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第五回入船亭扇辰独演会「九代目入船亭扇橋十八番」師匠の命日に落語と思い出話を [落語]

第五回入船亭扇辰独演会「九代目入船亭扇橋十八番」師匠の命日に落語と思い出話を
於:月島 月島社会教育会館

入船亭辰ぢろ『寿限無』
入船亭扇辰『千早振る』
入船亭扇辰『権兵衛狸』
入船亭小辰『茄子娘』
入船亭扇辰『団子坂奇談』

今日は四万六千日様。なので黒門亭から浅草へ移動し、浅草寺に。
お参りしてほおずき市を撮る。
今日はいろんなところで『船徳』が掛かってるんだろうなー。
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Nikon Df

さて毎年恒例の扇橋師の命日に行われる会。とはいえ私は去年のしか行ったことないんだけど。今年は十代目扇橋となる小辰さんも出るというのだから行かないという法はない。
社会会館ということで昨年と同じく日本橋の会場に。……ん? なんか雰囲気がおかしい。受付がいないしなんかクラシックが聞こえてくるんだけど。……おおん? 社会教育会館は社会教育会館だけど、月島? え? 社会教育会館に他の場所あんの? えーと今が開演15分前で、グーグルマップで調べた限り月島まで11分? ……ギリ間に合うか? まあ辰ぢろさんの高座あるだろうし最悪間に合わなくても……と思ったがちゃんと開演前についた。あっぶねえ。……なんかまた最近こういうこと多いなー。今日はちょっと早めに出てたから事なきを得たけど。確認大事。けど去年が日本橋だったんだもん、間違えるよ。

辰ぢろさん、慌ててるのかなんなのか、語尾を飲み込んで食い気味に次のセリフに移るのが気にかかる。

扇辰師の一席め、「今日も暑かったですなあ。師匠が亡くなった時も暑くてね。特に葬儀の日は溶けるような暑さだった。あん時は師匠を恨んだねえ。なんでよりによってこんな時に目をつぶるんだってね。約4年間寝たきりだったんで、我々弟子は覚悟もしていたし涙も出なかったんだけど、こみちさんが声を出して号泣してましたなあ。師匠は女性に優しかったからね。まああれだけ泣かれりゃ師匠も満足でしょう」。
「今日は早く着き過ぎたもんだから久しぶりにモスバーガーに入った。フィッシュバーガーとロイヤルミルクティーで800円もすんの。たっけえー。800円ありゃ焼肉定食食えるでしょう」とこぼす。800円を高いという庶民感覚もさりながら、扇辰師がロイミティーを飲むというのがちょっと意外。イメージになかったなあ。
食後の一服をしようと思ったら吸えるところがまったくなくて苦心した話も。「魔女狩りみたい。喫煙所作ってくれよ。なんで師匠の命日にこんなことを……。でも師匠も吸ってましたからね。……ていうかネタ決まんねえんすよお。この会も5回めで扇橋縛りでしょ。もうないよ。……あっ、アレやりましょうか、『寿限無』。アタシがやった方が面白いよ」。そりゃそうでしょうけども。
弟子を潰すようなことはせず、「人のご気性は十人十色」と『千早振る』に。そういえば寄席では聴いたことがあるが、ホール落語では初めてかも。お弟子さんたちはよく掛けているから、師匠で聴く機会があまりないのか。
千早や神代に振られたと聞いた時の八五郎がやたら嬉しそうなのがおかしい。

そのまま二席めに。『千早振る』について「くっだらねえ噺。でもそういうネタを淡々と演って上手でしたなあ。……次はもっとくだらない噺を……」と『権兵衛狸』に。
「昔話なんかでは狐や狸が戸を叩く時に尻尾を使いますが、あれはウソなんですってね。尻尾で叩いたって(フサフサだから)音がしない。じゃあどこで叩くのかというと後頭部を使うんです」って「戸を叩く」って時点でウソじゃんってのは野暮か。
確かにこの噺も狸が何をしたかったのかよくわからない、単に構ってほしかっただけなのか。
おとなしく毛を刈られている狸を想像するとかわいい。

仲入りのときに小辰さんが何とはいえないけれどもチケットを手売りしている。なんで俺の手持ちが少ないときに……。
終演後に金おろしてくるから待って、というと「知ってる人だし取っておきますよ」と言ってくれる。まあ週末に新版三人集の会にも行くからその時にでも。

その小辰さん、「私が扇橋を継ぐとは思わなかった。それを許してくれた一門の諸先輩方は心が広い。私は師匠が扇橋になると思ってましたから。そうすると弟子も名前変わるんですかね。辰ぢろは橋ぢろ。辰之助は橋之助。私は小橋? もはや名字じゃねえかという……」。
地元のお寺のイベントに呼ばれた話から坊さんのワルグチに。「今まで何度か坊さんと仕事をしたことがあるけど、坊主で酒嫌いという人にあったことがない。生臭ばっかり」と暴露する。
「私も落語での知識しかありませんが『五戒を保つ』とか厳しい修行をしていた人もいたようで」と邪淫戒と戦う僧の噺の『茄子娘』に。
濡れ場を結構しっかりめに語るが、「ここからがいいところなんですが、その先は師匠が教えてくれない」とカラスカーと夜が明ける。
全体的には硬めで軽く、扇辰師を思わせる感じ。

扇辰師の三席め、お客さんからの供花を携えて高座に上がる。「せっかくいただいたんでね。……あ、これここに置いたら(照明に当たって)ダメかね? 下ろそうか。……まあいいか?」と自問しているうちに小辰さんが出てきて下げようとする。「ああいいよ置いといて。……それにしてもお前の茄子娘は可愛くねえなあ。俺ぁそんな教え方してねえぞ」と公開ダメ出し。小辰さんが「そういう方向性で……」と答えるも「まあいいけどさ。……私は違うと思います!」とあくまで弟子に厳しい。
噺は時期もぴったりの『団子坂奇談』。これもまたくだらないというか「え、それで終わり?」という唐突なオチのもの。
お絹さんの駒下駄の「ことっ、ことっ」という効果音が月夜の静寂さを引き立て、緊張感を高めたところで一気にびっくりさせられる。何度も聴いてるのに毎回引っかかるんだよな……。この効果音の使い方がやはり一日の長がうかがえ、上手いなーと思わせる。
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