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第八十八回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好・桂宮治二人会 第二幕 [落語]

第八十八回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好・桂宮治二人会 第二幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭けろよん『雑俳』
桂宮治『饅頭こわい』
三遊亭兼好『高田馬場』
三遊亭兼好『町内の若い衆』
桂宮治『紺屋高尾』

夜席までマックで時間を潰す。
南太田ってホントなんもない。

夜席の前座はけろよんさん。
『雑俳』にはいろんな型があるんだろうが、今日のはこれまで聴いたのとはかなり違っていた。たまにじわっと兼好師っぽい仕草というかリアクションが出る。

宮治師の一席め、今日は昼夜で出番順を変えたという。というのも夜席なら自分の出番が終わったらすぐに帰れるというメリットがあるそうで。「兼好師匠が高座務めてる脇で『じゃ、お疲れさまでーす』ってできないじゃないですか」という理由らしい。
「夜席まで2時間空くんですよ。その間稽古するとかそんな真面目じゃないですから、なんかお茶飲むところとかないかなーって探したらここらへんホント何もないのね。夢庵とデニーズしかなくて、ファミレスはなーて思って1時間半ずーっと歩きっぱなし。疲れた……。兼好師匠は出てないから元気です」。兼好師匠は周りに何もないことを知ってるんだろうなあ。
「最近みなさんどうですか。感染してますか」。最近の感染者の増加でここまでシャレにできるまでになったんだなあ。まあシャレにならない人もいるんだろうけど。
「でも私は『みなし陽性』ですから。子どもが熱あるからって病院行ったんです。で、親御さんも検査しますか? って聞かれて、別に検査しなくてもよかったんですって。検査しなければ引っかかることもなかったんですよ。検査を受けない者勝ちですよ。多分ここにいる人たちも検査受けたら6割くらいアウトですよ」。まさかそこまでじゃないだろうけど、確かに何人かはいそう……。
「『陽性』っていうのも聞こえが悪い。『ティンカーベル 』ってどうですか。『検査の結果、あなたティンカーベル でしたよ』って。『粉かけてくれー』って」。粉?
怖いものつながりか「今怖いのはバカな指導者ですね。ボタンひとつで世界が終わるかもってビビりながら生きなきゃならない」としてそのまま怖いものの噺に入る。
「俺は四つ足のものはなんでも食っちまうんだ」と豪語する男に「じゃあコタツ食ってみろ」と吹っかける場面で「入船亭じゃねえぞ。アイツは今陽性で寝てる」と小辰さん情報も入る。確か共演する会がこないだあって、代演なしで他の出演者が頑張ったという話は聞いた。
「饅頭が怖い」と言い出す場面では「アタシ饅頭が怖いの」とそれまでの人格と変わっていきなりオネエになるのがおかしい。

兼好師の一席め、当然のごとく宮治師をいじる。
「わさびくんとこないだ会ったんですけど、恨んでるみたいですよ。宮治くんはずっと笑点レギュラーについて『自分じゃない』と言い続けていた。一之輔くんにもプライベートで『自分じゃない』って言っていて、『じゃあわさびなんじゃないか』っていう空気が流れて本人もその気になったみたいなんですよ。それでこれ。ガッと上がったところでドンッと落とされた。相当恨んでるみたいですよ。近いうちにわさびくんが宮治くんを刺すんじゃないかと……。でもあと数年のうちにチャンスは何回もあるでしょう。そうすればそのときはわさびくんじゃないの、と言ったら『それとこれとは話が別だ』、そうですよ」と対立を煽る。
噺家の仕事ぶりにも触れ、「我々は楽ですよ。前座が辛い、修行が辛い、といいますが、あれは志願者が殺到しないように言ってるだけ。似たような商売に講談師がありますが、あれは大変。人物の名前を間違えられないですから。登場人物が決まってるし、間違った歴史も言えない。そこへ行くと落語はゆるい。冒頭で子どもが『亀』と呼ばれていたのに、最後の方では『金坊』になっていることが普通にありますから」と暴露し、「さらに大道で商っているもので難しいのは蝦蟇の油売り」となって『高田馬場』に。
蝦蟇の油売りの口上は実に見事で淀みがない。さすが。
仇を見つけた蝦蟇の油売りの様子を長屋の連中に伝えている男が、驚きのあまりに買おうとしていた蝦蟇の油を思わず懐に入れてしまうという細かいくすぐりがやたらと楽しい。
仇討ちをひと目見ようと集まってきたお客を相手にしている店で飲んでいる酒がやたらと酸っぱく、一口飲むたびに身を縮めて「酸っぱっ!」と身悶えするのがおかしい。そのうち盃を口に近づける仕草をするだけで笑いが起きるというのもすごい。

兼好師の二席め、コロナが明けて保健所からいろいろと家族にうつさないように注意を受けたそうで、「マスクして1m以上離れる」、「一緒に食事しない」、「なるべく話さない」、「触れたものに触らない」などをいわれたそうな。「……うん、コロナの前からやってましたね。私は隔離されていたのか……」。うん、だいたいオチは読めていた。多分会場は「やっぱり」の笑いだったと思う。
そんな夫婦の話から『町内の若い衆』に。『高田馬場』は3年ぶりだしこの噺は4年ぶり。普段と違う噺が聴けて嬉しい。
主人公の男があの悪妻と所帯を持った理由としては、苦手の蛇に襲われているところを助けてもらったからだが、それが仕込まれていたというのがおかしい。助け方もまず蛇に石を当てた上でしっぽを掴んでフルスイングという、「二刀流!?」と驚愕されるのも時代に沿ってアップデートされている。

宮治師の二席め、これもまた4年ぶりくらい。やあ夜席はあまり聴いてない噺を一気に聴けてなんかすごいお得感がありますよ。
宮治師のは世間知らずの久蔵が、親方のところに「三浦屋の高尾と所帯を持つことにした」と勝手に決めて相談に来た型。久蔵のピュアさが現れている型だと思う一方、それはやっぱりありえないんじゃないの、と思ってもしまう。まあ『紺屋高尾』はファンタジーだ、っていう人もいますからね。そもそも全盛の花魁が「来年3月15日」で落籍できるはずもなく。どんなに長くてもあと1年で花魁が円満に辞められるはずもないしなあ。初回で床入りもないだろうし。まあそんなことをいっていたら楽しめませんね。
とにかく今日はお得な会だった、ということで。
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