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第七十八回 一蔵ひとりの会 [落語]

第七十八回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『馬の田楽』『素人鰻』『竹の水仙』

昨日は父親の墓参りへ。
帰りに日帰り温泉へ行ったところ、足の中指をグネり、どうやら捻挫した模様。すげえ変色して腫れているが、触らなければ痛くないし、熱も出ていないので折れてはいないだろう。多分。ツイてない。
家に湿布があるかと思ったがなかったので気休めにサロンパスを貼る。効能に「捻挫」もあったので大丈夫だろう。
頼むぜご先祖様。なぜお参りに行ってこんな目に。

さて一蔵さん、すごい久しぶりというか間が空いた。たしかこの会の前がGWだから、4か月くらいご無沙汰。まあ今年は全体的に落語に行くことが減ってるからなあ。

開始5分前くらいにらくごカフェに着くとなんかカメラが。今日は『ワールドビジネスサテライト』の取材が入ってるのだという。「え、一蔵さんに!?」と聞いたららくごカフェにだという。失礼しました。

一席め、婚活街コンの司会をしたというマクラから。本来ああいう街コンはお互いいいなと思う人を指名し、カップル成立した場合のみ発表という形なのだが、それではつまらないとねるとん方式にしたという。運営側はあらかじめ参加者の思惑を知ることができるそうで、なぜか男性側の女性からの人気は春風一刀さんのような地味なタイプだったそうな。一蔵さんも男側を煽って煽ってカップルにまで持ち込んだのだが、実は女性の職業は……というサスペンス色溢れる展開で、「あの一刀には今後地獄が待ち受けてるという……」という「リアルなちょっと怖い話」に変わっていってそれがまたたまらない。女性に告白しそびれた男性からモテたという話もオマケに。
その後話題は変わって21日から始まった新真打の披露興行の話に。4人で協会幹部の師匠方に挨拶回りに行くのだが、その運転手役を頼まれたのだとか。「運転はプロですからね! ……いや落語もプロですけど」。仲が悪いと評判(?)の新真打だが車内は和やかな雰囲気だったそうで、冗談で「なんだつまんねえなあ。仲悪いって言ってたのにそうでもないんすね」と言ったところ全員が黙り込んだとか。一蔵さんのブログには「大盛り上がりでめちゃくちゃ楽しい」と書いてあったがさて真相はいかに。
車の話から「昔はものを運ぶのも馬だった」と『馬の田楽』に。
なんとなく秋の感じがするからという。言われてみれば確かに、あののんびりした空気感は秋が似合うのかもしれない。

続けての二席め、このひとりの会のマクラのためにロック座に行ってみたという。
そのクオリティに驚いたそうで、「あれは一度行ってみた方がいい、いやらしいとかよりもショーとしてよくできてる」と大興奮。
構成は寄席と似ているそうで、最初は若手から始まり、次第に人気のある人の出番になっていくのだとか。先に出る人は「お先に勉強させていただきます」というのも同じなら、メモを取りながら見ている通というかすれっからしのファンがついているところもそれっぽい、とのこと。
寄席から噺家の身分制度の話になり、そこから士農工商の身分制がなくなった頃の噺へと入っていく。
『素人鰻』には侍が鰻屋を始めて職人の金とのやりとりがメインの型と、客がタダ飲みする型とがあるが、一蔵さんのは前者の型。調べてみたら、ふたつの型は演目こそ同じだが、元は別の噺なのだそうだ。後者は上方の『鰻屋』を江戸に持ってきた際に演目が変わったようだ。
とはいえ『素人鰻』はどちらの型もあまり出会わない。この10年でどちらも1〜2回くらい。今はあまり演らない演目なのだろうか。
鰻職人の「神田川の金」が禁酒の誓いを立てて働いていたのに、開店祝いにあっさりと酒を飲み豹変するところはなんとなく一蔵さんのキャラに合っているように思える。
最後の見せ場、鰻がニョロニョロと逃げていく仕草については、私の座る位置もあるだろうがあまりニョロリ感は感じられず。アレは難しそうだなあ。

三席めはおなじみの『竹の水仙』。
甚五郎が一文なしとわかってからの態度の変化のあからさまなところがいっそ清々しい。
甚五郎と明かした綿貫権十郎に「粗相があってはならんぞ」と言われ、「……手遅れ」と答える表情がおかしい。

