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らくご長屋 宮治六連続独演会 令和3年7月31日 [落語]

らくご長屋 宮治六連続独演会 令和3年7月31日
於:中野 なかの芸能小劇場

桂宮治 ひみつの時間
桂伸び太『鮫講釈』
桂宮治『船徳』
桂宮治『メルヘンもう半分』

真打に昇進して12時半からの会に出世したそうだ。
まずは「ひみつの時間」と称したご挨拶、ここ最近のフリートークはみんな揃ってオリンピックなのだが、やっぱりどうもみな一様に歯切れが悪い。まあおそらく客席の中にも反対派はいるだろうし、やはり能天気に騒げるような空気でもないし、ということなのだろう。……いや、反対派はあんな狭い空間の落語なんてこないか。ちゃんとステイホーム守ってるだろうし。オリンピックはダメだけど落語はいいなんてダブスタは言わないだろうし。
昨日のたけ平師もそうだが、某不倫オリンピアンは噺家からはいじりやすいようで、「本来あれだけの実力があって人気もあって、でもみんな離れていって、それを挽回するはずだったのに……予選落ちって。あれスポンサーも戻ってこないですよ」と黒い笑み。
「でもあのメンタルはすごい。メンタルの強さなら金メダルですよ。あの人と志らく師匠の伯山のメンタルの強さなんなの? 見習いたい」。
大体そのオリンピアンと伯山と小痴楽師のワルグチ。途中で入ってきた客に「あっ、そこ空いてますよ。大丈夫、もうピークは過ぎたんで」と話の腰が折れたところで「今日は次があるからあまり長いことやらないでくれって言われてたんだ。……まだ話したいこといっぱいあるのにー!」と我にかえってそこで打ち切り。

伸び太さんは2年ぶりくらい。
初めて聴いたときはホール落語で話すのは初めてだったようだが、今ではすっかり慣れている様子で出鱈目講釈の言い立てもスムーズ。まああれは内容が間違っていたところで止まりさえしなければOKというものだが、つっかえたりもしない。中手も起きていた。
ただ息を吸う「しぃーっ」という音と、間々に入る舌打ちが大きすぎる。大御所おじいちゃんじゃないんだから。あれは耳障りだなあ。

宮治師、伸び太さんの成長ぶりを喜びながらも「今日『船徳』やるよって言ってあるのに『鮫講釈』やるって正気か」と戸惑った様子。船の噺がつくからね。
冒頭の場面は親方の方から若旦那に「なにか働く気はねえんですか」と問う『湯屋番』や『五目講釈』のような形。『船徳』としては珍しい。
親方に呼ばれた若い衆が聞かれてもいないのに自白するシーンでは、兄貴分である八五郎が親方の前でかなり強めに張り倒し、親方の方が心配になっている。宮治師なのでかなりのやり過ぎ感があり、実際にあったら訴えられるぞというギリギリぶりが楽しい。
船を出すときには「腰を張る」という仕草で妖しい腰の振り方をして「子どももいるのに!」という下ネタで笑いを取ったかと思うと、大川へ出た場面で扇子で艪の「ギィッ、ギィッ」という音を出す渋い技を見せる。
サゲは大幅に変わっており、へたり込んだ若旦那に代わって……と意外な方向に噺がいく。

二席め、高座に上がった時点で「終演時間まであと7分」。
どうすんのかなーと思っていたら客席が暗くなっていき、高座もスポットライトだけに。浅草の煮売酒屋の描写が出てきたところで『もう半分』かと気づくも、あと5分でできんの? という疑問とともになんか微妙に違うような気がする。
噺が少し進むと、煮売酒屋の主がアンパンマンでかみさんがバタ子、客の爺さんはバイキンマンという『アンパンマン版もう半分』。
ええとなんか検索してみても白鳥師が作った噺の粗筋とか全然ヒットしないんだけど、どうもムーミンというのが実際の噺っぽい。アンパンマンver.というのはどうも白鳥師のTwitterを見るに、どうやら夜の新作の会で掛ける予定の噺っぽい。予行演習? しかしキャラクターとサゲは違うものの、ストーリー自体はオリジナルとほぼ変わらず。アンパンマンキャラがちょいちょい出てきて笑いは起こるが、噺自体は龍玉師が演るようなハードな流れ。つーか俺アンパンマンが始まった頃はすでに中学生か高校生で、子育てもしてないのでまともに見たことないんだよなあ……。
終わってみたら終演予定の時間より20分ほど過ぎていた。たっぷり。
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