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和室カフェ 其の二十二 [落語]

和室カフェ 其の二十二
於:神保町 らくごカフェ

トーク
入船亭小辰『千早振る』
立川笑二『花見の仇討ち』
立川笑二『持参金』
入船亭小辰『五人廻し』

明日は彼女の誕生日なので、プレゼントを買いに東京駅のキャラクターストリートに。しかし何度きても東京駅の地下街は迷う。さすがダンジョンと言われるだけはある。にしてもいくら春節とはいえこの中国人の多さよ……。もう日本語のほうが少ないんじゃないかと思うほど中国語しか聞こえない。……まあバブル期の海外なんかは逆だったんだろうなあ……。中国は日本の25~30年前の軌跡をキレイになぞってるような気がする。このバブルが崩壊したら中国版ロストジェネレーションとか生まれるのだろうか。

そんな愚にもつかないことを考えながら会場に。この和室カフェも久しぶりだなあ。最近平日夜とかにあることが多くて全然行けていない。

さてこの会はふたりに体験してもらいたいことを客からリクエストし、その体験レポートをオープニングトークで発表するというイベント付き。
(小辰)「コタツとー!」
(笑二)「障子で」
(二人)「和室カフェ!」
というコールを浸透させようとしているそうだが、客席ではほとんど誰も乗ってくれていない。というか笑二さんもあまり乗り気ではなく、「兄さんだけがやりたがってるんですよね」と冷ややか。
さて今回の体験は「女装」。何回か前に私も案を出したのだが、そのときは小辰さんが「私は結局普通になって、笑二さんに笑いを全部持っていかれる」とボツになった気がする。
が、今回は笑二さんが「近所に女装した明らかなおじさんがいて、高校の校庭をじっと見つめているのでその気持を知りたい」とのことで決まったとか。
で、ふたりとも「まあ女物の服を着てちょこっと化粧してもらってプリクラかなんか撮って終わりだろう」と思っていたそうだ。しかし前回の客席にカメラマンの武藤奈緒美氏がいたらしく。武藤奈緒美氏といえば橘蓮二氏と並ぶ落語カメラマン。プロのメイクさんも巻き込んで一大プロジェクトとなったそうだ。
洋装と和装の2パターンを撮影したのだが、とにかく笑二さんの服のサイズがないらしく、それらの苦労話を中心にトークが進む。
辰子(たつこ)と笑子(えみこ)として撮影に臨んでいたとか。
結論としてはふたりとも「まあいるね」という仕上がりになったそうな。
そして披露もされるが遠くてよく見えない。仲入り時に高座に置いておくので見ておいてとのこと。

小辰さんの一席めはスタンダードに聴かせる『千早振る』。
知ったかぶりのご隠居がイヤミがないのにしれっとウソをつくのが面白い。

笑二さんの一席めは「ちょっと早いんですけど」と花見の噺。
「花見の趣向なんかあるかい?」という問いに「首をくくるってどう?」というのはたまに聞くが、「ダメだよ……去年それで金ちゃん死んだろ……」というのがブラックすぎる。
助太刀の武士たちが入ってきたときも「え、これどうなんの?」「今年も人が死ぬね」と話すなど、結構いろんなところでブラックさが顔を出す。でも実はこういうブラックさ好き。

仲入り時に写真を見る。なるほど確かにまあいる。特に小辰さんは全然違和感がない。もともと細身だし。正面から撮った写真は多分他の人がTwitterとかに上げていると思うのでそちらを見てもらえれば。
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仲入り後に再びふたりで登場して次回のテーマを決める。すべての案に目を通して絞り込んでいく。私は最初に書いたものを消して書き直して案を出したのだが、第一次選考で脱落。書き直す前の案に似た案が最終選考まで残っていた。なんだー書き直さなきゃよかった。
結局のところ「4コマ漫画教室」に決定。さてどんな漫画が出来上がるのか。

笑二さんの二席め、女装撮影エピソードで和服を着たときに「『持参金』に出てくる女だ!」と言われたことを受けてかそのまま『持参金』。
まあ昨今の男女同権の風潮を受けていたらそんなにできる噺ではないけれど、これまたブラックな感じで面白い。
『壺算』的な、噺を聴いているうちに金の行方がぐるぐると回ってわけがわからなくなりそうな感じが妙にドライブ感を生んでいる。
最終的には番頭さんから身重の女の笑子を押し付けられた熊さんが「いいすよ、俺はこの女と子どもと3人で楽しく暮らしていきます」となんだかいい話っぽくなったのは救いか。

