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入船亭小辰の会「聴きたいっ!!」第9回 [落語]

入船亭小辰の会「聴きたいっ!!」第9回
於:新宿三丁目 道楽亭Ryu's Bar

入船亭小辰『千早振る』
柳家小んぶ『安兵衛狐』
入船亭小辰 柳家小んぶ トーク
入船亭小辰『青菜』

仕事がやってもやっても終わらない。
こりゃあいよいよヤバいなあ。さあどうすっぺか。
とはいえ土日両日出るわけにもいかないので今日は休み。
当日でもネットから予約できるのがありがたい。

小辰さんの一席め、上の師匠方の楽屋話などを。
人の悪口が多くなりがちな楽屋の中で、大師匠の扇橋師は絶対にその輪には加わらなかったという。
そのかわり下ネタばかりを話し、あるとき女性の立前座が高座返しをして戻ってきたところにボソッと「大○唇」「え?」「大陰○」といって高座に上ったとか。すげえな今だったらセクハラで大変なことになりそう……いや落語の世界なら大丈夫なのか?
そのほかにも食べ物に苦労した世代だからか食べ物にこだわることがあり、「ポークジンジャーって知ってるか?」「生姜焼きですか?」「いや違う、ポークジンジャー」「いやポークジンジャーはないですね」「そうか。ポークジンジャー。ポークジンジャー……」と着替えてる最中も袖でも高座を降りてからもずっと「ポークジンジャー」と言い続けていたとか。その日ポークジンジャーを食べにいったかまでは知らないそうだ。
そういうのは罪がなくていいという。
楽屋での話は悪口も多いが自慢話も多く、普通の話だと思っていたらいつの間にか自慢話になっていることもあるそうで。「自慢話をする方にその話題について『知らない』と言いにくいのでつい知ってるふりをしてしまう」と知ったかぶりの噺に入っていく。
小辰さんの『千早振る』はまだ2回め。これだけ聴いてて、よくやりがちなネタなのに珍しい。
もうすっごいスタンダード。
ご隠居が口三味線で「チチンチチチン」とやってるときが右手と左手が離れすぎでギターっぽい。津軽三味線かもしれん。

小んぶさんは初めて。
小辰さんは「ゲストは出演は昨日オファーした。そういうと残り物のように聞こえるけど、ドラフト1位ですから」とのこと。シークレットゲスト扱いなので名前は出せず、「出てきたら『おおっ』と言ってください、それでやる気が違いますから」とのことだったが、ごめん、初めてなので顔がわからずなにも反応できませんでした。非常に大柄でTKOの木下とかカミナリのまなぶみたいなややいかつめの風貌。
「さっき小辰さんが『ドラフト1位』といっていましたけど、1位じゃないの知ってるんですよ。さっきまで花いちさんと蓮田の落語会に行ってたんですけど、『今日は小辰さんの会に行くから先に上がらせてほしい』っていったら『新宿の会? 昨日連絡がきたけど間に合わないと思ったから断った』って……」。あらー。さあ小辰さんどうする。「まあいいんですよ、イチローだってドラフト1位じゃなかったんですから。……なにいってるか自分でもわからなくなってきましたけど」。
噺は珍しい『安兵衛狐』。高座では馬石師でしか聴いたことがない。小んぶさんも馬石師に教わったらしい。
変わり者のふたりが片方は幽霊、片方が狐を嫁にするという噺で、大柄でややコワモテの小んぶさんが幽霊をやっても全然怖さがない。狐の嫁も語尾に「コン」がついて本当は吉岡里帆のどん兵衛狐みたいにかわいいんだろうと頭に思い浮かぶんだけど、目の前にいるのはコワモテ。でもってそのギャップがなんかやたらとおかしい。

仲入り後にふたりでトーク。
ドラ1でなかったことに対する小辰さんの弁明と、「花いち兄さんも言わなくていいのに」というもっともなひと言。誰も得しないもんなあ。
たまに主催者でも出演交渉のときに「本当は○○さんがよかったんだけど」とかいう人もいるらしい。
先ほどの小辰さんのマクラもあってか、お互いの一門の師匠や考え方の違いなどを。
さん喬師は寄席の浅い出番でも短く端折った『そば清』を掛けることがあり、それを見た小んぶさんが二ツ目になりたての頃に前座の次の出番でやったら鈴本の社長に「あれは金原亭の大事なネタなんだ!」と怒鳴られたエピソードが面白かった。
何も決めないフリートークで盛り上がるも、小辰さんの二席めの時間がなくなりそうになって切り上げる。

