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人形町噺し問屋 その97 [落語]

人形町噺し問屋 その97
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭けろよん『間抜け泥』
三遊亭兼好『宗論』
マキタスポーツ ギター漫談
三遊亭兼好『淀五郎』

昨日というか今日は3時までワールドカップの決勝戦を観、さらにその後に録画していたM-1を観る。だって最近はLINEとかのニュースアプリが速報で結果出しちゃうんだもんよ。朝起きてネタバレ2本はキツい。
だったらブログ書きがてら夜更かしして速報出る前に自分の目で見たらあ! と4時過ぎまで無理して起きる。眠くて仕方ないはずなのに布団に入ると何故かなかなか寝つかれず。結局今日は3時間くらいしか寝てないんじゃなかろうか。
しかしウエストランドは面白かった。兼好師が好きなことからもわかると思うけど、ああいう毒のある笑いは大好きです。さや香も面白かった。あとオズワルドみたいなサイコパス系も好き。

さて今年最後の噺し問屋。
ご挨拶ではまず三菱や電通の悪口を。
「三菱はなにか不祥事が起こるとまず隠しちゃう。あれは体質なんでしょう。それに比べたら『自分の実力が足りないので勉強し直してまいります』と正直に話して降板した三平兄貴の方がよっぽど正直ですよ。まあああいっておいて勉強していませんけど……。三菱も見習って『三平電気』って名前を変えたらいいんじゃないんですか」。……それは売れないでしょうねえ……。
「でも最近はなにかあるとすぐネットにアップして炎上させるのあるでしょう。あれはどうかと思いますよ。みんなカメラマンになっちゃって、国民全員が特高警察みたい。嫌ですねえ。こないだ可愛そうだなと思ったのが長崎の49歳の県会議員が酔った勢いで電車の吊り革で懸垂したのをアップされて謝罪会見までさせられてた。……コレ謝罪いります? 謝罪されたところでなにも思わないでしょ。アップした人はなにが目的なんでしょうね。……そもそも私もそうですけど、あの年代って急激に身体の衰えが自覚されて、その反動で筋トレとか始めるんですよ。だからあれくらいいいんじゃないですかねえ」。確かに私も衰えがね……。
「今年はコンプライアンスだとかパワハラだセクハラだといろいろ入ってきましたね。これまでは落語って『ちょんまげの世界の話でしょ!?』って治外法権的な感じだったんですよ。でも最近はダメですね。噺の中で『女は俺の言うことを聞いて俺の用だけやってりゃいいんだ』なんてセリフがあるとさーっと潮を引くようにお客さんが引くのがわかる。最近じゃ学校寄席で『饅頭こわい』がダメなんですって。『怖がってる人にムリヤリなにかするのはイジメに繋がる』って。そうすると『お前なにが怖いんだ』『うん、饅頭』『そうか、じゃあ横になってなよ』『……あのー』『どうした?』『いや、ああ言っておけば饅頭もらえるかなって思って』『なら本当はなにが怖い』『渋いお茶が』……これ面白いですか?」。逆に「コンプラ落語」みたいな感じでオムニバス形式でいくつかまとまっていたら面白いかも。
「こういう感じですからパワハラもね……。そもそも断ったのを無理に弟子入り志願したんだろと勘違いする人もいますから。どうでしょう、新しく弟子入り志願者が来たら『俺面倒見てもいいよ』っていう師匠がドラフトを行うってのは」。弟子を積極的に受け入れる師匠いるかなあ……。
圓生圓楽襲名問題にも触れるが、この問題の根は深そう。ファンからしたら単純に「人気実力ともに兼好師しかいないんだからちゃっちゃと圓生継いじゃえばいいのに。圓楽は先代の弟子の王楽師が継げばいいのに」なんて無責任に考えてるだけだけど。

さて一席め、先日小燕枝師と久しぶりに会ったと触れる。ご両親と面識もあるらしく、「子どもが噺家になりたいなんて言い出すと親は大変。二ツ目になりたての頃なんかは会のお客さんの大半が親の知り合いとかですから。……私も地元で会をやると、いまだに400人の会場で100人は私のことを知りませんから。母親の知り合いばっかり。小燕枝くんもしばらくはお母さんが会場でアメ配ってたりしてましたからね。でもこないだ彦いち師匠とも話してたんですけど、噺家の母親ってのはみんな面白いんですよ。例外がない」。前にもそんなこと言ってたなー。「噺家の母親の座談会なんかやったら面白そうですよね。ほら母親って悪気なく人を傷つけるじゃないですか。だから誰かの母親がxx家のおかみさんに『アンタんとこの子はダメだね』って……」。xx家はお察しください。
「親と宗教観が異なると大変」と『宗論』に。
兼好師のはほぼ1年ぶり。いつもは若旦那の「我らの信ずるところの主イ……エースは」と毎回溜めに溜めるのだが今日は短め。その分やや淡白になるのだがその軽さもまた心地いい。

マキタスポーツ、高座で見るのは初めて。
俳優のイメージが強いが、こういう芸なのね。
『サザエさん』をマイナーコードに編曲し、ちょっと別の意味がでてくるとかすごく面白い。
んでもってこの人絶対長渕ファン、というかマニアだろ。長渕の『乾杯』とサザンの『いとしのエリー』を混ぜた『いとしのエリーに乾杯』とかさあ……。長渕ポーズとか「セイッ」とかファンじゃなきゃ伝わらないって。俺にはガンガン刺さったけどね!

兼好師の二席め、歌舞伎でも客席の市松模様の規制が解除されて盛り上がってきていると『淀五郎』に。
兼好師では初めて聴く。ネタおろしなのかも。
ネタおろし(またはそれに近い状態?)だからか、派手なくすぐりなどはなく、じっくりとスタンダードに。
中村仲蔵は技術的なことについては一切触れず、「殿様が腹を切るから家来が近寄るんだ、『名代になれて嬉しい』と喜んでいる淀五郎に誰が近寄るんだ」と了見を入れ替えろとこんこんと諭す。これは先日聴いた遊雀師と近い気がする。ただちょっと念を押し過ぎかな、とも思った。
ここ最近の噺し問屋は珍しい噺や滑稽噺以外も掛けるようになり、ネタおろしの場として使われるように戻ってきたのか。まあ兼好師自身が主催の会ももはやこの会くらいだし、そうなると必然的にそうなるか。うーわこらあ平日だから控えようとかそんなこと言ってる場合じゃないなあ。

帰りに会津坂下町の兼好米とりんごを購入。またそば打ちの会も開かれるらしい。
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