小辰さんの二席めは扇辰師譲りの端整な『五人廻し』。
以前に聴いたときよりもさらに磨きがかかっているようだ。
ひとりめの江戸っ子の啖呵はちょいと急ぎ気味だったかな。もうちょっと遅くてもいいからひとことひとことがくっきり聞こえている方が好きだなあ。
いろんな客に難癖をつけられて四苦八苦している喜助の苦渋っぷりがにじみ出ているのはさすが。こういうの上手いなあと思う。

時間が合ったので夜は彼女とサイゼで夕食。えーと明日誕生日なのにサイゼで晩飯でいいんですか。明日の朝はスシローがいいとか言い出すし。……まあ安上がりでいいんだけどさ。
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第八十二回 一蔵ひとりの会 [落語]

第八十二回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『一目上がり』『不動坊』『火事息子』

今日はほぼ1日グータラして過ごす。天気いいのにもったいないが、何かしようという気が起きないのだから仕方ない。

一席め、毎年地元の地域寄席で出るのだが、最近は主催者も慣れてきて高座作りも適当になってきているという。噺の最中に動きを入れると高座が徐々に動き始めたという。机を並べて高座にしたのだが、キャスターのストッパーを留め忘れていたらしい。それに気づいた主催者たちが4人、高座の四隅で柱を押さえ始めたという。打ち上げでは主催者に「高座が滑っちゃってすみませーん! スベるのは高座だけでいいのにねー!」と言われたらしく。「うるせえよ!」とのこと。まあそらそうだ。
そういう地域寄席などでは年明けに「おめでたい噺を演ってくれ」とリクエストがあるそうだが、実はそんなにおめでたい噺というのはないという。あってもおめでたさの方を目立たせるためか笑いが少ないという。「まあこのお客さんですので」とよくわからない理由をいいながら噺に入る。
前座噺で聴くときは時間の都合かだいたい『道灌』と同じで隠居の道楽の違いによって噺が分岐していくのだが、今日の一蔵さんのは普請道楽のご隠居に八っつぁんが訪ねていくところから始まる。
半年かけてようやく完成した茶室を見せたくてたまらないご隠居が羊羹や天丼を餌に八っつぁんを茶室に招き入れ、そこから掛け軸のくだりに入っていく。
賛と詩が違うといわれた八っつぁんが悩みながら「!」と気づいたときの仕草がものすごく大げさでそれが面白い。そしてその結論が「サイコロの目か!」というのもおかしい。
さらに予想を裏切られて悟になったときに「一目っつ上がっていくのか!」と気づいたときの仕草もさらに大げさになっていてそれも面白い。

二席め、昨日今日とセンター試験だったが、下の娘さんがセンター試験を受けていたという。というか一蔵さんの鉄板マクラの「塾の先生の田柄高校評」というのは確か上の娘さんが「田柄高校を受けたい」といったときのエピソードのはずなのだが。てことはそこから4年以上経ってるってこと? はー人の子供の成長は早いとはよくいったもんだ。
マクラになりそうなことはないかといろいろ聞いてみたそうだが、出来が悪いと泣きじゃくる娘さんからはほとんど何も聞き出せなかったそうで。
噺に入ると吉さんが他の人よりもやややさぐれている感じでいかにも一蔵さんっぽい。
その分モテない三人組のちんどん屋の万さんは吉さんとおたきさんの結婚を祝おうとするほどなんだかいい人。屋根の上で漉き紙屋の徳さんとの喧嘩の場面もなんだか女々しくねちっこくてそれがおかしい。

三席め、大旦那はいい人なんだろうけどなかなか強権的で現代的に言えばややパワハラ型。
そんな前時代型の旦那と番頭さんとのやりとりがおかしく、臥煙になった若旦那とのやりとりが聴き応えがある。
タグ:春風亭一蔵
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初笑い寄席 [落語]

初笑い寄席
於:我孫子 アビイホール

山遊亭くま八『動物園』
ねづっち 漫談
三遊亭遊馬『井戸の茶碗』

我孫子のヨーカドーの3階ホールで開かれた無料の落語会。
かわら版には載っていなかったのだが、たまたま遊馬師のホームページを見ていたら予定に「我孫子ヒル」と書かれていたのを見て見つけた。
いいじゃん我孫子ならバイクで1時間ちょっとで行けるし、と思っていたらみぞれ。
しょうがない、常磐線一本で行けるし、有名な我孫子駅の唐揚げそばとやらも食べてみたいし、と電車に乗る。
そろそろ着くはずなのになーと思っていたらいつのまにか取手に。取手!? 茨城じゃん! どうやら載ったのは普段なかなかこない特別快速だった模様。目的地である我孫子には止まらなかったようだ。普段北千住までしか乗らないからそんなのあるの忘れてた。
慌てて降りて引き返すも、その時点で開演に間に合わないことが確定。もーーー。

