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第七十九回 一蔵ひとりの会 [落語]

第七十九回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『目黒のさんま』『死神』『甲府い』

前回の一蔵ひとりの会とあまり間が開かず。そういえば前回取材にきていたWBSが放映されたらしく、兼好追っかけ仲間から「出てたよ」とメッセージがきていた。そんなこと言ってもちらっと映っただけだろうと思っていたのだが、今日らくごカフェに行ったら「『あ、◯◯さんだ』ってわかるくらい結構しっかりと映ってましたよ」と言われる。マジすか。なぜ。

さて昨日に続いての一蔵さん。
旅の仕事が続いたそうで、長崎に3泊、東京に1日戻って北海道に3泊というスケジュールだったそうだ。
長崎の会は5年めだそうで、回を重ねるごとにおもてなしの方向がおかしくなってきているという。
今年は車で2時間かけて「本土から車で行ける最西端」に連れていかれたとか。そこには趣味でダチョウを飼っている施設があるのだが、一蔵さんは生き物全般ダメなんだそうで。「人が好きな分、動物は苦手」とのこと。なるほど俺が動物好きなのは人間が嫌いだからか、と納得。
次の北海道では仕事がキャンセルされて1日空いた日があったそうで、また車に乗せられて連れて行かれたのが今度は納沙布岬。「ブログなんか書くもんじゃないですね……『こないだ最西端行ってたから』って……」。でも旅行好きからすれば正直羨ましい。
北海道にきて楽しみにしていたのは秋刀魚だそうだが、今年は不漁で「いいのは全部豊洲」といわれ、現地にはろくなのが残っていないとか……「というわけでもうお分かりだと思いますが」と『目黒のさんま』に。
最近の殿様は駄々っ子みたいな子どもっぽいのが流行りなのかな。
殿様が「弁当をもて」といったときに「誰か弁当を持ってきたか? 谷田! 川上! ……」と何人か聞き覚えのある名前が出ていたが、「一朝一門の名前をいってみたが伝わらない」……ってそりゃそうだろうなあ。一之輔師と一蔵さんくらいしかわからん。

二席め、長崎の旅の仕事ではボートレース発祥の地といわれているレース場で落語会を開いてもらったそうで、イベント会場に高座を作ってもらったのだそうだ。
「ここであの◯◯や●●や△△がインタビューを受けてた!」と一蔵さんは大興奮なのだが、もちろん私は誰一人わからない。
700人入るホールに椅子を並べてもらったそうだが、「こんなに入りますかね?」と聞いたところ「入るわけないですよ、入場者数350人ですよ」といわれたとか。「いじめか!」。
噺はネタおろし。
運が強かったのは主人公の男ではなくて、そのおかみさんだった、というのは初めて聴く型。おかみさんをたたき出したことで運がどんどん下がっていったというのは最近っぽいというかこのご時世には受け入れられやすいだろうなあと思う。
男が鰻好きで、治した旦那と一緒に山椒をたっぷり掛けたうな丼を頼むというのが伏線となっているというのも初めて。

三席め、噺家の稽古の風景をマクラに。一朝師や一之輔師、白酒師などの人気噺家を独り占めできるという贅沢な場であるという。羨ましい。が、一之輔などは自分で作ったくすぐりなどは入れずに教わったままの型で教えるのだとか。「入れたいんだったら好きに入れていいよ」というスタンスだそうで、できるだけプレーンな型で教えるのだそうだ。教わる方も面白くても真面目な顔をしなければいけないのだとか。
一方一朝師はくすぐりも入れて教えてくれるそうで、しかもウケた方がよりノリノリでやってくれるのだとか。いいなあ。
そんなところから縁の話になり、『甲府い』に入っていく。
この噺は特に山場とか笑わせどころとかがあるわけでもないだが、なんとなく全篇退屈せずに聴ける。
豆腐屋の親方がひとりエキサイトする場面で、「そりゃあお花は婆さんに似て見てくれは良くないが」「なにいってるんですかお爺さん、あの子はあなたに似て見てくれが良くない」と夫婦で押し付け合うのがおかしい。
「とーふぃー生揚げがんもどき」という売り声をガチで思い出せなくなるというアクシデントもあり。珍しい。
タグ:春風亭一蔵
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