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人形町噺し問屋 その112 [落語]

人形町噺し問屋 その112
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭げんき『酒の粕』
三遊亭けろよん『権兵衛狸』
三遊亭兼好『七段目』
林家あずみ 三味線漫談
三遊亭兼好『ねずみ』

まずはご挨拶。
「毎年この時期は落語教育委員会で九州を巡る。……歌武蔵師匠がいるんで『九州巡業』とか『九州場所』ともいうんですが、もうあのお二方ですから。とにかく暑苦しい。それに二ツ目さんにお手伝いを頼むんですが、今年はやなぎさん。彼も横幅があって……。で、私はその後で佐世保で二人会があったんですがその相手が白酒アニさん。『デブ難去ってまたデブ難』ですよ」とすげえパワーワードが出てくる。
「熊本に泊まったときにご飯を食べたお店の正面に血管年齢を測れるという枕屋があってみんなで測ったんです。やなぎさん喬太郎師匠はほぼ年齢どおりで、歌武蔵師匠は今年57歳なのに血管年齢45歳って出た。『新婚だからですかねえ』なんて言いながら私が測ってみたら私54歳なのに67歳って出た。その瞬間喬太郎師匠と歌武蔵師匠が『うぇーい、67歳〜☆』って走り回ってるの。子どもですよ」。
「長旅になるんで、毎年1回は洗濯しなきゃならないんですけど、いつもホテルの洗濯機が他の客と取り合いになる。今年は1つだけ空いてたんで急いでお金入れて洗剤入れてボタンをピッと押した。……洗濯物を持ったまま。あらーと思っても一時停止もできないしフタも開かない。ホテルの人にもどうにもできないと言われ、もう呆然と何も入ってないのに回る洗濯機を眺めてるしかできないんです。そこに喬太郎師匠がやってきて、どうしたのと聞かれたんで説明したら、『……汚れた心を洗濯してるんだね』って……。ハラ立ちますよねえ」。
「電車で移動するんですが、時間が何時になるかわからないんでいつも特急券は当日買うんです。上の師匠方にやらせるわけにはいかないんで、いつも私が買いに行くんですが、今回は窓口が空いていて時間が余った。じゃあ朝食を摂ろうと駅構内のお店に入ったら、注文がタッチパネルの店で……。私こういうの弱いんで、お店の女性にやってもらって、ご飯食べて、そのまま出て行った。で、お土産なんか見ながらおふたりを待ってたら、若い女性とおじさんの二人組がすごい勢いでやってきて、『この人で間違いない』とか言ってるんです。それで紙を出してきたから『サインかな?』なんて思っていたら、『朝食のお支払いがまだです』。私、初めて食い逃げをしました」。oh…。
「ふたりに連行されるようにお店に戻って、平謝りでお金を払って。何も言わなきゃいいのに、周りの視線に耐えられなくて『着物で食い逃げしないでしょー!?』なんて言っちゃったりして。逃げるようにして集合場所に行って、ふたりにその話をしたら、『うぇーい食い逃げ〜♪』ってまた走り回ってた」。おふたりの師匠の子どもっぽいのはともかく、兼好師匠がそんなにポンコツだったとは……。暑さ怖いね。

イメチェンげんきさん、さらに清潔感のある髪型に。こっちの方が前より全然いいよ。与太郎の酒の粕の小咄だけで降りる。

反対にけろよんさんは『のっぺらぼう』の小咄からたっぷりめに。そろそろ二ツ目の声が掛かる頃だっけか。

兼好師の一席め、「最近はいいことがあまりない……岸田さんが総裁選に出ないことくらいですかね。最近は政治家も二世三世ばかりで。歌舞伎の世界だと二世が先代の芸を超えるなんてことも珍しくありませんが、政治家でそういうことないでしょ。そういう意味でいうと政治家の二世って噺家的なんですよねえ。『おとっつぁんよりいい』なんてほとんどない」とまあ痛烈だがどうしようもない事実を叩きつける。
「最近は芝居の踊りを見てるとやっぱりいいですね。自分でもやってみたくなります。昔の娯楽が少ない時代はもっとそうだったんでしょう」と『七段目』へ。
大旦那が番頭に若旦那の悪行を説明する場面では、俥屋を巻き込んで芝居の真似事をするとこに加え、近所のお店の番頭さん相手に弁慶の真似事をして六方を踏んでいたことまでが加えられていた。ていうか大旦那もそれを再現してるというのがなんともおかしい。
定吉と七段目の真似事を始めると三味線が鳴り、「隣にあずみっていう師匠がいるんだ」「下座のお師匠さんを頼むのが面倒だったからついでにやってもらってるんですね」と身も蓋もないメタが楽しい。

あずみさん、実母とディズニーへ行ったときのエピソードを。笑い話にしようとしてるけど、完全に単なる迷惑行為でドン引き。笑えんよそれ。

兼好師の二席め、「夏ももう終わりなんでしょうが……。夏の終わりを感じるのはいろいろありますが、柳家で『青菜』を五席聴いたら夏の終わりでしょうね」。ありゃ俺今年は『青菜』を兼好師でしか聴いてないや。まあでも夏の『青菜』は前座の『子ほめ』『真田小僧』くらいのげんなり噺よね。「あーまたかー……」っていう。
「季節の移り変わりとして祭があり、東北では青森のねぶた、秋田の竿燈……」と繋いで仙台の七夕となり『ねずみ』に入る。
毎回書くことだが、やはり生駒屋の存在が大きい。ねずみや親子の辛気臭い身の上話をカラッとさせてくれる。……が、なんか今日はちょっと重い感じがした。なんでだろうなあ。
甚五郎に対しても「ウチは生駒屋なんで、馬を彫ってもらえないかと……」と頼める図太さが羨ましい。「えっ、もう彫ってある……!? 動いてる……!?」「それは乗ってきた馬です」というやりとりがおかしい。
生駒屋いいキャラだなあ。
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