会場は駅からほど近く。
会場に着くと開始から5分ほど過ぎており、300人ほど入る広さはぎっしり。さすが無料。

ねづっちは以前にも聴いたことがあるが、大爆笑というよりは「上手いなー」と感心する感じのネタが並んでいく。
最後にいくつかおなじみの即興なぞかけを披露する。

遊馬師は十八番の『井戸茶』。約一年ぶりかな。
安定の高座……なのだが、ちょいちょい噛んだり間違えたり。最近中耳炎になって調子悪いってブログとかにも書いてあったのでその影響なのか。
五十両をおっつけっこしているときに「儂が優しく言っているうちに持っていけ」と千代田卜斎と高木作左衛門のふたりがともに言っているのが好き。これいうのは遊馬師以外であまり聴いたことがないな。

終演後に会場となった我孫子のヨーカドーの中を少し回ってみたけど……うらぶれ感がすごい。会場にはあんなに人いたのに売り場には全然人がいない。駅前にも全然人がいないし。みぞれだからかもしれないが。我孫子大丈夫か。そういえば知り合いの兼好追っかけ仲間も我孫子だったような。

そして我孫子駅の駅そばの唐揚げそば。ボリュームがすごくて2個乗せにするとそばが見えないというもの。
以前誰かが「有名なのに全然美味しくない」っていってたのは覚えているのだが。せっかくだから2個乗せを頼む。
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たしかにそばが見えない。
で実食。……あっはっはっは。まっず! まっず! そばマズ! 出汁の味とか全然しないし。むしろなんか変な匂いがする感じ。肝心の唐揚げ……も衣が分厚くて固いタイプ。ツユに容易に溶けないようにするためだろうが、冷えて固くなっていてこれまたまっずいの。衣もやたらしょっぱいし。
いやーこれはなかなかですよ。とはいいながら、やっぱり駅そばってのはこうでなければ。なんというか「不味いのが美味い」みたいな。まあもう食わないけどね!
しかし唐揚げが大きいってだけでなんでこれが有名になったのか。
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第三十一回 三遊亭兼好 横浜ひとり会 [落語]

第三十一回 三遊亭兼好 横浜ひとり会
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭兼好『のめる』
三遊亭しゅりけん『小粒』
三遊亭兼好『粗忽の使者』
だるま食堂 コント
三遊亭兼好『明烏』

にぎわい座には何度もきているが、初めて無料のコインロッカーがあることを知った。なんだーこれがあればコートやら荷物やら客席まで持って行かなくていいじゃん。

兼好師の一席め、今年は正月からゴーンが逃げてくれてありがたいという。
例年は正月に話すネタがなくて困るのに、今年はネタを提供してくれて助かるという。確かにこれまでゴーンネタを話す人は多かった。
「もう日本には戻らないでしょうけど、寄席の色物として出て欲しいですよね。マジックで楽器のケースに入ってもらって。アシスタントは奥さんで。ワンツースリーで『レバノン』て書いてある箱から出てきて欲しい」「東京オリンピックの時に日本に来るかもしれない。レバノン代表として。種目は『高跳びです』って。……これは昨日埼玉でウケたんで言ってみた」。中野でも言ってた。
兼好師の『のめる』は何度も聴いているが、毎回細々と面白さが更新されている。
たくあん大根の企みをご隠居から聞いた男がそのカラクリをぜんぜん理解しない様が面白く、半公の家に行っても頓珍漢なやりとりを繰り返すのがおかしい。「おじさんの家からおばさん100人送ってきて、四斗樽がないかと物置を探したが物置がない。物置の上におばさん100人乗れるかね?」というカオスな問いがたまらない。

