼好師らしい。
「昔与太郎を除け者にしたらアイツのカミさんに顔をタテヨコに引っ掻かれた。その後で家で昼寝してるとカカアが網と間違えて魚を乗せてくる」というくすぐりが、吉原で「顔にうっすら網目模様がある人は?」「あれはただの家来だ」と他のくすぐりに繋がるのもお見事。

ゲストは楽屋を密にしないためになし。
そういえば一席めのマクラで「都知事の小池さんは好きなんですが、なんかムカつく。親戚にひとりだけいるヤケにキレイなおばさんに叱られてる感じ。それも『ダメ!』と叱られるのではなく『君ならできるよね?』と言われてる感じ」と言っていたっけ。なんかわかるような。

三席めの『死神』、死神が枕元にいる場面で布団をひっくり返して旦那が蘇生した場面で、「三途の川を渡り掛けてた。ああもう向こう岸に着くなあと思っていたら、舟がくるっと返って引き返してきた」というのは上手い。
兼好師の場面、ろうそくに火は付かず、結局男は死んでしまう。
最後に男の女房らしき女が出てきて、冒頭の男と同じセリフを言って死のうとするところに死神が「死に方おせえてやろうか」と持ちかけてサゲ。
そういえば男と出会う場面でも死神は「死に方おせえてやろうか」と言っているんだよなあ。そのときはとくに不自然に思わなかったけど、結局は男の死期を早めていて、ちょっとゾッとする。
ところで死神を追い払う呪文は「アジャラカモクレン"四連敗"、テケレッツのパ」。ああああああああああああG党のトラウマえぐらないで!
「よみうりホールでよくそれをできるな!」「実はちょっとビビってる」というのも面白いけどさあ!

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RICOH GRII くそが! これも白々しいわ! お礼なんかいいから勝てよ!

この後には中野で扇辰日和もあるので、兼好追っかけ仲間との飲みもパスして中野に向かう。すげえ半端に時間開いちゃったな……。バイクだったら一度家に帰るんだけど、雨で電車だし。
バーガーキングでワッパーJrが半額だというので2つ食って腹一杯になりつつこれを書いて時間を潰す。
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