小辰さんの二席め、今シーズン初の『青菜』。小辰さんで聴くのも初めてだなあ。夏の間は結構いろんな人のを聴くが。
植木屋夫婦の馴れ初めが動物園のカバの前、というのは誰で聴いたんだっけ……。ヤイヤイ言いながらもなんだかんだで仲良しのふたりが微笑ましい。

足立区は明日選挙。明日は休日出勤なので期日前投票しとこうかと思っていたのだが、買い物などをしていたら超ギリギリの時間になってしまった。
慌てて投票整理券を持って投票所に向かうも、2分ほど間に合わず。くっそ買い物したときに俺の前に並んで同一商品を大量に買い込んでたあいつらのせいだと八つ当たりをしてみるも、よく見たら手に持っていたのは自動車税の支払い証明書だった。どっちにしろダメだったんじゃん。
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遊馬百席 第119回 [落語]

遊馬百席 第119回
於:板橋 みやこ鮨

三遊亭遊馬『四段目』『大山詣り』『お見立て』

なんかまだ涼しい。今年はなかなか暑くならないなあ。バイクだとちょっと肌寒い。
今日は結構な人の入り。ギッシリ入っている。
6月の国立の独演会のチケットも購入する。……行けるかなあ。まあ夜だし。

一席めの『四段目』がネタおろしかな。
定吉を攻め立てる旦那がそれでもなおなんか優しい。
これは遊馬師のキャラなんだろうなあ。
蔵に閉じ込められた定吉が芝居の真似事を始めるのは判官切腹の場面からが多いが、遊馬師はその前の石堂右馬之丞と薬師寺次郎左衛門と塩冶判官の場面から。ちょっと珍しい。

『大山詣り』はやはり時期が近づいてきたからか。
腹を立てたら二分、暴れたら坊主という決めしきを先達さんが提案したときに自分のためのルールだと気づかずに周りに居丈高に「お前らいいよな?」と聞いて回る熊の様子が面白い。

『お見立て』は杢兵衛お大尽の朴訥なキャラがいい。
杢兵衛お大尽にはまったく落ち度がないのに、この扱いは気の毒だねえ。
損な役回りを鰻重と肝吸い、肝焼きだけで引き受ける喜助もおかしい。

終演後、先日の大日本橋亭でのことも話す。ジェスチャーゲームでの遊馬師への投票が少なかったことも「アウェーみたいなもんだから」と大笑い。「嬉しかった」と言ってもらえて投票した甲斐があった。来年の開催も決まったそうだ。やったね。
タグ:三遊亭遊馬
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この人を聞きたい(第百九回) 生志・兼好二人会 [落語]

この人を聞きたい(第百九回) 生志・兼好二人会
於:清澄白河 中村学園フェニックスホール

三遊亭じゃんけん『真田小僧』
三遊亭兼好『まんじゅう怖い』
立川生志『幇間腹』
立川生志『ぞろぞろ』
三遊亭兼好『一分茶番』

今日3つめの会。今月ちょっと落語行き過ぎな気もしないでもない。金使いすぎだなあ。まあ先月先々月とあまり行ってなかったからその分かな。

じゃんけんさん、ややバタついた感じか。この噺は前座から真打まで広くやられるが、面白く感じる間やタイミングは結構シビアで難しそうだなあ。

兼好師の一席め、生志師とじゃんけんさんは大学が同じで落研なのも同じなので、前座に使ってもらうなどかわいがってもらってるとのこと。そう遠くないうちに二ツ目に昇進するので、その時の名前として「じゃんけん」の「じゃん」と「生志」の「志」で「じゃん志」はどうだ、といったら却下されたという。そもそも「兼」が入ってないじゃないかと言われたとのこと。正論。だったら「生兼」、カタカナで「ショーケン」の方がいいと言われたという。「生意気に。でも確かにあの顔を横に引っ張ったらそれっぽいかもしれない」。
噺に入り、蛇嫌いの松公が飛び込んできて蛇に声をかけられたという話をするのだが、その「おいコラまて松公」という呼びかけとその声に対する松公の表情がなぜかやたらとおかしい。なんだろあれ。
アリが怖いという男が、理由として「顔と顔を突き合わせてなんか話してるんだよ。あれはきっと『アニキの酒を盗んだのは俺です』って話してるんだ」とどさくさに紛れて告白しているのが面白い。

