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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『孝行糖』『松山鏡』『蒟蒻問答』

久しぶりの中野。まあ2日前にゴッド長渕剛のライブで中野サンプラザにはきているんだけど。
雨なので電車で。コンビニに寄りたいのでブロードウェイではなく、中野通りの方から回ったら、建て替えのためか入口が封鎖されてる! あれこれどうすりゃいいんだ? しばしウロウロして駐輪場の管理人に尋ねてようやく入る。

小辰さんも「今日ちゃんと入れました? 私はいつも中野通りの方から来るんですが、今日は雨だったんでブロードウェイの方からきたんで助かった」と戸惑った様子。
「10時からの会で起きたのが8時半という……。昨日は市弥アニさんと昼の会があって、で、夜も地域寄席で一緒だったんですよ。市弥アニさんという人はギャンブルもやらない、女の人も特に、三道楽で酒だけが大好きって人で(「一蔵アニさんは全部大好き、私は全部うっすら好き」だそうな)、昼の会が終わってからずっと『呑みてーなー』っていってるんですよ。夜の会が終わって『焼肉行こうぜ』ってなって。一蔵アニさんがいれば多少歯止めが利くんですけど、私は下なんで。『行こうぜ』って言われれば『ハイ』っていうしかないんですよ。で、2軒めから覚えてない。途中一回アニさんが寝てるのを見て『寝てるな』って思ったのは覚えてます。でも家には帰れたんですね。それで家のちゃぶ台に赤のマジックで書いたんです。倅にも読めるようにひらがなで『とうちゃんは8じはんにでる』って。朝、倅が降ってきました。カミさんが投げたんだと思いますけど……。『父ちゃん8時半だよ』って。出る時間に起こすな! 慌てて支度して。いつもなら多少事前に演目を考えてるんだけど何の準備もしてないから電車の中で何を演るか小辰会議が始まるんです。じゃあ今日はあのネタとこのネタと、あとは流れでもう一席で、ヨシ! と考えがまとまった。ギリギリで楽屋に着いてネタ帳を見て愕然としました。決めた二席を前回やってるの。『尼狐』と『百川』。前回だけなぜか自分でメモしてなくて……。真打昇進前、一番困ってます。だからね、先に言っときます。今日はヒドいよ!」。
「さらに慌ててたもんだから足袋を忘れてきて……。私はいつも足早に高座に上がるんだけど今日は特に。お気づきになりました?」。言われなきゃ気づかなかったのに。「今日は靴下が白黒のストライプなんで、裏返したら白になるかなと思ったら裏も白黒だった。そしたら(オフィス10の)お嬢がやってきて『あらいいですね、上が縞で下がストライプ』だって」。
本日の苦境をつらつらと述べたところで「さ、なにをやりましょうか」と唐突に噺の方へ。
昔はいろいろなものを売り歩いていた、と売り声の話に。鰯売りと金魚売り、さつまいも売りとお決まりのマクラの後で「えーとこの後のマクラなんだっけ」と苦戦してる様子。ホント用意できてなかったんだな。
小辰さんの『孝行糖』は初。「璃寛糖に芝翫糖」の売り口上にもやや危なっかしいところはあったものの、勢いで突破した感がなきにしもあらず。ただその勢いで押す感じも悪くない。「やぶれかぶれになれば何でもできる」というのは二席めのマクラにて。
この噺は昨日亡くなった金翁師に教わったそうで、売り声のテープを聞かせてもらったそうだ。
「飴屋もどんな格好してたんですかね」と聞いたところ、「なんだしょうがねえな」とイラストを描いてくれたそうで。「ただなぜか顔がやたら大きくて。二頭身なんですよ。『ホラわかるだろ!?』って言われて、『あ、ええ』としかいえなかった……」とのこと。

親孝行つながりか二席めは『松山鏡』に。
小辰さんでは3年ぶりくらいか。いつも思うが、「そんなわけねえよなあ」と思うストーリー。まあ落語はそんな噺ばかりだけれども。そこをさらっと違和感なく聴かせるのが噺家の腕の見せどころなのかもしれない。

三席め、「袖にお嬢がいたんで、『今日で(小辰名義では)最終回だからハグでもするか』って言ったんですよ。そしたらこれまでにないくらい冷たい目で見られました。信用っていうのは築くのは大変だけど、崩れるのは一瞬」だそうで。
「大師匠はよく女性のお客さんとハグしてたんですよ。で、師匠も一時期真似してよくハグしてましたね。お客さんを含めた打ち上げの3次会なんかだと……。でも師匠の場合、お客さんの方の目付きが変わるんですよ。もちろん師匠は冗談なんですよ。でもお客さんの方が本気になっちゃう。前座ながら『なんだこれ』と思ってましたね」。10年以上前なら扇辰師ももっと若いし色気もあるだろうしなあ。
「『東京かわら版』でインタビューを受けて『披露目が終わったら何がしたいですか』と聞かれたんですけど……。お寺にこもりたいですね。お寺って時間が止まってそうじゃないですか。『ドラゴンボール』の精神と時の部屋みたいな……。……誰からも賛同を得られていませんが」とお寺の話から先日も聴いた『蒟蒻問答』。
寺男の権助がいいキャラしており、裏からニセ和尚の八五郎を操ってる感が楽しい。

今日は電車なので終演後に昼食がてら一杯。こういうのはやっぱり楽しい。
タグ:入船亭小辰
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