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第二十三回 東海道神奈川宿寄席 [落語]

第二十三回 東海道神奈川宿寄席
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭しゅりけん『やかん』
三遊亭兼好『看板のピン』
柳家㐂三郎『夢八』
柳家㐂三郎『徳ちゃん』
三遊亭兼好『崇徳院』

今日は窓ガラス掃除。
これから趣味を掃除にするか。
掃除してるとココアが邪魔しにやってくるのがかわいいながらもウザい。やめて。かわいいけど!

しゅりけんさん、ここんところ毎回いってるけどホント上手くなったなあと思う。最初の頃の『味噌豆』や『八九升』でハラハラしていた頃が懐かしい。
今日もあからさまに間違えてたところがあったけど、それを「あ、間違えた」などと言わずにさらっと処理しているのを見ると感慨深い。俺は親戚のおじさんか。
や、講談のところとかちゃんとできてるのを聴くと「ああ、あの子がこんなに立派になって……」と思うって。

兼好師の一席め、政府の「まん防」はつくづく失敗だと語る。「最初に『蔓延防止〜』というのが定着してから『まんぼう』と略すならともかく、いきなり『まんぼう』にいっちゃいましたからね、この刷り込みを覆すのはもう無理でしょ。最初にふざけた名前が頭に入っちゃったらそれを追い出すには相当時間がかかりますよ」という。確かに。
「なので、『㐂三郎』というのも同じですよね」という。……ん?
「これまで『小太郎』という名前に慣れてて、しかもそれが似合っていた。それを『㐂三郎』に上書きするのは相当大変ですよ。それに『㐂三郎』には大工のきさっぺの小咄があって、それに引っ張られる。私も『小太郎、じゃなくて、きさっぺ、……㐂三郎』と時間がかかる」という。まあ確かに。落語好きで「㐂三郎」といわれたらすぐさま「きさっぺ」と出てくるだろうし。「今日も顔を合わせた時に『間違えちゃいけない』と思いながらも最終的に出てきたのが『きたろう』ですから」という。それはそれで喜びそうだけれども。
「なので今日は『さすが真打』『さすが㐂三郎』という噺をしてくれるはずです」とハードルを爆上げする。
『看板のピン』は兼好師では久しぶり。
兼好師の噺は常に進化しているものとずっと変わらないものがあるが、この噺は二ツ目の頃から変わらない。
もちろん細かい言い回しなどは変わっているだろうが、入れ事や変わったくすぐりもなし。それだけ完成された噺なのだとも言える。
毎回同じ箇所で同じように笑ってしまう。わかっていても笑えるというのが落語のすごいところだよなあ。

㐂三郎師の一席め、「顔と名前だけでも」というのが噺家の常套句だが、「㐂三郎」という特殊な名前がそれを難しくしているという。今日噺を聴いて㐂三郎師に興味を持ったとしても、とにかく「㐂」という字が変換で出てこないので検索すらできないという。ひらがなで検索しても前述の大工の小咄しか出てこないそうだ。確かに。
「なので、パソコンなどで私の名前を入れるときはコピペしてください。そのやり方さえわからないという方は、もう諦めてください」。俺ももういちいちコピペするのが面倒なので、「㐂三郎」をiPhoneとパソコンに辞書登録しました。一発で出てくるので楽ちん。
「しかしなんでしょうね、兼好師匠のあのハードルを上げる感じ。愛のないムチみたいな。私はいかにその上がったハードルをくぐっていくかってことしか考えてませんから」だそうだが、まあ㐂三郎師ならできるでしょ。
今は披露目興行の最中なのだが、「周りが気を使っているのか、私が人気がないのか」それ以外の仕事がないのだという。本来この会は昨年行われるはずだったのが延期になり、その間に真打に昇進したため「もしかしたらキャンセルされるかも」と思ったのだそうだ。二ツ目よりもギャラが上がるし、主催者が気を使うことがあるらしい。「今日はそういうことを気にしない方でした」。
披露目だと縁起を担ぐのでできない噺が多いらしい。そういや昇進前に行った会でもそんなこと言ってたな。人が死ぬ、縁起が悪い、よくわからないといった噺をすると上から怒られるとか。「なのでそれらが全て揃った噺をやります」というセリフでまあ『夢八』だろうなと予想がつく。
吉村作治氏にも大ウケだったという首吊のシーンもたっぷりと。

二席めも披露目ではできないという廓噺を。そうなんだ。
『徳ちゃん』はあまり演る人が多くないようで、第一人者はさん喬師のようだ。てことは直伝なのかな。
㐂三郎師の軽やかな語りは主人公の噺家にピッタリ。ただその分モンスター花魁の迫力がやや弱いか。でもあんなの出てきたら嫌だろうなあ。

兼好師の二席め、相変わらず恋患いを打ち明けられたときの熊さんのリアクションが楽しい。
また、上野の山で短冊を渡すやり取りを若旦那がたっぷりと感情豊かにやって「いつまでやってんですか!」と熊さんがツッコミに回りながらも、大旦那に報告するときに自身もまた繰り返すのがおかしい。若旦那と熊さんで若干クオリティが異なるのも芸が細かい。

終演後は久しぶりに追っかけ仲間と野毛の立ち呑みでちょっと一杯。近所の子どもたちから懐かれてるという腹立たしいことを聞かされる。くっそ何それ。みんなーそのオッサンはそんな好々爺じゃねーぞー! 騙されるなー! いつも酒おごってもらってるけど!
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