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特撰落語会 白酒・兼好 二人会 [落語]

特撰落語会 白酒・兼好 二人会
於:王子 北とぴあつつじホール

三遊亭しゅりけん『やかん』
三遊亭兼好『祇園会』
桃月庵白酒『犬の災難』
桃月庵白酒『茗荷宿』
三遊亭兼好『愛宕山』

今日は久しぶりに兼太郎さんの会へ行こうと思い、早起きして神楽坂までバイクで向かう。……がしかし、バイクを停める場所が見つからない。いや、バイク用の駐輪場がないことは事前に調べてたからわかってた。しゃーねえ路駐すっか、と思っていたのだが、……どうもどこも道が狭すぎるし住宅が密集していてバイクを置いておける雰囲気にない。それに路駐のお仲間のバイクがないとどうも不安なのだがそれも見当たらない。駐車禁止の表示は出てないからキップ切られることはないのかもしれないが……とウロウロしていたら開演時間が過ぎてしまった。これ以上探しても見つかりそうもないので諦めて帰る。つーか神楽坂近辺にバイクで行きたかったらどうすりゃいいんだ? というか東京はバイクに厳しすぎる。

王子もあんまり駐輪場ないんだよなあ……と思っていたら、北とぴあにはちゃんとバイク用の駐輪場が7台分用意されていた。初めて知った。とはいえバイクを停めたら警備員室にナンバーを申請し、帰りも申告するというシステムでちょっと面倒。それでもないよりは全然マシだけど。これまで北とぴあに行ったときは駐輪場に金払って停めたり、公園脇に路駐したりしていたのだがそんなことしなくてよかったんだなあ。

しゅりけんさんはこのところよく聴く『やかん』。なぜか「あれは観音ではない、聖くゎんのん菩薩だ」と話す「くゎんのん」が甲高く早口なのがおかしい。文字に書くと「クヮンノンッ !」って感じ。

兼好師の一席め、最近は日本も東南アジアのような気候になってきて四季折々というよりは「雨季」と「乾季」に分けたほうがいいのではないか、という。「さらにこの梅雨があけると今度は殺人的な暑さがくる。しかも今年はみんなが『やめたほうがいい』といっているのにオリンピックまでやるんですよ」。ねえ。正気かしら。
「私が一番心配しているのは、実際のところ特に何もなくオリンピックが終わってしまうこと。特に感染者が増えることもない代わりにイマイチ盛り上がらない、というのが一番つまらない」という。実は私もそうなるんじゃないかなーと思っている。「全国が盛り上がって『やっぱりオリンピックやってよかったね』となるか、パンデミックが広がって『そらみたことか』となるか、極端なことにならないと祭りとしては面白くない」という。
オリンピックをやるなら、地方の祭などもやらせたほうがいい、その地方の人たちはその祭を楽しみに一年過ごしているのだから、という。特に祇園祭などは疫病を鎮めるために行われたものなのに、コロナで中止になるというのは本末転倒だというところから『祇園会』に。
下手な人だと京都人の煽りがただただ不愉快なだけだが、兼好師がやるとなぜかそのイヤミさえ面白い。イヤミを言ったあとの笑い方が奇妙なのが強烈で、それで中和されるのかもしれない。

白酒師の一席め、現在池袋と新宿の寄席に出ているのだが、寄席が元気がないという。なのにその周りはというと緊急事態宣言もどこ吹く風で開いている居酒屋が大繁盛だとか。「もうあそこらへんは仕方ない。行くほうが悪いんだとと思うしかない。高田馬場なんかも路上飲みがひどいので駅前のロータリーを閉鎖したそうだが、逆にしないと。あそこで飲んでる奴らを集めといて、『お前らは出るな!』と閉じ込めないとダメですよ。あいつらバカばっかりなんだから」と過激なことをいう。「あそこにいるのはほとんど浪人生とか専門学校生とかバカばっかり。早稲田もいるけど早稲田は田舎モンのバカばかり。慶応は金持ってるバカ。法政は絵に書いたようなバカ。そもそも大学生はみんなバカ」と全方位に喧嘩をふっかける。「別に法政をそんなに悪く言うことはないんですが……でもD大とかいっちゃうと本当のことを言っちゃうんで」と特大の毒を吐く。
「でもやっぱりこういうときには楽しみを残しておかないと」と酒を呑むことについては理解を示す。「本来、酒の味はみんな好きではないそうです。酔いたいから飲む。川柳川柳師匠も酒好きで有名ですが、つまみがないときはお茶を飲みながら酒を飲んでる。『お茶がつまみになるんですか』と聞いたら酒の味を消すために飲んでると言っていました」とか。へえ。でも確かに実は私もアルコールの匂いってあまり好きじゃない。ウィスキーとか焼酎とか、アルコール度数の高い酒を飲めるようになったのもここ数年だしなあ。
「酒の味が好き、という本当の酒飲みは少ない」としながらいきなり「酒が飲みてえなあ」と始める。『犬の災難』は志ん生師が『猫の災難』をアレンジして作った噺、というのは知識としては知っていたが、実際に聴くのは初めて。そういや白酒師は古今亭か。
『猫の災難』では兄貴分に遠慮しいしい盗み飲みをしているが、この噺ではかなり堂々と飲んでいる。「ちょっとね、ちょっと」などと言いながら「一杯になっちゃったー、っと」全然悪びれていないところがおかしい。

白酒師の二席め、ウーバ○イーツに触れ、「絶対に頼みたくない。……だって街中で見かけるアレですよ? あんなのに運んでもらいたくない。アイツら絶対途中でペロッとやって『うーん、イマイチ』とかいってますよ」と偏見全開のことを言い放つがすっげえよく分かる。なんで責任も取らないでいい人が運んだものを信用して口にできるんだろう。
デリバリーの話から昔の物流の飛脚に話題が移り、『茗荷宿』に。
茗荷同様さっぱりとした一席。「茗荷の刺し身です」「生の茗荷だろ?」「刺し身です。わさび醤油でどうぞ」「退かねえな……」「茗荷の開きです」「切っただけだろ?」「開きです。大根おろしを添えて」「ホント退かねえな」というトンデモ料理のやり取りが面白い。

兼好師の二席め、「白酒師匠はあんなに毒吐いてよく暗殺されませんね」ってあなたも相当だと思うんですが。「さっき飛鳥山を見たら紫陽花がキレイに咲いてるみたいですね。昔は飛鳥山にもかわらけ投げがあったそうで……」とかわらけ投げが出てくる『愛宕山』に。一席めに引き続き、今日は兼好師の登場人物は京都にいるようだ。
山に登りながら一八がどんどん疲れていく様子があからさまでたまらない。
傘を手に崖から飛び降りようとしながら躊躇している一八に対して、「重蔵、お前背中を押してやれ」と命じながら実際に突き落とされると「お前ホントにやったの?」と裏切る旦那もおかしい。

終演後兼好追っかけ仲間と「どっか呑みに行くか?」と誘われるもバイクだし夜に遊馬師の会もあるのでパス。というか酒出すところあるのかな……。もうそろそろ酒解禁してほしいところ。
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