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第3回 兼好集 [落語]

第3回 兼好集
於:水天宮前 日本橋劇場

三遊亭しゅりけん『真田小僧』
三遊亭兼好『近日息子』
三遊亭兼好『辰巳の辻占』
三遊亭兼好『宿屋の仇討』

代休取って三連休。しかし別に予定があって休みを取ったわけではないのでなんというか3日間なんとなく無駄に過ごしたというか。
一昨日は落語にふたつ行ったりしたのでまあ充実していたが、昨日は雨が降っていたので一日中外出もせず昼間からハイボール飲んで昼寝して終わってしまった。池袋行けばよかったなあ。電車乗るのも億劫だったので。
で、今日はいい天気だったので猫のトイレ掃除でもするかと思っていたが、せっかくの代休なので普段できないことをしようと二度寝。急に寒くなったので、右脇にミルク、足の間にシュガー、左脇にココアとガッチリと固められる。もう寝返りもうてなくて困っちゃうなあ。まったく困った困った。二度寝サイコー。
平日なら空いてるだろうと久しぶりに回転寿司に行ってみたが、日本人の寿司好き舐めてた。何で平日13時のロードサイド店でこんなに混んでんの……。
その後バイクカバーがボロボロになっていたので買い替えにドンキへ。思っていたより高かったので、バイクでもう10分ほどかけてホームセンターへ行く。ほーら500円ほど安いのがあった。雨風さえかからなければいいのでこれで十分。
値段がわかったところで地下のスーパーに。上のホームセンターとは会計が分かれていて、同じ商品でも圧倒的にスーパーの方が安いことがあるので念のためにチェックしにいく。さすがにスーパーにバイクカバーはなかったが、せっかくきたのでついでに猫砂とフリーザーバッグを買って家路につく。
……家の玄関でバイクカバーを買うのを忘れていたことに気づき、そのまままたホームセンターに。何やってんだ俺。
そんなこんなでホントムダな時間を過ごす。なんで休みの日ってこんなに時間が過ぎるのが早いのか。

しゅりけんさん、型は兼好師と違うのに、「一銭ここまでーーー!」が一番兼好師っぽい(しゅりけんさんは「一幕ここまで」だが)。テレもなくちゃんと突き抜けているのが私的にポイント高い。

兼好師の一席め、出囃子が『前座の上がり』のままだったような。
急激に秋っぽくなったことで体調にはお気をつけください、ただ一番気をつけなきゃいけないのは私なんですけどね、と。いつも季節の替り目には体調を崩す兼好師は「売れるには体力が必要」だという。曰く、「客の入りが百人以上になるとそれ以上、たとえば150人だと50人分疲れる」のだそうだ。「昨日伯山くんのお披露目に出ましたけど、彼はすごいですね、二千人の前で平気で一時間講談演るんですから。しかも2分に一回『ファー!』みたいなことをやりながらですから。あんなに猫背なのに」だとか。
噺は久しぶりの『近日息子』。こないだたまたま三田落語会の配信を聴き直していたためそれほど久々感はなかったのだが、高座で聴いたのは3年以上経っている。
いつ聴いても何度聴いても長屋で住民たちがわちゃわちゃと揉めているところが面白い。言い間違いをいちいち言い直す男の大人気なさとそれを徹底的に無視する男の温度差がたまらない。

二席め、誰でも裏と表の顔があるが、たとえば最近の就職試験では受験者のSNSのアカウントなどを調べ、裏でなにかネガティブなことをつぶやいていたら採用しないんですって、と。ただ最近の履歴書は性別を書く欄などがないらしく、聞いてはいけないのだそうだ。
「出身地や好きな本なんかも面接で聞いちゃいけないんですって。あと親の職業も。噺家の弟子入りは面接じゃないですけど、これら聞いちゃダメっていわれたら何を聞けばいいんでしょう」だそうだ。「もちろん聞いてその結果で取る取らないに影響はありませんけど、でもそこから話が始まるじゃないですか」というのは確かに。「親の職業もねえ。親がヤクザでも息子のお前はこの道でいくのね、ってくらいで。……でもいい方はちょっと考えますね。親の職業が官僚とかだったら人質とってるみたい」とやっぱりどこか黒かった。
そういう裏と表の顔を作り分ける例として芸者を挙げて『辰巳の辻占』に。
噺のタイトルともなった辻占の巻き煎餅の上の句だけを見て「そうそう、これだよ」と下の句を想像してひとり芝居を始めるのだが、芝居に没頭しながらも右手はちゃんと辻占の紙を握った形のままというのが芸が細かい。こういう細かい所作のひとつだけで見える噺の世界が変わってくるし、リアリティが違う。
辰巳芸者のおたまが徹底した現実主義者で、兼好師得意の女性上位になっているのもおかしい。

三席め、最近は旅館に泊まるということが少なくなったという。昔は師匠と弟子で旅館に相部屋という「地獄のような」旅の仕事があったそうだが、最近ではビジネスホテルでそんなこともなくなったそうだ。
「ビジネスホテルといえばあの布団のシーツの上にも薄い布が敷いてあって、あれは体の下に敷くのか、それとも上にかけるのかわからない。それにピッチリ巻いてあるのも苦手」ってのはよくわかる。掛け布団の引っ張り出し具合が難しいよね。
前にも書いたことがあるかもしれないけど、江戸っ子たちが大騒ぎするたびに隣の部屋の侍に伊八が呼び出されるのだがその場面転換が本当に上手い。かっぽれで「そーれよいよい」と踊っているその腕の形をそのまま伊八を呼ぶために叩く手にするなどの工夫が凝らされていて、頭の中の宿の情景が瞬時に変わる。
万事世話九郎が三度目に伊八を呼び出して「拙者最前なんと申した」と問うたときに「昨晩は相州小田原……」と答えられ、「誰が覚えろと申した。……三遍稽古ではない」という一言が楽しい。

いやーそれぞれ何度も聴いた噺なのにすごい満足感。落語聴いたなーとしみじみと思う。
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