しゅりけんさん、先日好の助師で聴いたネタ。
背の大きいしゅりけんさんがやるとまた違う。

兼好師の二席め、先日兼好師が家に入ろうとしたら鍵がないという。鞄の中をずっと探していたのだが、そうだ下駄箱の横の棚においたはず、と探してみたらやっぱりない。ん? 俺家入ってるじゃん! と気づいたそうだ。どうやら手に鍵を持ったまま30分ほど探していたらしい。
そんなマクラから『粗忽の使者』に。
いやーやっぱり面白いねえ。
使者の口上を忘れて「かくなる上はここで一服いたす」と言い出して煙草盆を出されたときに、煙管にタバコを詰めた上で煙管で腹を切ろうとしているのがおかしい。これは今日初めて聴いたくすぐり。

三席めの『明烏』、結構聴くと思っていたのだが、兼好師で聴くのは二年ぶりだった。
兼好師の『明烏』は札付きの源兵衛と太助にもそれぞれキャラ付けがされていて、誰が喋っているのかわかるのが素晴らしい。
中継ぎをしているときに源兵衛に頼まれて若旦那が吉原の逸話を話すのだが、その逸話が悲話で、それを聞いた源兵衛が涙ぐんで「もう帰ろうか」といい出すのがおかしい。
その後に若旦那を花魁のところに連れて行こうとする女将が、駄々をこねる若旦那に笑いながらガチ気味にビンタするのがたまらない。
朝、若旦那の様子を見に行き、あまりの変わりぶりに怒った太助が食べていた甘納豆を投げるのは今まで同じだが、今日はさらに口に含んでからの吹き出しまでが加えられていた。

終演後は兼好追っかけ仲間とちょっとお高めの焼鳥屋に。
普段はあまり飲まないのだが、今日は芋焼酎の水割りを飲む。なんか焼酎って頭は「あー酔っ払ってるな」と思うのだが体は実際それほど酔ってないというか、日本酒を大量に呑んだときのようなダメージがない。不思議だ。
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祝圓歌襲名・兼好50歳記念 圓歌・兼好二人会 [落語]

祝圓歌襲名・兼好50歳記念 圓歌・兼好二人会
於:中野 中野ZERO 小ホール

三遊亭じゃんけん『阿弥陀池』
三遊亭圓歌『お父さんのハンディ』
三遊亭兼好『小言幸兵衛』
三遊亭兼好『初音の鼓』
三遊亭圓歌『母のアンカ』

王子から中野へ移動。
微妙に時間が空いているのでマックでも行って時間潰すかーと思っていたのだが、中野のマックはブロードウェイの中とかなのでバイクを置けない。途中で寄ってくればよかったなあ。結局コンビニのイートインで時間を潰す。

圓歌師の一席め、あの怒涛の小ネタのマクラを重ねるスタイルに会場が大いに沸く。
噺は息子の受験の願掛けのためにゴルフ断ちをしているゴルフ中毒のお父さんの物語。
奥さんとの会話で出てきた単語が何でもゴルフ用語に聞こえてしまうというもので、まあ言ってしまえばこちらもダジャレの連発のようなもの。マクラの勢いのまま笑いを取っていく。
息子の下がった成績表を見ながら「どんどん良くなってるじゃないか」というのが面白い。
ゴルフやっていたらもっと面白いのかもしれない。

兼好師の一席め、圓歌師について「学校寄席で一緒になることがあるが、地方の頭の悪い学校だと全然笑わない。なのに最後には足をバタバタさせるほど爆笑させますからね。老人ホームなんかも笑うだけの元気のなかったお年寄りを腹を抱えて笑わせる。しかもツボに入った人にロックオンして集中的にやるもんだから、ヒーヒー笑って大変なことになる。あの人はいつか人を笑い殺す」。確かにそういう会場に強そう……。
大晦日にたまたま紅白を見たとのことだが、「AI美空ひばりは気持ち悪かったですねぇ……。逆にもうちょっとロボットっぽければ気持ち悪さも抑えられた気もするんですが」。
さらに新曲を歌ったことについても「あれは『もし美空ひばりが生きていたらこう歌うだろう』ってAIが考えてやってるんでしょう? ……これ噺家でやってほしくないですね。AI文楽とかAI志ん生とか出てきたら嫌ですよ。AI志ん朝AI談志二人会とか開かれてAI談志が時事ネタで『ゴーンは悪くない!』とかやられたら勝てる気がしない」。
私は志ん朝師に間に合ってないから見てみたい気はするけど、どうだろう。それを見て「生の志ん朝を聴いた」とはならないだろうし。
そんな最新の技術もあるが昔ながらの変わらない人もいて、と噺に入る。
豆腐屋の啖呵はやや軽め。「土手っ腹に穴開けてトンネル通して汽車叩っこむぞ!」という啖呵に対して「白線の内側にお下がりください」という婆さんの反応がおかしい。
心中騒ぎの場面でサーベルならあると答えられ、「あれはガチャガチャうるさいよ? まあそれしかないならしょうがねえ」とその後の芝居仕立ての合間合間に律儀に「七つの鐘を六つ聞いて『ガチャ』残るひとつは来世の土産『ガチャ』。お花覚悟は良いかいな『ガチャ』」とサーベルの音を入れるのがたまらない。しばらくはガチャガチャ入れるのだが、後になって「もうこのサーベル外そう、うるさい」と言い出すのは傑作。

