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新宿末廣亭余一会 夜の部 兼好・王楽二人会 [落語]

新宿末廣亭余一会 夜の部 兼好・王楽二人会
於:新宿末廣亭

桂伸び太『弥次郎』
三遊亭兼好『汲みたて』
三遊亭王楽『宮戸川』
瀧川鯉八『長崎』
三遊亭兼好 三遊亭王楽 対談
三遊亭王楽『佃祭』
できたくん ハッポー芸
三遊亭兼好『へっつい幽霊』

中野から新宿へ。
中野に行ったときに必ずと行っていいほど行く高円寺のタイ料理屋へ行ったら、「レジが故障中のため案内できません」とのこと。え、そんな理由ある? メモっとくだけじゃダメなの?
まあしゃあない。ちょっと時間はあくので、食後はマックとかで時間を潰そうと思っていたので昼食を兼ねてファミレスに。こないだもハシゴしたときに時間潰してたら開演時間間違えて超絶焦ったので、改めて会場である末廣亭のHPで確認。16時15分から。……半端な時間だなあ。チケットを確認すると……17時開演? おいおいチケットが開演時間間違えてるって問題じゃね? まったくしょうがないなあ……と16時くらいに行ってみると、まだ昼の部が終わってない。窓口に聞いてみると17時開演だという。……ん? チケットが正しい? 「じゃあこのHPとかチラシに書いてある16時15分て何?」と聞いたところ「ミスですね」ですと。おい。まあ遅れたのよりはいいけどさ。だったらファミレスでもうちょっと粘りゃあ良かった。

前座に伸び太さんが出てきて驚く。さっき聴いたばっかじゃん。
んー、その口跡がゆっくりで単語の真ん中あたりを微妙に伸ばすような喋り方が、さっきも書いたけど「おじいちゃんか」という感じで、昔の名人の喋り方かよ、と。「えー、噺の方にぃ出てくる人の中には、スゥー嘘ぉつくのがうまい、なんて人がおりましてぇー、チャッ、こういう人が出てまいりますとぉ、チャッ、スゥー、噺の幕が開くようで……」みたいな。理不尽なのは重々承知だが、一日に2回聴くとなんか妙にイラッとする。ごめんね。

兼好師の一席め、オリンピックの非国民ネタは昨日も聴いたとおり。
その後「こういう何人か出る会では『このネタはちゃんと聴こう』『このネタはそんなにしっかり聴かなくていいや』と分ける必要がある。演じる方も同じで、今日は浅草でも会があって、でもこっちの会があるんで流してやったの。そしたら全然ウケないの」だそうで。ホントかどうかはわからないけど、まあありそうな……。浅草の余一会のような会の場合は兼好師目当ての客だけじゃないしね。
夏の匂いに触れ、夏草の香りを嗅ぐと夏を感じるという。兼好師の子どもの頃はまだ肥溜めが至るところにあり特に学校の近くにたくさんあったという。夏休み前の教室で「先生くさーい」とやっていたそうだ。肥溜めの話から『汲みたて』に。だいぶ久しぶりで、兼好師としては結構レアな噺。
兼好師は半公と有象無象たちの間に与太郎は登場せず、あくまで両者の対立。話の前半での有象無象たちのお師匠さんに対する涙ぐましいセクハラ努力があるだけに、半公への八つ当たりっぷりがおかしい。

王楽師、前も書いたことがあるかもしれないけど……、嫌いでもないし下手だとも思わないんだけど、なんかね、聴いてもね、なんも感想出てこないのよ。自分でもびっくりするほどなんにも引っかからないというか。それこそ逆に下手だったり苦手だと思ったりすればなんか出てくるんだろうけど。
多分、教わった噺に忠実なんだろうと思う。なので不快感を与えたりすることもない代わり、兼好師や萬橘師のような工夫に富んだ噺に馴れすぎた身には物足りないのかもしれない。素人考えです、スミマセン。

鯉八師、お祖父さんがプレイボーイだったそうで、小さな村のほとんどすべての女性に手を出していたとか。お祖父さんの墓にはどこにも行き場のない女性たち5人が一緒に葬られているらしい。「……隔世遺伝はあります!」と小保方さんみたいな言い方。
そのエピソード自体は本当かどうかはわからないけど、噺は夫に先立たれた女性がお墓にいろいろ語りかけてるもの。ふたりで長崎旅行をしたときの思い出話で、長崎の名所や名物の案内にもなっている。
名所や名物を紹介するたびに「前の彼女と来た」と言われ、「前の女の話しないで!」とキレるというのがお約束。
相変わらず単に面白いだけではないという感じ。でも長崎出身でもないのにここまで作り込めるのもすごい。

兼好師と王楽師の対談、改めてふたりで話したりするのは初めてだそうで、何を話せばいいのかわからないのでトークテーマを客から募ろうとなったらしい。
で「仕事で行ったところでもう一度行きたいところ」となった。
兼好師は好楽師の鞄持ちで、入門一年めで既に奈良と沖縄以外はすべての都道府県に行ったそうだ。「笑点メンバーは東京では仕事ないけど地方にはすごい」と真っ黒な笑顔で話す。それ以降沖縄にはどうしても縁がなく、オファーがきても先の仕事が入ってるとか、悪天候で飛行機が出ないとかで未だに沖縄には行っていないのだとか。
とはいえ最近は交通事情の発達によりほとんどが日帰りで、札幌や博多の夜の会とかでもない限り泊まりはないらしい。「実は一番帰りづらいところは千葉。何度木更津に泊まったことか」。それは他の人でも聴いたことがある気がする。
兼好師は城跡が好きだといい、会が始まる前にいくことがあるという。
岐阜城では城までの山道が登山道くらいの険しさだったにもかかわらず着物姿で行ってしまったことなどを面白おかしく語る。もうマクラじゃん。

できたくんは久しぶり。
朝顔とパンダ、それに客からのリクエストで兼好師。
相変わらずの技に惚れ惚れするが、客席にコール&レスポンスを強要するのはやめてほしい。そういうの嫌いな人もいるのです。
娘さんが産まれたそうで、誕生日が一緒だった。ただそれだけです。おめでとうございます。

兼好師の二席めの『へっつい幽霊』はネタ出し。
「バカは死ななきゃ治らない」とはよくいうが、この「バカ」というのは博打のことだ、といって噺に入る。
兼好師の『へっつい幽霊』が面白いのはいつものことではあるが、やっぱりなんだかひとつひとつが面白いんだよなあ。
冒頭の上方の男が幽霊が出たと騒いでるときに、道具屋から「友だちのとこにでも行けばいいでしょう」と言われ、「まだ上方からこちらに出てきたばかりで友だちおらへん」といった後に「……ホントいうと上方にもおらへん」とポツリというところとか。
幽霊が「手のひらを上に向けることは幽霊の決まりでできないんですよね。あと手を胸の上に上げることとか」といいながら、博打に負けて「どぅあーーー!」といいながら頭を抱え、「手ぇ上にあがってんじゃねぇか」と突っ込まれるところとか。なんか知らないけど、なんだかとても面白いのですよ。多分これが腕なんだと思う。

末廣亭の周りにはずいぶんと酒を出す店が遅くまでやっているようで。行きたいのはやまやまだけどね……。百合子のお膝元でよくやるなあ。
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