生志師の一席め、マクラをたっぷりと振る。
生志師の『まんじゅう怖い』は家元から直に教わったそうなのだが、「サゲの『熱いお茶が怖い』は普通にやったんじゃ面白くない。こうやるんだ」と教わったのが『おそ松くん』のイヤミの「シェー」のようなポーズと声で「オチャガコワイッ!」。「こんなのできませんよ、今は説明したからそこそこ笑いが出ましたけど、それまで普通にやっていたのにサゲだけそれって気が触れたと思われる。でも教わったんだからその形でやらなきゃならない。だから1回か2回しかやったことがない」そうだ。
今日は喬太郎師や三三師、扇辰師などと「小さん孫弟子の会」に出ていたのだが、他が全員落語協会でひとりだけ立川流だったとのこと。なんだか家族で集まっているときに自分だけ愛人の子として混ざっているような気になったそうな。なんとなくわかるような。
そこから家元やそれらにまつわるエピソードがどんどん出てくる。
家元の直弟子はマクラでモノマネしながらエピソードを語らなければならないという決まりでもあるのだろうか。まあ生志師は本まで出したくらいだから愛憎いろいろあるのだろうが。
マクラで時間を使い過ぎたからか、噺の方は割とあっさりめに。若旦那の非人道ぶりがややライトか。
普通のサゲ「いいえ、皮が破れて鳴りませんでした」で拍手が起き、じゃんけんさんも仲入りの太鼓を叩いて幕が閉まりかかったのだが、その続きがあった。
まあ確かにわかりやすくなっているし若旦那の非道ぶりがよりパワーアップされている。本編でライトになっていたのはその布石かと思うくらい。けどみんなが認識しているオチをスルーしてまで無理に付け足さなくてもいいような。

生志師の二席め、「一席めで余計なこと喋りすぎました。マクラの間中ずーっと『アイツいつ噺に入るんだ』と時計見てる人がいるんですよ。そういうのを見ると余計長く話したくなるんです。『十人寄れば気は十色と申しまして……』みたいなお決まりのマクラ嫌なんですよ。何かしら言いたいんです」とのこと。
と言いつつ出雲の国の神無月や三角関係のお決まりの導入から噺に入る。
わらじがぞろぞろ増えるのは茶店の老夫婦ではなく荒物屋の親娘。この形は馬るこ師で聴いたことがある。が、馬るこ師のは改作で、その後とんでもない下ネタになっていくのでまさかそのネタか? とも思ったがさすがにそれはなかった。

兼好師の二席め、「十人寄れば気は十色と申しまして……」と始めて笑いを取る。
噺は久しぶりに聴いたが大好きなネタ。
やっぱり兼好師の田舎者は最高。ネイティブの東北弁が入っているからか、私は特に聴き心地がいい。
権助の自由っぷりがなんともおかしい一席。
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第1回あゆむ寄席 入船亭小辰の会 [落語]

第1回あゆむ寄席 入船亭小辰の会
於:東長崎 リハビリセンターあゆむ

入船亭小辰『真田小僧』『松山鏡』『金明竹』

高円寺まで足を伸ばしていつものようにタイカレーを食した後、バイクで東長崎まで移動。電車だと2回乗り換えないとならないが、直線距離だと近くて20分かからない。
以前住んでいたところにほど近く、久しぶりに前に住んでいたアパートの前などを通ってみる。懐かしいようなさほどでもないような。

駅近のリハビリセンターを会場にした落語会で、やはり客の大半はそこの利用者。なので平均年齢は結構高め。おそらくそこの職員の方がスタッフとして働いており、会場に入った後でなぜか腰の手を添えられて中へ導かれる。たぶんいつもの仕事の習慣なんだろうけど俺は大丈夫です。そういや3年くらい前に入院して一時期リハビリに行ってたときはこんな感じだったな。

一席め、まずは鉄板の『真田小僧』。
こまっしゃくれた金坊に振り回されるおとっつぁんの狼狽ぶりがおかしい。
なんかちょっとクドくなった?