二席めは軽めに。
殿様が鼓を調べるときに胴の周りの紐を締めて調律をする仕草が入っていて芸が細かい。
殿様と道具屋の吉兵衛では「イヨォー」の声も異なっていて、こういう細やかさが心地いい。
さらに殿様の明るくキレの良い「コンッ」がトドメ。

圓歌師の二席め、先代圓歌師の『中沢家の人々』と同じようなどこまでがマクラでどこからが噺なのかわからない家族の噺。
んん? と思っているうちに終わってしまった。なんか不思議な感じ。

終演後ロビーに出るとギュウギュウ詰めで動かない。賛助会員に兼好師のサインが当たるとのことで、その発表などがあったせいのようだ。
……うーんそこでやるからこういうことになるんじゃないかなあ。なんかさ、なんかもうちょっとやりようあるんじゃないですかねぇ。
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ほくとぴあ亭特別編 よくばり!新春初笑い [落語]

ほくとぴあ亭特別編 よくばり!新春初笑い
於:王子 北とぴあ つつじホール

桂南之助『転失気』
三遊亭遊子『権助提灯』
神田真紅『和田平助』
春風亭正太郎『棒鱈』
玉川太福『地べたのふたり おかず交換』
鏡味よし乃 太神楽
三遊亭遊馬『大工調べ』

あー。昼に兼好師の会があったのだが予約制ですでに受付が終了していた。ダメ元で当日券が出ないか聞いてみたのだがキャンセル待ちがいっぱいだという。埼玉だってのに。
ガッカリしてかわら版を見ていたところ、遊馬師が出演する会を見つける。
調べたところ当日券も数枚出るとのことなので、せっかくだからこちらに行くことに。正太郎さんや太福さんも出て1600円なら安い。

南之助さん、前座とは思えないような落ち着いた所作と渋くていい声。

正太郎さん、薩摩の田舎侍の佇まいがそれだけでなんかおかしい。なんだろ正太郎さんのカピバラチックな見た目でお国自慢のあれらの歌を力一杯歌ってるっていうだけで面白いんだよなあ。もちろん歌う時の仕草や江戸っ子たちの反応も面白いんだけど。

仲入りのときに宮治さんの出る会のチケットを購入。チケットを買うのに住所氏名を書かなきゃならない。さすがお役所仕事。
まあそれはいいんだけど、ずらっと並んでるのにひとりひとり順番がきてから書類を書かせるからひとりにものすごく時間がかかる。職員もふたりいるのに全然効率よく動いていない。せめて並んでいるうちに書類書かせるとかさ、いろいろやりようはあるでしょうよ……。
そんなんで会場に戻るとすでに太福さんが高座に上がっていた。もー。

太福さんは久しぶり。最近人気が高くていろんなところで名前は見るのだが。
『おかず交換』は前にも聴いたことがあるが、なんか会話部分の演技というか口調が以前よりもこなれたというかやや盛られているような。ちょっと馬石師に似てる感じもする。

遊馬師、1月は遊馬百席がないため例年初遊馬は遅くなりがちなのだが、今年は早めに聴けてよかった。
『大工調べ』は何度も聴いているが、今日のはよかった。
大家の言い分も最初は「そりゃそうだ、大家の方が正しい」と思わせながらも噺が進むに従って大家の因業さや頑固さが積もっていき、政五郎かどんどんイライラしていくのがわかり、いつのまにかこちらも棟梁サイドに肩入れしている。そのグラデーションがいい。
言い立ては早すぎて若干言葉を抜けているような感じではあったが噛みもせずに一気にまくし立て、中手が起きる。
やっぱり何人か出ているところに遊馬師が出てくるとしみじみといいなあと思う。
遊馬師は寄席以外ではあまり他の人と組んでやらないのだが、もっとやってほしいなあ。
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赤坂倶楽部 初席 第一部 [落語]

