SSブログ

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『一目上がり』『棒鱈』『大工調べ』

2日連続で小辰さん。この会も小辰さんの「流行り病」によって前回が中止になってしまっていた。チケットは持っていたのでどうなるのかと聞いたら、もう小辰さんが二ツ目の間の空いている日がないそうで、他の二ツ目の会に振り替えるか返金か、真打昇進の会を開く予定なのでその会に差額を払って振り替えるかだという。じゃあ三番めので。

昨日も少し髪が伸びたと思ったが「最近はこれがトレンドなんでしょ?」と床屋に宮治カットにされたとか。
「普段はここにくるまでにブロードウェイを使わないんですが、今日はたまたま通ってみたんですよ。そしたら鯉のぼりが下がっていた。小学校の名前もあったから小学生も作ってるんでしょう。……でもやっぱり鯉のぼりってこう風になびくのがいいじゃないですか。でもアーケードの中は風ないんですよね。だからなんかぶらーんと垂れ下がってて……干魚みたいだなと……」。帰り際に見てみたけど確かに。
「でも今日はいい天気で気持ちいいですね。こういうときは『五月幟』とか『人形買い』とかやったらいいんでしょうね。ちょうど今の季節ですから。こういう噺ってやれる時季がすごく狭いですからね……まあ持ってないんですけど。持ってたらやりたいな、ってことですよ。『人形買い』なんて一門の噺のようなものですから。……でも持ってないんですよねえ。苦労の割には儲からない噺というか……。まあ覚えたくなったら覚えますよ。……そういって一生覚えないんだろうな。こういうこというと『扇橋になるヤツがなにいってるんだ』って言われそうですけど」だそうで。『五月幟』って噺知らないな。
小辰さんの『一目上がり』はだいぶ久しぶり。ご隠居の家を建て増ししているところを褒めるのは他の人では聴いたことがない。ご隠居が喜ぶようなツボを押さえて褒めていて、結構教養があるような。
「結構な三ですね」「何言ってるんだ、これは讃ではなく詩だ」と言われてキョトンとする顔が楽しい。

「芭蕉の句だ」とサゲを言ったあとに「……ていう面白え話があってな……」とそのままお座敷で寅さんが話していたていで『棒鱈』に入る。
小辰さんの『棒鱈』も久しぶりに聴いた。
酔っ払いの弟分と兄貴分の寅さん、田舎侍とそれぞれキャラが立っていてスッキリと聴きやすい。
小辰さんは唄があまり得意ではないようなことを以前に言っていたが、都々逸や田舎侍の唄を聴く限り下手じゃないと思うんだけど。

三席め、昨日の「リベンジの小辰」で話していたからか『大工調べ』に。
昨日の話では大学の落研時代に先輩に言われて覚えようとし、稽古で「後にも先にもこの一度だけ」絶句したそうだ。今日はもちろんそんなことはなく。
棟梁が与太郎に金を貸して大家のところへ行かせるときに、「いいか、さっきのは俺とお前の楽屋話だからな」と念を押すも与太郎はペラペラと全部話してしまう。
大家のところに棟梁も一緒に謝りに行くも、あまり謝っているようには聞こえず、そりゃ誰だってこんな口のきき方されたら怒るだろう、という感じ。ただ、一度キレだしてからの大家の態度はガラッと悪くなり、こちらの心象も変わって棟梁の方へと肩入れしたくなる。こういう感情の動かし方が上手い。
ところで「棟梁」を町人の大家は「とうりょう」、職人の与太郎は「とうりゅう」と言い分けているのが細かい。
お白洲の場面までキッチリとやり、時間ピッタリに幕。


いつもなら昼に中野へ行ったら高円寺までタイ料理ランチへ行くのだが、今日は2月に一度のお楽しみのひとり焼肉へ。まあ大概行った直後は食べすぎて苦しくなってげんなりするのだが、ひと月も経つとまた行きたくなるのです。さんざっぱら飲んで食って家に帰って一寝入りするのが最高。
タグ:入船亭小辰
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。