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人形町 萬橘の会 [落語]

人形町 萬橘の会
於:人形町 日本橋社会教育会館

桂伸び太『子ほめ』
三遊亭萬橘『初音の鼓』
三遊亭萬橘『四段目』
三遊亭萬橘『抜け雀』

中野から日本橋へ。
1時間くらい時間が余るかと思っていたのだが、ガソリンスタンド探しとそれに伴って人形町近辺の一通地獄に泣かされてほぼ開場時刻に会場に着く。

伸び太さん、入り時間よりも少し早めに着いたところ、既に客の行列ができており、何故かそこに並んだとか。なんで。他の人と一緒にチラシも貰ったそうで、入門前に戻ったようだったとのこと。
つーか他の協会の前座を借りるってできるんだ。でも確かに兼好師も宮治師が前座の頃によく会に来てもらってったといってたしな。

萬橘師の一席め、こないだ客に声を掛けられたそうで、「だいぶうまくなったわね、客いじり」といわれたのだそうだ。
「客いじりってのはお客さんに『今日どこから来たんですか』とか聞くことだよ。俺そんなことしないよ」。確かにそんなことはしてないような。その人はなんのことを「客いじり」と称していたんだろう。マクラのことか?
「あそこだけ時空が歪んでたのかもね。ジョジョのスタンドみたいに。ヴァニラ・アイスってのがいるんだけど……これいわないほうがよかったな」。うん、多分客席でわかってたの俺含めて数人じゃないかなあ。俺は世代だしファンなので『ジョジョリオン』まで含めて全巻持ってるからわかるけどね!
続けて両国寄席の脇にある自販機にお金を飲まれたときの話を。お金を入れたときの自販機になりきって解説するのが面白い。
『初音の鼓』、道具屋とグルの三太夫さんが結構天然。殿様に「三太夫の脇にある正の字が書いてある紙は何じゃ」と突っ込まれるところが楽しい。

続けて二席め、萬橘師の家は子どもたちのたまり場になっているらしい。理由を聞くと「必ず遊べるから(=塾などに行っておらずにいつも家にいるから)」だとか。「まあうちの子みたいなゲームにすべてをかけている子はゲームで勝っただけで『よっしゃあー!(大ガッツポーズ)』ってなりますからね。たまに塾に行ってるような子がきてゲームに勝っても『ふーん』ってくらいですから。でもその子が英語に関するジョークとかいってもうちの子たちは『ふーん』って。基準が違うんだ」と興味深げ。
福岡天神祭で4日間留守にして、子どもたちに土産を持っていった時の話なども。子どもって結構シビアで計算高いよねーっていう話。
それでも子どもは面白い、と小僧が主人公の噺に入る。
番頭さんが子どもに甘く、それによって小僧が調子に乗っているという感じが滲み出る。なんだかんだで旦那も甘いところがあり、それがサゲにもよく効いている。
旦那と定吉の攻防の場面は最高。

三席め、萬橘師の地元の愛知では噺家が職業として認識されていないとボヤく。そんな職業になりたいと話したときの親との会話を絡めて『抜け雀』に。
宿の主人の呑気さが楽しい。客が一文なしだと分かった後もパニックに陥りながらもどことなく呑気さが漂う。
ただ衝立の雀が抜けたときだけは衝撃で目がバキバキになるのがおかしい。周りは目を逸らしながら「あーそーなんだすごいねー」と流そうとする温度差がたまらない。
年嵩の絵描きに「お前のまみえの下にあるものはなんだ」と聞かれて「あ、銀紙です」と投げやりに答えるのもおかしい。
こればかりではなく至るところにくすぐりが仕掛けられている。なんというか「もう身は全部食べた」と思っていたら骨の後ろに美味しい肉がまだあった、あ、ここにも、みたいなカマ焼きを食べてるようなお得な気分になれる。
やっぱりこの人すごいわ。

大変満足して帰途に着く。そろそろバイクには厚着が必要ですな。
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