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第437回ノラや寄席 遊雀・遊かり親子会17 [落語]

第437回ノラや寄席 遊雀・遊かり親子会17
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭遊雀『四段目』
三遊亭遊かり『伊勢音頭巴浮女』
三遊亭遊かり『ちりとてちん』
三遊亭遊雀『強情灸』

久しぶりになかの芸能小劇場へきた。環七走るのも久しぶり。
遊かりさんにNHKの取材が入っているそうな。テレビのスタッフから「映り込み大丈夫ですか?」と確認されて「あーはいはい」と適当に答えてしまったが、「嫌だ」と答えていたらどうなったんだろう。たまにある一部の人の顔にぼかしが入っているアレか。
しかしテレビが入っているからか、やけに目立とうとしている? 客が目立つ。舞台に向かってやたら”グー”を送っている人やら、定番のくすぐりに手を小刻みに叩く(しかも音が大きい)上にでかい声で爆笑するとか。あああああうるせええぇええぇえぇええ! アピールすんじゃねえよウゼえな!
……なんか遊雀師の客ってこんなの多い気がするんだよなあ……。

遊雀師の一席め、「いつもは高円寺でやってるんだけどね、たまにはこっちで。高円寺はね、楽屋が狭いんだ。楽屋というか倉庫。はばかりもないしね。この歳になると高座に上る前にはばかりいきたいんだけどそれもままならない」とか。
「遊かりに取材が入ってるんだけど、忖度するならこっちよ。テレビに映ったときに師匠のほうが笑いが少なかったら大変でしょ」と言われて一部の客が張り切る。うーむ。
小僧定吉のこまっしゃくれた感じが楽しい。蔵に閉じ込められておきよどんにおまんまをねだるも無視されて突如野太い声で憤るところが面白い。遊雀師の噺にはこの手法がよく取り入れられているように思う。
芝居仕立てのところはクサさがたまらない。

遊かりさんの一席め、まずはNHKの取材が入ることになったきっかけや愚痴などをマクラに。新作のネタおろしをプロデューサーだかディレクターに頼まれたそうな。
噺は長屋のおトラ婆さん、年増のおくまさん、お店の若女将のおはなさんが伊勢参りへ行く道中記。伊勢へ着いたものの、詐欺にあって一文無しになり、伊勢の遊郭で踊りを踊って暮らしを立てるというもの。
私はたまたま伊勢参りを題材にした時代小説をいくつか読んでいたので、御師(おんし)とかおかげまいりとか、この噺のキーワードになる事柄について知っていたが、それを知らない人のために冒頭に結構長い時間をかけて仕込みを行う。うーん……。噺に入る前にそんなに説明をしておかないとならないと考えると、結構辛いような。
出てくる三人の女性それぞれのキャラクターはいいのだが、いかんせん噺が練れきれていないようなのが素人目にもわかってしまう。噛んだり「えー」「あー」が多かったり、途中で突然素に返って解説を始めたり、正直ちょっとまだお金を払った客前で演るには早かったんじゃないかなあ、という感想。

二隻目の『ちりとてちん』は大家と店子という関係性から姑と嫁というものに変え、舞台を現代にしている。「白いおまんまというものがある、ということは知っていたのですが……」というと「アンタうちの息子に普段何を食べさせているの!?」というツッコミがおかしい。

遊雀師の二席め、コロナ禍で仕事が減ったことで、これまで覚えたもののずっとほったらかしにしていたネタを「久しぶりにやってみようかな」と思ったという。落語というものは会話なので、なんとなく覚えていたものでもできてしまうという。「だから何度か高座に掛けているうちに誰でも自然に上手くなっていく。たまに寄席で『え、このキャリアでこれ!?』という噺家がいるが、それはむしろレア」となかなかダークなことをサラリと話す。
今日は遊かりさんに花を持たせるためか、二席とも軽めのネタ。それでも爆笑をさらうのはさすが。高座から時計が見えないのか、客席に「今何分?」と聞いておきながら、そこから9時ピッタリに終わらせるのもまたさすが。
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