赤坂倶楽部 初席 第一部
於:赤坂會館 6階稽古場

柳家小はだ『つる』
春風亭一蔵『鷺とり』
田辺銀冶『古事記より 木花咲耶姫』
柳家吉緑『たけのこ』
入船亭遊京『七度狐』
春風亭昇々『待ちわびて』
林家けい木 噺家ものまね
古今亭始『磯のあわび』
入船亭小辰『替り目』
春風亭昇羊『胴斬り』
三遊亭歌扇『竹の水仙』
古今亭志ん吉『目薬』寄席の笛、寄席の踊り
柳家花いち『アニバーサリー』足袋芸
春風亭一花『やかん』
柳亭市弥『強情灸』

昨年に引き続き赤坂初席に。今年はさすがに昼夜通しはキツイので第一部だけ。明日っから会社だからね。

まずは新版三人集揃ってご挨拶。今年の番組は小辰さんと市弥さんで決めたそうで、一蔵さんが一部のサラ口と二部のトリ。「なんでだよ!」と一蔵さんが抗議するも、「去年昼の部のトリと夜の部のサラ口をやった人が出番が終わった後にベロンベロンになって大変だったから」とバッサリ。まあつまりは一蔵さんの自業自得……と思っていたら、「お前らは大きなミスをしている。今日はサラ口だから大丈夫だと思っているだろ。今二日酔いのマックスだ!」と大威張り。「後悔するがいい!」とぶち上げふたりから「そんなこというな!」「お客さんが後悔するわ!」と総ツッコミを食らっていた。

さてその一蔵さんの高座、前座の小はださんが『つる』だったのに鳥ネタをかぶせてくる。「鷺ってアレだろ? 『さー』って飛んできて『ぎ』って止まるやつだろ」というのが面白い。
オチは鷺とりの男が「赤坂会館に落ちてきて二部のトリをとるという。滅茶苦茶やってやりますよ!」とのこと。今日は二部までいられないのです。

遊京さん、つかみで「落語協会のカルロス・ゴーンです。……いやー、去年はこのネタで結構ウケたんですけど、またしばらく使えますよ。最高のお年玉ですよ!」とのこと。たしかにちょっと似てる。
噺は喜多八師の『落ち武者』の後半部分と同じ型。扇遊師は仲が良かったみたいだし、喜多八師に習ったのかな。

けい木さん、色物として呼ばれたそうで。
老若かかわらず現役噺家のものまねを披露。
……いやこれすごいね。何人かわからない人もいたけど、それはそれで面白い。誰かが「なんであれで売れないんだろ」っていってたけどたしかに。完コピ能力すごすぎ。

始さん、『磯のあわび』を兼好師以外で聴いたのは初めて。

小辰さん、今年もよろしく。

昇洋さん、『胴斬り』を高座で聴いたのは初めてかな。
酔っ払った他の出演者たちがいっぱいいる楽屋は異常な雰囲気だったそうで、居場所がなさすぎて廊下にいたそうな。「誰にも勝てそうにない」。そこに花いちさんがやってきて、ようやく「僕でもなんとか引き分けに持ち込めそう……なんなら勝てるかもしれない」人がきて安心したとか。
なんだろ、なんか誰かに似てるような気がするんだけど思い出せない……。

志ん吉さん、『目薬』ってなんか正月に関係あるの? なんか年末年始やたら聴くんだけど。
今年は「質より量」だそうで、落語はさくっとコンパクトにまとめて寄席の笛や寄席の踊りも披露。こういうサービス精神好き。

花いちさん、売れない噺家がお高い居酒屋で結婚記念日を祝うものの、扇子と手ぬぐいだけで刺身やビールに見立てるというもの。落語のお約束を逆手に取ったというか。面白い。
志ん吉さんに続いて寄席芸を……ということでいろいろな足袋を使って他のものに見立てるという足袋芸を披露する。多分見ていた人の頭の周りに???が出ていたと思う。

一花さん、……あれなんかキレイになってない? 人妻になってなんかちょっと垢抜けたというか。
花いちさんの足袋芸を急遽取り入れるもどんズベる。「……やるもんじゃなかったですね」……そうすね。
気を取り直してそのままスタンダードに『やかん』をこなす。……毎回毎回いうけどやっぱり口調やら間やらこみち師を思い出す。

トリの市弥さん、マクラからすんごい声を張る。こんなんだったっけ。
市弥さんは二部はサラ口のようで、それさえ終われば呑めるらしく「早く飲みてえ~」と待ちきれない様子。
『強情灸』も登場人物ふたりが声を張り上げまくる。おやおやと思っていたが、これがサゲにもつながっていた。

