SSブログ

三遊亭白鳥・三遊亭兼好 二人会 [落語]

三遊亭白鳥・三遊亭兼好 二人会
於:渋谷 伝承ホール

三遊亭白鳥・三遊亭兼好 オープニングトーク
三遊亭兼好『熊の皮』
三遊亭白鳥『最後のフライト』
三遊亭白鳥『マキシム・ド・飲ん兵衛』
三遊亭兼好『河童の手』

池袋から渋谷へ。
普段渋谷にはほとんどこないし、きてもバイクが多いので新しくなった渋谷駅の中が全然わからない。新南口の方に出たかったのだが、いつの間にか宮益坂の方の出口に出てしまう。なんか方向感覚がつかめなくなるんだよな……。
幸い時間に余裕はあったので問題はないのだが、これ時間なかったら焦るよなあ。

さて白鳥師と兼好師という異色の組み合わせの二人会。前回の第1回めに兼好師に断りもなく白鳥師が「兼好が僕の噺を演ります!」と宣言し、今日の会が決まったという。
まずはオープニングトークで圓楽師が亡くなったことに触れ、ここ1~2年で六代目圓生の直系がほとんどいなくなってしまったことが話題となる。「鳳楽師匠は元気なの?」という問いに「元気は元気ですよ」と歯切れの悪い兼好師。
「そうなると、系図でいうとアナタが一番近いんですよ」と兼好師に指摘される白鳥師。
「でもマスコミ的には圓生よりも圓楽の方が上だと思ってるんだろ? 圓生って落語界で一番大きい名前なのに」。まあそんな感じですね。
そんな感じで誰が圓生を継ぐのか、というか兼好師と白鳥師で圓生圓朝を継ぐ算段を話す。
「でも俺は落語界のベートーヴェンになろうと思って」と突拍子もないことを言い出す白鳥師に兼好師も目をパチクリ。「なんかベートーヴェンも前は自分で弾いてたんだろ? そんで後から作曲した曲を他の人に演奏してもらってたって聞いて。だから俺も作曲家というか他の人にやってもらおうかと思って。だって最近『豚次』を一之輔や三三がやると満員御礼なのに、俺がやると客が入らないんだよ」だそう。まあ彼らの場合は古典派が新作をやるっていう珍しさがあるからなあ。今日もそうだけど。
一方の兼好師、「原稿とDVDが8月くらいに届いて、それで安心しちゃったんでしょうね。原稿は常に持ち歩いてるんですけど、全然読んでなかった。で、ようやく読んでみたらDVDとぜんぜん違うの。もう全然覚えられなくて。今もまだ覚えてない。だから今日の一席めはだいぶ上の空だと思います」だそう。

というわけで兼好師の一席め、「白鳥アニさんの噺には『本人以外がやったほうが面白い噺』と『本人じゃなきゃ面白くない噺』がある。今日のは後者。原稿読みながらあーしたらいいかな、こうしたらいいかなと全然まとまらない。……なので一席めは寝ててもできる噺を」と『熊の皮』に。
どうやら本当に上の空らしく、今までにないくらいちょいちょい間違えていた。もちろん噺が崩壊するような間違いではないけれど、兼好ニストの耳はごまかされませんよ。

白鳥師の一席め、……正直に言うとよくわからない噺。
ただ、用意してきたギャグがウケなかったりすると「今日の客はどういう客かわからない。味方かと思ったらすぐ敵になる」と頭を抱え、ウケるとすごく嬉しそうにしているのが面白い。

二席め、「もうこの噺は30年くらい前に作って、他の噺家が普通にやっているのでもうほぼ古典といっていいんじゃないか。自分自身ではほとんどやらなくなったけど、久しぶりにやります」と『マキシム・ド・飲ん兵衛』。
玉の輔師が披露目でほとんどこれなので最近は正直昼寝タイムになっているのだが、作者本人で聴くとやっぱりちょっと違う。だいぶ店主のおじいちゃんがヨイヨイ。

兼好師の二席め、「上る前は不安ばかりでしたが、もうここまで上がっちゃうと楽しくなるのね」と覚悟を決めた様子。
最初の一言めは「この噺は古典です。……だって原稿にそう書いてあるんだもの」。
舞台は江戸時代でいわゆる擬古典というような噺。
母親に甘やかされてきた若旦那、愛想を尽かした番頭が店を辞めようとしたときに「あの子は目利きの才能がある、三両で仕入れたものが百両で売れる」と母親が言い張り、ならば実際に仕入れをしてみなさい、というストーリー。
正直本当に古典っぽくてどこまでが白鳥師の原稿で、どこからが兼好師のアレンジかわからない。ただ随所に「原稿にはこんなシリアスな場面はなかった」とか「こういうことをすると古典的に締まる」とかいろんなメタ発言があって兼好師の工夫がうかがえる。
でもホントに古典ぽくまとまってるし、「掘り出し物です」と言われたらすんなり信じるかも。サゲも含蓄があってキレイに落ちるし。

次回もまた今日急遽決まったらしい。また平日だけど一応予約。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。