無沙汰の詫びがてら11月に開かれる「一蔵ひとりの会 第2回横浜場所」のチケットを購入。
タグ:春風亭一蔵
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第四十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第七幕 [落語]

第四十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第七幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『代脈』
三遊亭じゃんけん『五目講釈』
三遊亭兼好『一分茶番』
三遊亭兼好『茶の湯』

この会は遠くて本来追っかけ対象エリア外なのだけれども、ここ最近の兼好分不足により急遽行くことに。
前日に予約をして会場に行ってみると2列目のど真ん中という絶好の席。なんか直前だとキャンセル分のチケットが回ってくるのか、いい席になることが多い気がする。

一席め、自身の不健康の話題からツボ押しの話に。まだツボ押し健康法は続けているようだ。
なんでも鼻水を止めるツボと押しすぎると声が出なくなるツボが並んであるらしく、「今日噺の途中で声が出なくなったら『ツボを間違ったんだな』と思ってください」とのこと。
そこから医者の噺の『代脈』に。
銀南の「羊羹はこの季節だから芋羊羹かもしれませんね!?」とウキウキしてるのがおかしい。結果出てきたのは栗羊羹で「栗羊羹かー! そうかー……医者なのに見立て違い……」と身をくねらせながら悶えるのが笑える。
銀南が「あんな綺麗なお嬢さんが……」というたびに「いやいや、綺麗なお嬢さんだろうが、汚いお嬢さんだろうが……」と説く先生の言い方が落差がありすぎて面白すぎる。「汚いお嬢さん」に悪意ありすぎ。

じゃんけんさん、講釈のコピーもなかなかの出来映え。
若旦那の語るめちゃくちゃな講釈の場合、素で間違えたのか若旦那のキャラとして間違えたのかわからなくてお得だね。とはいえここまでできているのはだいぶ稽古したんだろうなあ。

兼好師の二席め、ラグビーのW杯に触れ、高校大学時代に師がラグビーをやっていたという話題に。会場もどよめいていた。兼好ファンには常識ではあるが、とはいえ想像はしづらい。ポジションはスクラムハーフで、小柄な選手でも活躍できるらしいが。
兼好師がラグビーを始めたきっかけというのはやはり『スクール・ウォーズ』の影響らしい。とはいえ誰かに憧れて、というわけではないという。
昔は憧れる対象というのは役者で……と素人芝居の噺に入る。
何度も聴いている噺だけれども、そのたびごとに面白い。
権助のキャラがもう最高なのです。
特にあの訛りと純朴すぎる行動が兼好師にピッタリだと思う。

三席め、黒紋付に着替えて『茶の湯』に。
「ご隠居さんはなにか風流なことをやらないんですか?」と詰め寄る定吉と「……お前は追い込むねえ……」とタジタジのご隠居の力関係がおかしい。
兼好師の高座はもちろん語り口も面白いのだが、やはりその表情と間が最高。
今日は茶釜に椋の皮を入れたときの表情がたまらなかった。言葉でいろいろと説明しなくても、ギョッとした表情と目線の動き、「泡すごい……」という一言だけでドカンと笑わせる。
とはいえ今日のご隠居と定吉の暴虐ぶりは凄まじく、三軒長屋の店子だけでなく少しでも関わり合いのある人達がすべて巻き込まれ、隠居所周りの住民が全部引っ越すという事態になっているのがすごい。罠をはってまで被害者となる人を捕まえるのがおかしい。

終演後はらくごカフェに行って小辰さんと笑二さんの「和室カフェ」に行こうかとも悩んだが巨人がマジック2で今日優勝が決まるかもしれないということで家に帰ることにする。が、まあまだ時間があるということで久しぶりに兼好追っかけ仲間と横浜の立ち飲み屋で呑む。塩煮込み美味い。

そして巨人優勝! いやっほーーーーい!
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第19回 小辰の寸法 [落語]

第19回 小辰の寸法
於:人形町 日本橋社会教育会館

入船亭小辰 ご挨拶
春風亭与いち『黄金の大黒』
入船亭小辰『目黒のさんま』
入船亭小辰『へっつい幽霊』
入船亭小辰『薮入り』

やっちまったなあ。
今日はさいたまスーパーアリーナで兼好師の独演会があったのに、チケットを取ってないという。
ここ半年くらいは仕事があまりにも忙しいのでいつ休出になるかもわからず、そのせいで先のチケットが取りづらい。そんでぐずぐずしているうちにチケットが売り切れるという。まあ仕方ない。今やってる仕事が一段落したらひと月くらい溜まった休暇取りてえなあ。

