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扇辰・誕生日記念独演会 [落語]

扇辰・誕生日記念独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『十徳』
入船亭扇辰『片棒』
入船亭扇辰『徂徠豆腐』

最近は駅前で都が無料のPCR検査とかやってんのね。
会社の最寄駅でもやっていて、会社から受けるんだったら外出していいと言われたので、せっかくだから受けてみる。会社でも2人陽性が出たし、無症状だったりしたらかなわんし。
とはいえそれで1週間休みとかになったらそれはそれでヤバいのだけれど。
結果が出るまで2〜3日かかると言われていたが、実際には翌日には結果が出てめでたく陰性。
とはいえこんだけ落語行ってることは職場には言えんな。

さていつものオフィス10の独演会なのだが、いつもとは会の名前が変わっている。
文字通り今日は扇辰師の誕生日だそうで、辰ぢろさんの高座でも拍手の練習を行う。

その甲斐あってか扇辰師が高座に登場したときには万雷の拍手。しかし「拍手の練習したでしょ。心がこもってない。『やりゃあいいんだろ』って感じがする」とツンデレなことをおっしゃる。
もともと自分の誕生日には特になにもしないそうで、おかみさんの奢りで夕食、という程度だそうだ。
師匠の扇橋師は自分の誕生日が大好きだったそうで、「僕のお誕生日会をやります」と言っていたそうだ。「俳句をやってて言葉にはうるさい師匠だったのに……」とちょっと遠い目。師匠のリクエストしたプレゼントを弟子たちで購入していたそうな。
「去年は小辰と辰乃助が朝にいきなりきた。手ぶらで。いや何もいらねえけどさ、でもなんか持ってこいよって話でね。今年は電話すらない」。いや小辰さんは午前中から仕事があるからでは……。
以前は映画の招待券をもらったこともあるそうだが、その映画が大層つまらなかったそうで、今年は扇橋師にならって防寒靴をリクエストしたそうだ。
それを今日おろしてきたという。
「それで思い出したんですが、子どもの頃は新しい靴をおろすときは部屋の中で履いてそのまま玄関に降りてたんですよ。何でかなーと思ってたんですが、昔の弔いは土足で居間に立って一本箸でぶっかけ飯を食べる習慣があったんだそうですよ。つまり縁起が悪いんですが……本来靴をおろすっていうのはいいことのはず。親父と祖父さんは靴を作る仕事してまして、だから縁起が悪いってのに抗ってたのかもなあ、と……。……誕生日なのに弔いの話になってしまいましたが……」と『片棒』に。
扇辰師の『片棒』は久しぶり。
兄弟を金と銀のふたりだけにしているので、実際には「片棒」という単語はまったく出てこないんだけど。
でもあの番頭さんが出てくるサゲならもう少し足せば「私も片棒担いでますから」とかできそうな感じだけどなあ。まあ扇辰師がそれを考えなかったとも思えないし、多分ボツになったんだろう。
扇辰師は音楽をやっているからか、銀の狂乱の祭囃子がとにかく上手い。笛や鉦や太鼓の口三味線でもダイナミズムをつけていて、とにかく盛り上がる。思わず中手が入るほどで、それを受けて大旦那が「店の者も拍手するんじゃない!」とさらに噺に盛り込んでくる。

二席めは黒紋付に袴姿。「正装してきました」と腕を広げる。
やはりおめでたい席での噺といえばまあ『徂徠豆腐』となりますな。
今日もクサさ抑えめで端正な感じに。やっぱり扇辰師はこういうのが好きです。
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