二席めはサラリと。
ヤキモチを妬く女房のおみつがかわいらしい。

三席め、『骨皮』の部分からたっぷり。
二階に水を撒いた松公の後片付けを旦那がしているのが面白い。
上方弁の男が「丁稚どんか?」「ほならボンチか」と何を聞いても「松公!」「ま・つ・こ・う!」としか答えないのがおかしい。

やはり周りはあまり普段から落語を聴いている人たちではなさそうだったが、口々に「面白かったねえ」と言われていたので何より。
タグ:入船亭小辰
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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年5月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年5月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『寄合酒』
三遊亭兼太郎『紀州』
三遊亭兼好『しの字嫌い』
三遊亭兼好『大山詣り』

連休明けに早速落語。
この会は開演前に主催者の挨拶というか宣伝が入るのだが、いつまで経っても棒読みで素人っぽい。それはいいのだが、たまに途中でなぜか「ンフッ」とか笑い声が入る。大入り続きで笑いが止まらないのか。

しゅりけんさん、開口一番「おはようございます!」。落語じゃあまり聞かない挨拶。
若い衆たちが仲よさそう。

兼太郎さん、開演前の影ナレが笑ったのは兼太郎さんと目が合ったかららしい。「兼太さん、『兼太郎さんと目が合って』ってサイアクですよ。……というか今噛んだのがサイアクですよ」。惜しかった。
得意ネタをしゅりけんさんに封じられ、私は久しぶりに新しいネタが聴けた。
尾州公の高笑いがなぜかおかしい。

兼好師の一席め、久しぶりに聴くネタ。他の人でも聴かないな。
彦にゃんがリストラにあった話から「今は大変ですね、パワハラやらセクハラやら散々やられてきて、いざ自分がやろうとしたらリストラされますから。ちょっと前は終身雇用があってある程度守られていたんですが。もっと昔になると『奉公人』と呼ばれてて対等の立場になどなれなかった」と噺に入る。
最初は旦那に楯突く清蔵にちょっとイラつくのだが、だんだん旦那の器の小ささにどんどん面白くなっていく。
清蔵に言い負かされ慣れてきた旦那が「参りました」と言い慣れていくのがおかしい。
「し」を言わないと決めた後にお互い探り探りで話しあっている様子と表情が楽しい。

二席め、新しい天皇陛下は山登りが趣味だそうだが、さすがにもう登山は無理だろうという。「万一遭難したら」という妄想がまたおかしい。
そこからお山の噺へ。そろそろ『大山詣り』のシーズンですな。
坊主にされた熊がおかみさん連中を騙し、「熊さんアタシを坊さんにして」と言われたときのニヤッとした顔がホントに悪そう。兼好師は表情の使い方とタイミングが本当に上手いと思う。
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春のらくご長屋 天どんイッツショータイム [落語]

春のらくご長屋 天どんイッツショータイム
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭天どん『自慢探偵』『老後が心配』『特別研修』『茶の湯』

本日最後ー! さすがに尻が痛い。
……なんかこれまでの会と雰囲気が違うというか。
チケット買ったときも主催者が「この会のチケット売れてなくて大変なんだよー」と笑っていた。……整理番号3番て。カンフェティではもう少し売れているらしいが。
まあ大型連休最終日の午後8時開演てそら普通こないよ。
実は私も一度予約してチケット受け取った後に思い直して他の会のチケットに替えてもらったのだが、今日やはり再度思い直してもう一度チケットを購入した。そしたら替えてもらう前と同じ整理番号のチケットだった。
つか主催者もこれまでの会と扱い違くない!? たとえば他の会では必ず開演前に賛助会員の話とかしてたのにこの会ではしないとか。にゃろう天どんファンは賛助会員にならないとハナから決めてやがんな。
天どん師もそんな空気を感じたのか、「いやーもうね、来てくれただけで感謝ですよ」と珍しく殊勝な感じ。「……もうちょっと前にきてほしかったですけどねー」と客いじりをするのはいつもどおりか。
というか前座のごはんつぶさんもいないの?