ということで今年は第一部だけ。
バイクの駐輪場に向かう途中、信号のない交差点で白バイが待ち構えているのを見かける。あーこりゃ歩行者がいるのに横断歩道一時不停止狙ってんなーと思っていたら案の定目の前で捕まっていた。やだねー、クソ公僕。こんなセコいの捕まえるよりゴーンでも捕まえてみろっての。で、自分がバイクでそこを通ったらまたいやがんの。もう一時停止しまくりですよ。ふふふ。で、もういいかなと思って発進したら横断歩道に突っ込んできた歩行者がいた。おおおい! どうにも止まれずそのまま突っ切ったが、さすがに白バイは追っかけてこなかった。まああれだけ優良ライダーをアピールしたからね。……でもホントに心臓に悪いからそういうのやめて。歩行者だからって何してもいいと思ってんなよ!
ところでバイクは1時間200円という赤坂にしては良心的な駐輪場に停めていたのだが、1部だけでこんなに長いとは思わず。結局1100円払う。……地下鉄使ったほうが安かったなあ……。
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らくご長屋 龍玉・兼好二人会 [落語]

らくご長屋 龍玉・兼好二人会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭じゃんけん『浮世床(将棋、本、かくし芸)』
蜃気楼龍玉『親子酒』
三遊亭兼好『寝床』
三遊亭兼好『犬の目』
蜃気楼龍玉『鰍沢』

宮治さんの会終演から開場まで15分しかない。隣の松屋で大急ぎでメシを食ってきたけどやっぱりすでに開場しており、私の整理番号はすでに入場可能になっていた。まあひとりならだいたいいい席がひとつくらい空いているのでいいんですけど。

龍玉師の一席め、なんだか私の中で龍玉師というと『親子酒』のイメージがある。
やっぱり龍玉師はキッチリしてるというか緻密。いつ聴いてもブレがないというか。

兼好師の一席め、この噺もやっぱり間が面白いんだよなあ。
重蔵が長屋の人たちのこられない言い訳を語った後に「というワケで、ハイ」と一瞬真顔になって顔を微妙に振るのが楽しい。

二席めは久しぶりに聴く『犬の目』。ただひたすらにくだらなくてナンセンスな噺ではあるのだが、多少グロい感じもなきにしもあらず。
助手のケメ塚くんになぜこの噺を掛けたのかと問われ「お『目出』たいから」とメタで答えるシャボン先生がおかしい。

直前の会で宮治さん曰く「このあとは『明るい人と人殺し』の会です」。まあ言わんとしていることはわかるけれども。「人殺さないネタ持ってるんですかね?」って。にしても雲助一門て三人とも特徴違っててそれぞれで売れてるんだからすごいよなあ。
でもってこの噺もやっぱり人が死ぬ。
さらにやっぱりこの噺もカッチリカッチリと進んでいく。
常に色っぽい口調で話していたお熊が、亭主が毒入りの卵酒を呑んで苦しんでいるときだけ伝法な男口調になっているというのがリアルというか。

夕方には家に戻って焼鳥で一杯飲む。ああ正月休みももうすぐ終わりだなあ……。会社行きたくねえー……。
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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 第11回 宮治ひとり舞台 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 第11回 宮治ひとり舞台
於:中野 なかの芸能小劇場

桂宮治『権助魚』『ナース・コール』『子別れ(下)』

調子悪そうな宮治さん。やはり年末年始は飲み会続きで、酒が抜けきってないのだとか。
元日は一蔵さんとラジオの仕事だったそうで。なーんだー元日は車で出かけてたから、知ってたら聞いてたのに。タイムフリーで聞けるかな。