彼女が仕事で使うので「いかにも『東京』という写真」ないかという。寺とかスカイツリーや東京タワー、下町とかの方の写真はあるものの、都会の写真がない。そんなものわざわざ撮る気にならないし。
本当は昨日撮りに行こうとしていたのだが、空がどんよりと曇っていてどうにも映えない。せっかく小辰さんの会をパスしてまで行ったのに。
今日は少し青空も出ているし、気候も涼しいのでバイクで都内の都会を流して大手町東京駅六本木新宿秋葉原と回る。こういうときはバイクの機動力が強い。
今日は都内のそこかしこで祭をやっている。うちの地元でもやってた。

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Nikon Df
東京駅

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Nikon Df
六本木ヒルズとテレビ朝日

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Nikon Df
新宿西口の損保ジャパンビル

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Nikon Df
都庁


さて夕方から小辰さん。
まずはご挨拶。今日は入間市で敬老会の仕事があったそうだが、体育館での会だったそうで暑さが半端なく地獄だったとのこと。会場に集ったお年寄りもしんどそうだった上、共演の素人マジック同好会が色んな意味でものすごく、「今日はもう落語演る気分じゃない」。
それと昨日の『題名のない音楽会』の話。昨日は高校生がアニソンを演奏し、本物の歌手が歌うという企画だったらしい。『タッチ』や『エヴァンゲリオン』、『天空の城ラピュタ』の曲が演奏され、さらにアニメの主人公の声優がサプライズで高校生にメッセージを贈ったそうで。そこで『ラピュタ』主演の田中真弓から贈られた言葉は「バルス!」だったとか。「滅びの言葉贈っちゃった!」と吹いたそうな。

前座は与いちさん。小辰さん曰く、仙台のレストランチェーンの御曹司らしく、先日郡山で一花さん二人会をやったところ、一花さんとは一門ということで与いちさんのお母さんがわざわざ挨拶にきたそうな。差し入れも頂いたので与いちさんにもお礼を言ったところ「じゃあ仕事くれますが」といわれて呼んだとのこと。まあいつも一之輔一門の前座さんだから洒落だろうけど。
大家に祝いの口上を言いに行き、「こんちはぁ!」「はいはい」「さいならぁ!」で「冗談言っちゃいけない」と珍しいぶった切り方。
小辰さんも言っていたが、追い込まれた登場人物がパニックになって「うあぁ~!」とはじける感じが一之輔師っぽい。

小辰さんの一席め、今年は落語協会と芸術協会の真打披露興行がぶつかるという。落語協会の新真打はもちろん普段から仲良くしている人なので手伝いなどにも行きたいそうだが、一方の芸術協会の小痴楽さんも昨年ラジオを一緒にやっていた仲なので披露目に行きたいのだそうだ。
小痴楽さんといえば若旦那であり、落語協会にも若旦那はいるが彼らには共通するものがあるという。たとえば三木助さんも若旦那で、性格は小痴楽さんとは真逆なのだが、妙に人懐っこかったりそのくせ嫌いな人に対しては嫌いとハッキリ言ってしまうところなどが挙げられるとか。
若旦那噺かと思ったが、平和な時代の殿様も若旦那のようなもので、と『目黒のさんま』に入る。今シーズン初。小辰さんの殿様はだいぶ駄々っ子で大人げない。若殿って感じがする。

一度高座を降りて高座返しがあった後に二席め。
「自分は同期に恵まれている」と一蔵さんの話題を出し、昨日も打ち合わせで朝からジョナサンでビールを飲んだと話す。そのときに『青菜』の話になり、そこで「あの『九郎判官義経』って何?」と聞かれたとか。さすがに「はぁ!? ちょっとまって酔いが全部醒めた」となったそうで、義経の逸話などを説明したそうだ。それを受けて「ああ~そういうことか!」と納得したそうで、「今年はもう演ることはないでしょうが、来年の一蔵兄さんの『青菜』はもっと面白くなってるはず! 八五郎の気持ちがわかったでしょうから!」とのこと。
でその一蔵さんがギャンブラーであることから博打の噺に。
小辰さんの『へっつい幽霊』は初めて。主人公が博打に勝って家財道具を買おうと道具屋に行ってへっついを見つけるという型は初めて聴いた。
若旦那も出てこず、すぐに幽霊が出てくるコンパクトな形になっている。幽霊の名前も「半次」になってるし、こまごまとこれまで聴いていたものと異なっている。これはこれであっさりしていていい。