「なんかこんな感じなんで、いつもはできないネタをやります」と実験的というか、まあぶっちゃけて言っちゃうとヘンなネタ祭り。
一席めは現在浅草演芸ホールの寄席に顔付けされているのだが、ここで受けた仕打ちについてひとぼやき。
「とはいえ芸人仲間ではこれも自慢と取られることがある」と一席めに。
天どん師得意の「ヘンな人におかしなことで絡まれる」パターン。何かを話そうとすると自慢探偵に「それは自慢だー!」と絡まれて卑下する言い方に直されるというもの。
そのうち自慢探偵は客席までに触手を伸ばし、「あなたどこに住んでますか?」とか「連休何してましたか?」とか「今日何でここまできましたか?」と次々に聞いていき、客が何を答えても「自慢だー!」とさまざまな理由をつけて難癖をつけられるという。
一席めが終わって一度袖に下がるも受囃子がなく「誰もいない……」。二ツ目の小辰さんと同じ扱い……!?

二席めは「今日浅草演芸ホールでやってきて微妙な空気になった噺をやります」。
二ツ目時代に一度聴いたな。
子どもが見ず知らずの爺さんに向かって「老後が心配だー」と駄々をこねる噺。高座の上で転げ回って着物をはだけさせるという、これまたまあ飛び遠具的なネタですな。高座が舞台より少し高くなってる山台になっており、「浅草より狭い。あぶねっ」と落ちそうになる。一回「……やってみっか」と落ちていた。
ここで仲入りに入ったが、開始後まだ30分しか経ってない……早くね?

「じゃあ今日は四席やります」とのこと。お得(?)。
三席め、クレーマーへの対応をOJT研修で学ぶ噺。一席めと同様に客席巻き込む。「あなたの悩みはなんですか?」と聞き出し、それに対して即興で答えるのだが、結構みんな「ないです」とつれない。私も聞かれたので「同居中の彼女が帰ってこない」と言ってみたら「……家が広く使えていい」という答えが返ってきた。まあ実際のとこそんな深刻な話でもないしね。

四席め、前の会からきている人にリクエストを聞き、その四席中三席持っていないので消去法でこの噺になったそうな。なんだーさっき俺も見かけて「あ、天どんさんだ」と思ったんだけど、なんか目が合わなかったから挨拶しなかったんだよなあ。あのとき話しかけてたらネタリクエストできたのかな。天どん師の『粗忽の使者』とか聴いてみたいけど持ってるのかしら。
面白いんだけどちょっと聴き取りづらかったような。天どん師も疲れてたのか。

さすがに一日4公演、十六席は初めて。疲れた……。
しかし今年のGWはいろんな人の会行けたなー。
兼好、遊馬、一之輔、扇辰、天どん、萬橘、小辰、一蔵、宮治(敬称略)と私が主に追っかけてるこのブログによく出てくる人は全員聴けたし、そのほかにも一朝師や遊雀師、三三師や小太郎さんなどそこまで追いかけてられてないけど好きな人も聴けてよかったよかった。

さて明日っからまた仕事かー! まあちょいちょい休出してたので、思ったほど絶望感はないかな……。
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春のらくご長屋 一朝・兼好二人会 [落語]

春のらくご長屋 一朝・兼好二人会
於:中野 なかの芸能小劇場

春風亭朝七『魚根問』
春風亭一朝『たがや』
三遊亭兼好『崇徳院』
三遊亭兼好『大安売り』
春風亭一朝『宿屋の富』

扇辰師の会のそのまま次に。

朝七さん、これも達者。
『やかん』の言い立ても楽しみだったが前半でおしまい。

一朝師は今年初の『たがや』、一蔵さんのはやっぱり一朝師のを忠実に完コピしてるんだなあ。
とはいえさすがはオリジナル、流麗さや流れの美しさなどはやはり差がある。当たり前すぎることなのだが、どうしても比較してしまう。

兼好師の一席め、やはり大型連休明けの五月病について言及する。
「頭のいい人は連休最後に落語にくる。中途半端に頭のいい人は歌舞伎とかクラシックとか。でも落語の中でもこの会にきた人は頭がいい。そうでもない人は新作の会に行きます。あ、精神科の先生によると○鳥師匠の落語で爆笑する人はビョーキなんだそうです」といろんな方面に毒を吐く。
「病気にもいろいろありまして……」と恋わずらいの噺に。
八っつぁんのおしゃべりが若旦那大旦那の癇に障って「お前の話はいつもは面白いけど今日はムカつく」と親子揃って言われてしまうのがおかしい。
そういや先日も『崇徳院』聴いたけど、あのときはやっぱり「相手のお嬢さんのところも名前もわからない」ってくだり抜けてたな……。

