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古典粒選 第一回入船亭小辰 [落語]

古典粒選 第一回入船亭小辰
於:下北沢 小劇場楽園

入船亭小辰『高砂や』『不動坊』『鰍沢』

5日連続落語でのべ6つの会へ行くってちょっと我ながら頭おかしい。うーん。
さすがに正月やGWでもこんなに連続で行ったことはないと思う。これで来週資格試験受けようってんだから舐めてんな俺。
一応バイクで行くのはやめて、少しでもテキストが読めるように電車で行く。結果的にこんな下北沢駅前の小劇場が会場で、駐輪場なんて見つけられなかったから余計によかった。
会場はL字型になっており、角の部分に高座、その左右に客席を並べるという珍しい形状。高座の正面には柱が立っており客は入らない。いかにも小劇場といった感じ。
小辰さんもやりにくそうで、普通に上下を切ってもなんだかマクラを振っているようで、どこを見ればいいのかわからないという。私はちょうど下手側に上下を切ったときの正面の位置に座ったのでやたらと目が合う(ような気がする)。
主催の娯楽百貨と仕事するのは4回めで、料理と落語のコラボだとか、劇団とコラボだとかばかりで「初めてちゃんとした落語の仕事がきた!」と喜びを露わにする。
「個人的なことですが来秋から真打に昇進することになりまして。それよりも嬉しい!」とのこと。
そこから真打昇進についても。しかし真打昇進よりも二ツ目に昇進が決まったときの方が嬉しいそうな。これみんな言うね。100%言う。言わなきゃいけない決まりでもあんのかってほど。でもまあ毎日の仕事から解放されると考えるとそうなのかもなあ。それに真打昇進はいろいろやらなきゃならないことや出費が大変そうだし。
おめでたい雰囲気のまま『高砂や』に。
秀じいの豆腐屋を織り交ぜた高砂やを披露した後に親族な譲ろうとして「親戚一同不調法で」と断られ、「え? 誰かいるんでしょ? ほら! ……なんでみんな目を逸らすんですか!」と必死なのがおかしい。

二席めも婚礼の噺。
屋根の上で焼酎火の準備をするときに一切の声を出さず、仕草だけで進めるのが面白い。それでちゃんと何をしてるかわかるんだからなあ。
「万さん、出ないよ」というところから小声で会話が始まるが、進むうちに両者がヒートアップして怒鳴りながら罵り合うのがとにかく笑える。
チンドン屋の万さんが「アルコール買ってこいとは言ってない!」と一切引かず、微妙に会話が噛み合っていないのもなんともいえないおかしみがある。
二席連続で『高砂や』を謡うのも楽しい。秀じい仕込みではなかったが。

三席め、東京生まれの小辰さんは雪が珍しいのでそれほど嫌いじゃないそうだが、雪国生まれの扇辰師は雪が大嫌いなのだそうだ。確かにマクラでよく言ってるなあ。
雪の日に「師匠、雪ですよ!」とはしゃいだ声で言ったところ、「……初めてグーパンチくらいました」そうだ。
雪にはまだ少し早いが今シーズン初の『鰍沢』。
やはり雪の寒さや囲炉裏の火の熱さが伝わるような確かさがある。
私の中に明確に絵が浮かび、全然長さを感じさせない。

あまり下北沢は行かないのだが、北千住から千代田線一本で40分ほどで着くのね。思ったより近いな……。いやそれだけなんだけど。
タグ:入船亭小辰
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