三席め、なぜこの時期に? とも思わないでもなかったが。「子を思う親の気持ちは変わらない」とのことだが、最近の虐待親に聞かせてやりたい。
それまで威勢よく騒いでいた父親が、いざ息子が帰ってきたときに戸も開けられずにモジモジしているのがおかしい。
あまり好きな噺ではないので、『藪入り』かあと思ったが、なんかいつもよりもスルッと聴けた。

帰りには銀座に寄って夜の和光とRICOHのビルの写真を撮る。自分で言うのも何だけど、俺随分親切だなあ。
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Nikon Df
夜の銀座
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謝楽祭2019 [落語]

宮治さんの会が終わって昼メシを食ってるときに豪雨になり、こりゃ途中で中止かなと思ったものの、雨宿りしているうちに雨がやんだ。空も青空になってるし、行くだけ行ってみるかと思って行ってみたところ普通に行われていた。

写真はすべてNikon Df。
なんだかんだいいながら結局サインは貰ってんのな。まあしょうがない。

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柳家喬太郎師。毎年長蛇の列のサイン対応お疲れさまです。

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春風亭柳朝師。最近聴いてないな。人柄の良さが高座に溢れてて好きなんだけど。

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林家彦いち師。今年も「おっ、Df!」と声を掛けられる。さすが。

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古今亭菊之丞師。高座とだいぶ印象が……。

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林家たい平師。被り物でお疲れさまです。

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柳家小せん師。落語聴きに行きたいなあ。

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鈴々舎馬るこ師。汗すごい。

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古今亭駒治師。鉄道落語面白いよね。

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三遊亭わん丈さん。対応が今どきの人っぽい。

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春風亭一花さん。なんかかわいらしいよね。

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春風亭朝之助さん。独特の話し方がクセになる。

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一朝一門のクリアファイル。最近一蔵さん聴きに行けてないな。一之輔師の表情似てる。

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ホンキートンク弾さん。頑張ってほしい。
いや利さんと奥さんはもっと応援してるけれど。いつかまたふたりのネタを聴きたいなあ。

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ホンキートンクの手ぬぐいを購入。……「本・キー・豚・食う」か!

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マギー隆司先生。あの空気好き。

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三K辰文舎オンステージ。毎年の私の最大のお目当て。
文蔵師の『最後のニュース』の替え歌で落語協会暴露ネタはすごく面白かった。

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写真撮影用のポーズをとってくれた。「こんなポーズしたことねえよw」。
タグ:謝楽祭
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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 第9回 宮治ひとり舞台 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 第9回 宮治ひとり舞台
於:中野 なかの芸能小劇場

桂宮治『お血脈』『親子酒』

昨日は彼女のお父さん、お姉さんと墓参り+食事会。14時くらいに解散となり、彼女も寮に戻るというので仕方なくひとりで追加飲み。
食事会でも少し飲んでいたのだが、上野の串カツ屋でビール。
家に帰ってもすることがないので野球を見ながらダラダラと飲み続け、結局夜中まで猫を撫でつつずーっとチビチビと飲み続ける。なんだこれアル中の生活じゃね?

今日は謝楽祭なのだが、……んー正直毎年同じ人ばかりにサインもらってもなあ……という思いはある。
サインを貰うのは少なくとも高座を聴いたことがあり、遠目で見ても私がその人を認識できる人、と思っている。高座を聴いたこともないのにサインを求めるのは失礼だし、そのありがたみもわからない。
そう考えると、特に今年は全然聴く人を広げられていない。そして私がよく聴く人のサインは大概もらったことがあるので、サイン集めにもあまり熱が上がらない。
ということで14時からの三K辰文舎のライブに間に合えばいーかーと午前中は中野に行く。