二席め、関取の「親方や」「ご贔屓衆の」の仕草がおかしい一席。これはやっぱり言葉では伝えられない。
一席めでも思ったが、兼好師の面白さは語り口ももちろんだが、キビキビとしたメリハリのある仕草も大きいと思う。

一朝師の二席め、江戸の若い衆たちのわいわいやっている姿が目に見えるよう。爽やかな語り口が心地いい。
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春のらくご長屋 扇辰春の独演会 [落語]

春のらくご長屋 扇辰春の独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

春風亭朝七『真田小僧』
入船亭扇辰『権兵衛狸』
入船亭扇辰『お血脈』
入船亭扇辰『田能久』

小辰さんの会が終わり、3時間以上の間がある。
一度家に帰るとなると往復してメシを食うだけなのでバカバカしい。
ちょっと間が空くが、食事して公園やマックで時間を潰す。

朝七さん、前に聴いたときにも驚いたがまた上手くなっている。『真田小僧』は二ツ目真打もよく演る演目だが、二ツ目でもなかなかここまでの間や言い回しをできる人は少ないのではないか。
パッと見は菊之丞師のような雰囲気もあるし、今後売れるかもなあ。

扇辰師の一席め、やはり世間は10連休だが自分はもっと長い連休があった、とのこと。「酒ばっかり呑んでました。あのときもっと稽古してりゃあなあ」とのこと。
また、やはり今日のなかの芸能小劇場の5回転に触れ、「小辰も朝からやってるんだよ。一番惰眠を貪れるときなのに、そんなに金が欲しいのか」とひとくさし。
「まああそこは子どもがいるからな。誰にも言ってないんだけど、産まれる前に性別もわかってたからなんとなく名前を考えてた。小辰の本名が○○だから、回文になる名前。もちろん冗談ですよ。で、子どもが産まれた挨拶にきたときにその話をしたら尋常じゃない驚き方をしてたからどうしたって聞いたら『同じこと考えてました』って」。どうやら本当に小辰さんの子は回文の名前らしい。扇辰師と小辰さんは血の繋がってない親子なのにすごいね。
扇子をパチパチさせながら「……噺が決まらない……どうしましょうかね……前半二席やろうか」と嬉しい提案。
『権兵衛狸』はほとんど聴いたことがなく、扇辰師では初。田舎ののどかな風景が目の前に広がるように感じる。

『お血脈』は『善光寺由来』から。
地獄で五右衛門が呼び出されるときに歌を歌っており、歌本の「ヒットソング」のページから『東京ホテトル音頭』を歌い上げるのがおかしい。
扇辰師のクサさがハマる一席。

『田能久』もまた大袈裟なまでのクサさが面白い。
今日は三席とも小品ながらも扇辰師の魅力が感じられるものだった。
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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『高砂や』『転宅』『井戸の茶碗』

連休最終日。嗚呼。
今日は朝から晩までなかの芸能小劇場で落語耐久レース予定。なので多分感想などは簡素になると思います。明日から会社なので。

さて一席め、世間は10連休最終日だと騒いでいるが、最長36連休の自分からしたら大したことないと話す。「仕事に行きたくないと落ち込むそうですけど、仕事行きたいのに行けないってのはどうすればいいんですかね」。それはそれで辛いのかもしれないけど。
そんな中で結婚式の司会は重要な収入源であるとこれまでにあった結婚式の話をマクラに。
そこから『高砂や』に入っていく。
ご隠居の家で稽古をしているときに、近所のおかみさんたちが豆腐屋と間違えて列をなしているのがおかしい。

二席め、一席めが終わって袖に引っ込んだときに受囃子が終わって無音の状態がしばらく続く。ん、まだ仲入りじゃないよなと思い始めた頃に二席めの出囃子が流れる。どうやらCDチェンジの間だったようで。
小辰さんが前座時代に末廣亭のトリで小三治師が『かんしゃく』の途中に「おお、山田くん……ちょっと待って」と小用のために高座を降りてきたことを思い出したという。「袖から客席がちょっと見えるんですが、二階席までびっしり入ったお客さんがどうすればいいのかわからずにみんなでシーンと黙って待ってるのは異様でした」。そうだろうねえ。
お菊に騙されて夫婦約束をした泥棒が高砂やを謳うのがおかしい。

