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20th ANNIVERSARY 遊雀遊かり親子会 [落語]

20th ANNIVERSARY 遊雀遊かり親子会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭遊雀『転失気』
三遊亭遊かり『ずけもじ』
三遊亭遊かり『お見立て』
三遊亭遊雀『井戸の茶碗』

前回は高田馬場のばばん場で行ったそうだが、直前になって中野が空いたので急遽中野になったらしい。

遊雀師の一席め、「20回記念だそうで。だからといって普段と特に何も変わらないんですが。それにしても20回とはよく続きましたなあ。アイツが二ツ目に上がってすぐにお話があって始めたんですが、最初はどうやって終わらせようかとばかり考えてましたから。それが今ではアイツの方がどうやって終わらせようか考えてるんじゃないですかね。そろそろアタシのことを煙たく思ってるんじゃないですかねえ」とのこと。
「まあ最後には裸になるという手がありますから。アタシも鯉昇師匠の会の打ち上げで裸になったことで呼ばれるようになった。裸になった後に呼ばれた会の打ち上げで、鯉昇師匠がはてな? はてな? という顔をしてるんですよ。目があったときに求められていることに気づいて、すぐに脱ぎましたから」だそうで。今じゃ考えられない話ではあるけれど、いかにも噺家たちのエピソードっぽい。
「今じゃ寄席の出番で深いところに出ることが多くなって、できない噺が多くなった。やっぱり『これくらいの出番ならこういうネタだな』ってのはあるんですよ。だから今日みたいな日に久しぶりにやりたい噺をやろうかなと……」と『転失気』に。
冒頭の医者とのやり取りはなく、いきなり珍念が和尚に呼び出されるところから。
遊雀師らしく悪い顔をしているときの表情がたまらない。
珍念に騙されているときに「てんしき……? 『てん』は『呑』か。呑酒器で『酒を過ごしていませんか』というナゾだったのか!」というのは説得力がある。
前座さんがいないのか、高座を降りる際に遊雀師が座布団を返してめくりもめくる。

遊かりさんの一席め、「師匠が返した座布団ってのは座りづらいですね……。私は自分場恵まれているという自覚はありますし、師匠に嫌いなところなんてひとつもありませんが、これだけはホントにやめてほしい。こんな座りづらいものはない」とのこと。
「師匠が掛けた『転失気』ですが、私はやらないんです。持ってるんですよ、前座の頃なんてそれこそやりまくってましたから。でも二ツ目に上がって披露目をやってもらってるときに『転失気』を掛けたら、偉い師匠おふたりに呼ばれまして、『女が高座でおならっていうな』と怒られまして……それっきりやってない。う○ち、おしっこ、おならなんて学校寄席で一番ウケるんですよ。それを取り上げられました」だそうで。それはまたイマドキと逆行してますな。
今日はネタおろし。「作家さんから台本貰ってからずっと覚えられなくて……。師匠の高座を聴く余裕もないくらい」状態だそうだ。
女性ふたりが登場し、一方はズケズケとものをいい、もうひとりはモジモジといいたいことがいえないキャラで『ずけもじ』らしい。正確の異なるふたりの掛け合いという『長短』的な噺。
「男なんてね! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 犬! 馬鹿! 馬鹿! 犬! みたいに思っていればいいのよ!」というセリフがおかしいが、多分文字だと伝わらないと思う。
とはいえ私の苦手な内容が進まないタイプの噺で意識が飛びかける。

二席め、「先ほどの噺を袖で師匠が聴いていらして、『……まあ裸で売れるっていう手段もあるからな』って……。師匠、まだ私の裸に価値があると思ってくれてるんですね……」となんともコメントしづらいひとこと。これもイマドキとはだいぶかけ離れてる世界ですな。落語界はあまりギチギチになってほしくないなあとも思いますが。
新作の後は古典で。わがままな花魁の立ち居振る舞いが女性ならではで、これは男の噺家には出せない感じ。
喜助に対して無理難題を頼むときも無駄に媚を売る感じになっていておかしい。

遊雀師の二席め、遊雀師の井戸茶は初めてか。
千代田卜斎は年配者らしい四角四面の堅苦しさがあるが、高木作左衛門は若者らしく砕けたというか口が悪いところがある。そのコントラストが楽しい。
清兵衛さんが五十両を卜斎宅に持っていったときに「屑屋さん!」「あれ? アタシなんかしくじりました?」「そなた何歳に相成る?」「ん? 年齢でしくじってます?」というやり取りが新鮮で面白い。

帰りに新宿文化センターに寄って落語会のチケットを購入する。
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/shusai/30103/
この顔付けで2800円はオトク。ネットでチケット買うと手数料やらでもう数百円かかるので、節約できるところは節約したい。
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