やはり開口一番に「今日は謝楽祭も開催されているなか、こちらにきていただくというセンスのない方たち」と自虐なんだか毒づきなんだか。
さらに今日の仕事はこれだけだそうで、「久しぶりですよ、土日でこんなに早い時間に仕事終わるの。終わるのは11時半くらいだから、寄席だったらまだ一番太鼓が鳴ってる時間ですからね。今日は地元でお祭りがあるんで、子どもたちと『一緒に行こう!』っていってるんですよ。……そしたら台風だって。へへへっ。……あーあ」とかなりやる気を失っている様子。
主催のオフィス10のスタッフである娘さんをイジりつつ割とすぐに「女性というのはありがたいものですが、その女性を悪く言った人がいる。それはお釈迦様で……」とお決まりのマクラに入る。
あれ今日は噺に入るの早いな、と思ったものの、ことあるごとに脱線してなかなか話が前に進まない。ときには脱線からさらに脱線して宮治さん自身が「……どこまで話しましたっけ? ああそうそう、ここまでですね」っていったところがまだ脱線している話題の途中だったり。
脱線の内容は昇太師の結婚話だったり笑点メンバーのワルグチだったり文治師のイジりだったり。まあいつもの宮治さんのネタなのだが、今日は「これSNSとかにはNGですよー」というものが多かったかな。
そんなこんなで『お血脈』の『善光寺由来』部分だけで55分、石川五右衛門が出てきてサゲまでが5分というムチャクチャな配分。ただそれも含めて宮治さんぽくて面白い。

二席め、「さっき携帯で天気予報見たら雨が降る時間が繰り上がって、この会が終わる頃には降ってくるらしいですよ。この後の文治独演会とか聴いてる場合じゃないですよ、早く帰ったほうがいいですよ」と軽く営業妨害。「文治師匠が楽屋に来る前に帰りたい」とさっさと噺に入る。
さすがに残り時間が20分くらいしかないのでおばあさんも酒を出すまでにあまり時間をかけない。というか酒を出させる殺し文句が「……抱くぞ!」というのがおかしい。
酔った息子が周った得意先の親方の名前がすべて笑点メンバーの師匠で、時間がないのにも関わらずひとりひとりキッチリとワルグチをいうのがさすが。

終演後に外に出てみるとまだ雨は降っておらず、持つかなと思っていつものタイ料理屋に行くもリニューアル工事で閉まっていた。マジかよ……ともう一軒のタイ料理屋に行こうとしたときに豪雨。あーあ。
タグ:桂宮治
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遊馬百席 第122回 [落語]

遊馬百席 第122回
於:板橋 みやこ鮨

三遊亭遊馬『粗忽長屋』『堀の内』『粗忽の使者』

7月の前回は休日出勤で来られず、先月は遊馬百席自体がお休みなので2か月ぶりの遊馬師。
今日は夏休みの最終日だからか? 珍しく子ども連れの家族が2組も来ていた。この会で子どもがいるのは珍しい。そのおかげもあってか、今日はかなりの大入り。遊馬師も「どうしたんでしょう」と驚いた様子。

子どもがいるからか、わかりにくそうな言葉には注釈をつけたり説明をしたりと気を配っている様子がうかがえた。やはり気遣いの人だなと思う。

今日は「粗忽者」シリーズで固めてきた。
一席めの『粗忽長屋』と二席めの『堀の内』は遊馬師では初めてじゃなかろうか。
『粗忽長屋』はややあっさりめだが、熊の茫洋とした感じが遊馬師によく合っている。
とはいえその茫洋としたキャラの白眉はやはり三席めの『粗忽の使者』だろう。この地武太治部右衛門ののんびりとした呑気なキャラはまさに遊馬師にピッタリ。それでいてやはり武士なのでどこか品があるというか芯のありそうなところもハマっている。いやーいいなあ。
「留太夫殿」「……」「……留っこ!」「あーうっ!」というやりとりも楽しい。もしかしたらここがこの噺で一番好きかも。

話が前後してしまったが、『堀の内』は「一席めの『粗忽長屋』の兄貴分が所帯を持った」という流れで話をつないでいた。寄席ならば絶対にできない話のつなぎ方ではあるが、こういうちょっとしたつながりがあると落語の世界がもっと広がってくるように感じる。大げさかな。
けど「世界がつながってる」と感じるとなんか嬉しいというか楽しくなる。『銀河鉄道999』にキャプテン・ハーロックやクイーン・エメラルダスが出てくるような感じ。そういや漫画の世界では手塚治虫が同じキャラが複数の作品に出てくる「スターシステム」を採っていたが、落語はその前からスターシステムだったんだなあ。
タグ:三遊亭遊馬
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