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上野鈴本演芸場 令和三年十月下席 夜の部 10月27日 『少し早いけど、オレ、もう暮れちゃうよ』一之輔冬ばなし [落語]

上野鈴本演芸場 令和三年十月下席 夜の部 10月27日 『少し早いけど、オレ、もう暮れちゃうよ』一之輔冬ばなし
於:鈴本演芸場

柳家ひろ馬『小町』
春風亭与いち『桃太郎』
ニックス 漫才
柳亭こみち『王子の狐』
三遊亭天どん『タラチネ』
林家正楽 紙切り 相合傘、七五三、一之輔師、紅葉狩、誕生日
春風亭一朝『湯屋番』
柳家喬太郎『親子酒』
林家あずみ 三味線漫談
春風亭百栄『女子アナ』
翁家社中 太神楽
春風亭一之輔『柳田格之進』

代休。
昨日は割と早めに上がれたので、ちょっと遠回りして気になってた錦糸町のタイ料理屋へと行ってみる。
さすが錦糸町、辛さも申し分なく、カレー炒めを豚肉から鶏肉に替えてくれるというカスタマイズにも柔軟に対応してくれる。タイっぽいー。久々に日本人向けにお上品に洗練されたタイ料理ではなく、タイ現地っぽい料理を食べた気がする。
で、よ。今朝ですよ。んーーーきたきたきましたよ。起床して15分ほどすると猛烈なトイレへの郷愁が。で、そっから約20分ばかり悶絶しながら昨日食ったモノとの別れを惜しむ時間が繰り広げられる。これは一定以上辛いものを食べたときに毎回こうなる。そのー口ばかりが辛(から)いのではなく、次の日のシモの方が直腸の方まで辛(から)くて辛(つら)いというね。でもこれがタイ料理の醍醐味っつーか。悶絶しながらも「あーコレコレぇー!」と満足げというか。まあ痔じゃなくてよかったなと思う瞬間です。
いやしかし良かった。単純に美味いってのよりもとにかくタイっぽいってのがいい。休みの前の日じゃなきゃ行けないけど、これから通っちゃいそうだなあ。

んでもって今日の昼にもランチで行っちゃおうかと思ったが、生憎の雨。バイクなら30分かからずに行けるが、さすがに電車乗ってまではなー……。
まあ資格試験の勉強もしなきゃ……と思っていたが、洗濯やら二度寝やらしてたら結局1時間も勉強できず。これヤバそうだな……。

それなのに落語には行っちゃうというね。
でもこの顔付けすごすぎない?
特に落語のメンツがすごい。いつも「すごくいい顔付け」といいながらも、誰かひとりはよく知らない人とかあまり興味がない人とか、なんならあまり好きじゃない人とかもいるのだが、この芝居に関してはひとりもいない。正直にいえば百栄師は数年前までそんなに、という感じだったが今は好きです。

御徒町駅でこみち師をお見かけする。なんつーか普通のおばty
ちょっと声をかけてみようかとも思ったが迷惑だろうし自重する。

与いちさん、入門して一之輔師宅でご飯を食べているときにおかみさんを「お母さん」と呼んでしまったというエピソードを。それに対する一之輔師の一言がさすが。
噺に入って「眠くねえんだよお父つぁん」と喚く現代版金坊の目がバッキバキなのがおかしい。

こみち師、狐が男を騙そうと年増女に化ける前に化けたのが花魁。「田んぼの真ん中で花魁て」と男に突っ込まれて退散するのがおかしい。
狐が化けるときも「テクマクマヤコーン、テクマクマヤコーン」というのもいかにも女性らしくて楽しい。
狐がマッチの硫黄だかリンの匂いが苦手、という設定は初めて聴いた。

天どん師、相変わらずのふてくされ芸が楽しい。
「落語を聞いて面白いと思うのは八割がお客さんの努力ですからね」という投げっぷりがたまらない。
古典『垂乳根』のあらすじを話し、その筋を追いながら改変していくというもので、「なんか中学生が間違えたような」英語交じりの言い立てがとにかく面白い。これ覚えるの大変そうだなあ。

正楽師、お題のメイン部分の出来が素晴らしいのはもちろんなのだが、その周りのディテールの作り込みがすごい。
「七五三」のお題で、「三人お願いします」という無茶なリクエストでも七歳五歳三歳のそれぞれの子どもたちばかりでなく神社や木の枝に止まっている鳥なども入っている。
「紅葉狩」も紅葉一枚一枚の葉の形が美しい。
それぞれ結構めんどくさいお題にもかかわらずキッチリ作り込まれていて感嘆するしかない。時間に入り切らなかった「パンダ」は後で切って受付に渡しておくから、というのが優しい。

一朝師、「湯屋に奉公に行く気はないか」と尋ねられてクネクネと喜ぶ若旦那の姿がおかしい。
芸者とのやり取りを妄想する場面もどこまでも軽やかで聴いていてトントンと引きずり込まれる。
この粋な軽やかさはやっぱり一朝師の魅力だなあ。

喬太郎師は久しぶり。
ホントはもっと聴きたいし、教育委員会に行けばいいんだろうけど、まあ予算の都合とかチケットが取れないとかいろいろとね。寄席で聴くのが一番確実なんだろうけれども、あまり当たる機会がない。
話の筋としてはスタンダードながら、酒をねだられる婆さんが実は酒を呑んでいる、というのが面白い。「アタシは倅と禁酒の約束をしていませんから」といいながら爺さんに見せつけるようにキュッといくのが楽しい。

百栄師、昔の落語番組で一席を終えた師匠に対するインタビューと、現在の落語番組での百栄師に対するインタビュー、という設定の新作。
昔はインタビュアーもちゃんと落語を知っており、どういうことを聞けばいいのかわかっていたといい、それに対して現在のインタビュアーは百栄師に対してナチュラルに失礼な言動を繰り返すというもの。
まさか本当にいわれたことがあるのかは知らないが、なんかどうも微妙にリアルなような。まあそれが面白いのだが。

一之輔師、「今日の出演者はみんな真面目。真面目だからあんなに高座に上がって髪が真っ白になってストレスで呑んで食ってあの腹になるという……」と名指しはしないものの誰かわかりそうなくすぐりを入れる。
真面目、というところから柳田格之進へと入っていく。
入れごともほとんど入れず、骨太に粛々とキッチリ噺を進めていく。やっぱりこういうこともちゃんとできるんだよなあ。。
すぐに帰参が叶い、見世に出る前の娘を身請けして他家へ嫁ぐ話もまとまっている、という型。
番頭は一切絡まず。
まあそうだよなあ。昔はわからないけれど、最近の世の中では一番みんなが納得できる形になっているのではないだろうか。またそうであれば正月の場面で柳田の方から番頭の方に声を掛けるという行動も理解できるし、番頭を許せるのもわかる。聴き応えがあった。

終演後、追い出し太鼓が鳴っているところに白柴の散歩が通りかかり、何事かと覗き込んでいるのがかわいかった。
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