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亀戸梅屋敷寄席 令和三年七月三十日 [落語]

亀戸梅屋敷寄席 令和三年七月三十日
於:亀戸 亀戸梅屋敷 藤の間

三遊亭しゅりけん『金明竹』
三遊亭ぽん太『大師の杵』
三遊亭真楽『壺算』
三遊亭兼好『湯屋番』
三遊亭萬橘『井戸の茶碗』

今週は思った以上に仕事が暇だったのでもう一日休みを取る。
そして久しぶりに亀戸梅屋敷寄席に。これ来たかったんだよなあ。
開場時間15分後に行ったらすでに満席。うええ? みなさんお仕事は? いや俺もだけれども。
しゅりけんさんがなんとか一席分作ってくれ、ギリギリ入れた。顔つないでおくのは大事だ。入れなかったら会社休んだ意味が半減しちゃうからね。まあこの顔付けならむべなるかな。兼好萬橘両エースを仲入り後にまとめて入れるとは。おかげで出演者全員が「こんな景色初めて」と口を揃えていたくらい。

しゅりけんさん、いやあ上手くなったなあ。言い立ても実にスムーズで、1回めはとにかく早口に、2回めは松公にわかるようにゆっくり始めるが「兵庫のぼんさんが〜」あたりでギアを入れ替えて一気にトップに持っていく。3回めもおかみさんに伝えるために最初はハッキリと。4回めはハナからトップギアと、ちゃんと毎回話し方が異なる。まったく噛まずに中手までもらう。
『味噌豆』や『八九升』でつまづいてハラハラしたのが遠い日のよう。といってももう3年以上前だけど。
今や立前座……とはいえ今は前座ふたりしかいないんだよなあ。昇進どうすんだろ。

ぽん太さん久しぶり。……あれ二ツ目昇進後は初か。ずいぶん開いたなあ。
『大師の杵』を高座で聴くのは初めて。先代圓楽師のCDで聴いたことがあるくらいかな。
ぽん太さんが達者なのは入門前から知っているのでハラハラはしない。
弘法大師、つまり坊さんの噺なので「ごめんなさいねぇ、こんなね、いやらしいお坊さんみたいなね……」と文菊師のモノマネを入れてくる。「すみません、やりたかっただけです」といいながらずっとやっていたので気に入ったんだな。まあ似てるっちゃ似てる。

兼好師もこの客の入りに目を丸くし、「おあとの萬橘くんが『一生懸命やっている』ように見える噺をやってくれるでしょう」といじる。
返す刀で「緊急事態宣言が出て、オリンピックもやっているさなかにこんなところで落語を聴いているなんて、『非国民!』と言われても仕方ないですね」と客席もいじる。「でも個人的な感想ですけど、落語好きの人ってそういうふうに周りから『非国民』と言われることが好きっていう人が多い気がします」。なんかわかる。なんかちょっと斜に構えてみるとか「変わってるね」といわれることが好きな感じ。もちろん私は違いますけど。
「ただ今年はオリンピック反対派の人も多いので、さほどオリンピックを見てなくても『非国民!』と非難されないんですよねえ」とちょっと残念そう。
どこまでもポジティブな若旦那の妄想に会場はずっと笑い通し。このキャラはやっぱり兼好師じゃないと出ないなあ。
妄想の中の「湯屋の親方が昼のおかずの鮭を喉につまらせて死んだ」という話を客にそのまま話してしまうというのがおかしい。さらに話の最後に親方が「近所の人がみんな香典持ってやってくる」と小言をいって伏線を回収するのが面白い。
噺の中に雷のシーンがあるのだが、それまでずっと外で鳴っていた雷がその時はタイミングが合わずに鳴らない。さすがに天は空気を読まない

萬橘師、「もうみんなアレで満足したでしょ? 笑うってのも体力使うんだよ。まあ先輩の命令は絶対ですから一生懸命やってるように見える噺をやります」といって井戸茶に。
萬橘師の井戸茶は5年ぶりくらい。久しぶりだなあ。
正直清兵衛さんが思ったことをすぐに口に出すという、正直というかバカというか……。しかも結構口が悪い。でもこのキャラが萬橘師と合っていて楽しい。
千代田卜斎から仏像を預かった後のシーンで「くずーい……」と声を出した途端に外の雷がひときわ大きく鳴り、「……。『湯屋番』まだ続いてんのか!?」と叫ぶのも楽しい。
仏像の五十両騒動が収まるときに、井戸の茶碗が譲られるシーンがバッサリと抜ける。……いやいや、これ抜けちゃったら後の話につながらないからカットしちゃだめなシーンでしょ。まあ平日の昼間に亀戸まで落語を聴きに来ているような人たちだからみんな知ってるだろうけど。ちょっと珍しい。

今日は雲行きが怪しいので電車で来たのだが、結局は雷は鳴ったものの雨は降らず。とはいえ道路も濡れてるしやっぱちょっとは降ったのか? こういう天気は困るなあ。
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