SSブログ

扇辰日和 vol.80 [落語]

扇辰日和 vol.80 「扇辰、胸を貸す!」
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『狸札』
入船亭扇辰『天災』
入船亭遊京『錦の袈裟』
入船亭扇辰『幾代餅』

昼はひとり焼肉食べ放題。
非常事態宣言があけて久しぶりに外で酒を呑みながらメシが食えた。昼ビール最高。焼肉食いながらだとなんであんなにビール飲めるんだろう。
腹がはじけるほど食って飲んだと思ったけど家帰って体重を量ると0.8kgしか増えてなかった。そんなもん?
うちへ帰って腹いっぱいで昼寝。あーなんて幸せな土曜日。

数分遅れて会場へ。市松模様にならないほどたくさんの客が入っている。
今日の会は配信もしているのだとか。

辰ぢろさんが降りて『からかさ』が鳴るかと思っていたら『東京節』。配信のためにいつもの出囃子CDが使えないそうだ。配信でも使えるCDの中から特によく考えず「明るい唄でいいじゃねえか」と選んだそうだが「私の芸風とまったく合わない」。
昨日から末廣亭の昼席に出ているそうで、口開けからすぐの出番だそうだ。「……いかに末廣亭から重用されていないというね……」とボヤきから。特に昨日は台風で、前座が上がる時間になっても客が入らなかったので開始が20分遅れたそうだ。
「前座のときは3人。私のときに9人。つばなれしてねえの。……まあそれも当然なんだけど。台風の中こないよ」だそう。まあそりゃそうか。
ゲストの遊京さんについては「私はね、後輩だけどファンなんだよ。あのとぼけた話し方とかね。この『扇辰日和』は今回で80回だけど、『前に出てもらったことあるよね?』と聞いたら初めてだって言うんだよね。そうだっけ? 頼んだけど日程が合わなかったとかかな。……辰乃助が横槍入れたのかな。やりそうだな」と辰乃助さんにアツい風評被害が。
「彼が仲入りにたっぷりやってくれますから!」と大いにハードルを上げて一席めに入る。
「落語には江戸っ子てのが出てきまして大層えばってたそうですなあ」と始まり、江戸っ子を大げさに強調した八五郎が隠居のところに飛び込んでくる。江戸弁が強すぎて「離縁状」が「れえんじょう」になっているのがおかしい。
紅羅坊名丸のところに行ったときに手紙を読んで顔をしかめて手紙を読みながら八五郎の顔を盗み見る表情がなんとも。

遊京さん、二ツ目に昇進したての頃に中国一周をしたことがあるが、その際に温かメールをくれたのが扇辰師だけだったとか。
噺に入り、「隣町の奴らに腹下しのときに負けた。向こうは八人でこっちは五人だった」というくだりで「それ勝ってるんじゃねえか?」というツッコミが入ったのは初めて聴く。私がいつも思っていることを初めて代弁されてて嬉しい。
「おめえのカカアは跳ねっ返りだから」という煽り文句や、「口移しで教えてあげるから」といわれて与太郎が照れるとか定番のくすぐりが省かれ、スッキリとした印象。しかしこの与太郎のおかみさんはなんかいい女っぽいのが伝わってくる。
しかし町内の若い衆たちを華族のお遊びとするのはちょっと無理があると思わせてしまうかな。上手い人はここらへんをスルリと違和感なく納得させてくれるんだけど、遊京さんは他をカチッとしてるだけにこういう強引な理論のところで違和感が出てしまうのかもしれない。

扇辰師の二席め、久しぶりの『幾代餅』。『紺屋高尾』はたまに聴くが。
清蔵が一年金をためて親方のところに金を受け取りにきたときに「(幾代に会わせるといったのは」ありゃ嘘だ」とさらっと流すのがおかしい。
さらにその後、吉原に清蔵を送り出す段で「与太郎と一緒に行くのはやめとけ、あいつはいいところ持ってっちゃうからな」と遊京さんのネタにさらっと絡めるのが上手い。
清蔵が戻ってきたときにいろいろと錯乱しているところを親方が抱きとめて「わかった。大丈夫、大丈夫だ」と諭しているところはなんだか清蔵の姿が見えたように思えた。あと幾代が駕籠から降りてくるところもその情景が目に浮かぶよう。
クサくやらずに端正に丁寧に、という感じで堪能いたしました。

夜中になってもまだ腹いっぱい。1か月に1回は多いか。2か月に1回にしておこう。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。