昨日は一之輔師らと呑んだらしく、その面子にいた一花さんの話をマクラに。「皆さん一花さんのおめでたい話を知ってるかどうかわかりませんが、あ、そもそも一花さんを知ってるかどうかわかりませんが」ってこの会場来てる人なら知ってるでしょ。
「いやー、彼女結婚しましてね、しかも同じ落語協会のちょっと先輩の馬久くんと。バカでしょ? なんで身内同士で結婚するのかね? ずっと仲間にいじられるんですよ? 昨日だって一之輔兄さんと僕っていう性格悪い人間に囲まれてずーっといじられてて。うひゃーひゃひゃひゃ。結婚しただけでこれなんだから、万一離婚なんかしたらどうなるんですかねー!? だって離婚したってそこそこ会いますからね。しかも我々は定年とかないですから。ぷぷぷぷぷ。それに人気の差とか出てきますよ。同じくらいのキャリアだからって同じ仕事量で同じギャラなんてことないですから。うわーどうするんですかねー!?」とまあいろいろと黒い笑顔で心底楽しそうに話す。
しかし一花さんはいろんな師匠からかわいがられていたらしく、師匠の一朝師も一花さんの結婚には不機嫌になっていたとか。「本当の娘みたいに思ってるんでしょうねえ」。
さらに「しかも結婚前の異性関係とか周りはみんな知ってるんですよ? うわー」と最後まで黒い笑みを絶やさず「夫婦関係にもいろいろあって」と『権助魚』に入る。
やはり最後の権助が網取り魚について話す場面は宮治さんらしくわーきゃーとしていて楽しそう。

そのまま二席め、「今年の目標は健康診断を受けること」と言いながらエキセントリックな新人ナースが登場する『ナース・コール』に。
私は初めて聴くが「白鳥師の噺っぽいなー」と思っていたら案の定だった。
まあこれもきゃーきゃーいっているのが宮治さんによく合っている。

三席め、「飲む・打つ・買う」について、宮治さん自身は「打つ」はサラリーマン時代にパチスロなどに行っていたが現在は特に絵合わせに興味がないといい、「買う」も連れてってもらえるならともかく手銭で行くのは面倒、「飲む」だけはやめられないといいながら噺に入る。
宮治さんの『子別れ』は番頭さんは何も知らずにまったくの偶然で再開する型。
亀吉に与える小遣いはだいたい五十銭なのだが、宮治さんは十銭。だとするとそんな大金ってほどでもないのでは?
鰻屋の二階で復縁を決めたときの場面では宮治さんの目に光るものが見えたように思えたのだがあれは汗か涙だったのか。

次の龍玉・兼好二人会にも行くので30分しか間がない。詰め込みすぎだろー。
タグ:桂宮治
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横浜にぎわい座 正月興行 新春特選演芸会3 [落語]

横浜にぎわい座 正月興行 新春特選演芸会3
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭好吉『味噌豆』
三遊亭萬橘『孝行糖』
三遊亭王楽『つる』
ニックス 漫才
立川ぜん馬『狸札』
三遊亭好楽『風呂敷』
三遊亭兼好『桃太郎』
三遊亭愛楽『目薬』
マギー司郎 奇術
三遊亭圓橘『稲川』

まあ一応毎年行ってるので今年もね。

好吉さんの持ち時間はわずか3分半だそうで、相変わらず二ツ目に厳しい会。そらみんな『味噌豆』か『からぬけ』になるわなあ。

萬橘師も毎年浅い出番で、時間は短め。
かなり粗く刈り込んでおり、王楽師に「今のは萬橘師匠の素晴らしいやっつけ仕事を聴いていただきました」と言われてしまう。じゃあ出番変わってよー。
王楽師からは時間がちゃんと取られているようでマクラも普通に振られていた。

晴れ着姿のニックス、お姉ちゃんが留袖を着ていた。結婚したんだ。

兼好師、クイツキの説明がてら「ここに出てくるってことは相当な腕がなくっちゃならない」と語り大きな拍手をもらうも「といってトリを取るほどではない」と自虐で落とす。
『桃太郎』も普段兼好師ではあまり聴かない寄席向けの噺。
ただしやっぱり兼好師、むかし話の部分のところでもキチンと強弱をつけて聴きやすく面白くなっている。
後者の親子(ここで「近頃のお子さんは……」などと言わないところが上手い)のときの父親の語りでは、さらに「鬼が酒を呑んで大騒ぎ。青鬼は赤くなるし、赤鬼は呑みすぎて青くなるし。呑んでる酒が『鬼ころし』」などと小ネタを挟むのもおかしい。
金坊の講釈も素晴らしい。「鬼は『鬼門』だから丑寅の方角なの。この反対の桃太郎が未(ひつじ)だからお供に申酉戌が付いてくるの」という説明には思わずなるほどと聞き入って会場中が総おとっつぁん化してしまう。すると「そんな今ごろ『おぉ〜』とか言ってたり拍手してる場合じゃないの」と金坊のツッコミは会場にまで及ぶ。

終演後に「西のかい枝 東の兼好」のチケットを購入。いつもこの会は平日なのに珍しい。
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