三席め、ここでも高木作左衛門が嫁取りを決意したときに屑屋の清兵衛が高砂やを寿ぐ。
小辰さんの井戸茶は扇辰師からのものなのかな。
先日聴いた扇辰師のものとそっくりだった。
タグ:入船亭小辰
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柳家小太郎・春風亭一蔵二人会 "あラやしき" [落語]

柳家小太郎・春風亭一蔵二人会 "あラやしき"
於:連雀亭

柳家小太郎 春風亭一蔵 オープニングトーク
柳家小太郎『四人癖』
春風亭一蔵『棒鱈』
春風亭一蔵『反対俥』
柳家小太郎『心眼』


日暮里からの帰り、なんの気なく三ノ輪のアーケードに立ち寄ってみたところ、アーケードにゆる鉄写真家の中井精也氏のギャラリー、ゆる鉄画廊があった。
へーこんなのあるんだーと思ってひょいと中を覗いてみたところ、ご本人がいらっしゃった。何枚かポストカードを購入すると、サインをしてくれた。この方家が実家と近いんだよなーと思って聞いてみたらほぼ隣町だった。近っ。

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RICOH GR II

さて久しぶりのあラやしき。以前は土日にやってたのに最近は平日なんだよなー。隔月開催なのでしばらく行ってないうちにすでに50回くらいになってるようで。本人たちも正確な回数がわからなくなってるっぽい。
会場に入ると一蔵さんがお出迎え。「お代は仲入りに頂戴しまーす」。? そんなシステムだったっけ?
そしてオープニングトークとかあったっけ? と思っていたら、チラシには18時半開演と書いてあるのに、かわら版やWebには18時開演と書いてあるそうで。18時半にくるお客もいるだろうから、とそれまではトークでつなごうということらしい。
ノープランでのトークで、市弥さんのお父さんの話など。曰く、百栄師にそっくりなのだそうで「DNAの不思議」だとか。

小太郎さんの一席め、二人会はABBA形式でやるのだが、Aの演者は大変なのだという。それに対してBはすでに会場を温まっており、三席めでどんなにとっ散らかってもトリがなんとか最後を締めてくれると思えば好きなようにできるそうで。一席め、四席めの労力を100とするなら、二席め三席めの労力は1か2だという。ホントー?
「だからBの人はのびのびできるんです。……だから私がBのときに聴きにきてください」とのこと。
『四人癖』は珍しい噺でこれまで一回しか聴いたことがない。
それぞれ4人の癖が大げさで仕草が大きく、それだけでも面白い。

一蔵さんの一席め、「小太郎兄さんの言い訳すごいですね。普通あんなこといいます!?」とばっさり。
田舎侍の唄は重々しくなっており、その分内容とのギャップが大きくなって面白い。
怒る田舎侍を投げキッスでなだめるのは一蔵さんのオリジナルなのかな。

二席めの『反対俥』はこないだネタおろししたものだという。行けなかった先月の一蔵ひとりの会かな。
そこでは動きすぎて毛氈がどんどんズレてしまい、最前列のお客に押さえてもらいながらの熱演だったという。
ひとりめの俥屋はあっさりめで、やはりふたりめがメイン。
「いくぞー! 108kgの『反対俥』ー! きたよー! 土管ー!」と気合もろとも飛び上がる。顔を真っ赤にしながら、息を切らして5回ジャンプ。かなりキツそう。
マクラでジム通いのことを話していたのはこのネタの仕込みだったようだ。

小太郎さんの二席め、『心眼』もこれまで扇辰小辰師弟しか聴いたことがなかった。
小太郎さんはホントどんな噺やってもうまくこなすなー。
キャラもあるのか、目が開いた後の梅喜の浅ましい感じがライトな感じ。

結局は木戸銭は帰るときに払うという『真田小僧』で金坊に否定されたスタイル。一蔵さんに「膝大丈夫?」ときくと「膝ヤバい」との回答。だろうねー。無理のなきよう。
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