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上尾×落語 Vol.4 三遊亭兼好独演会 [落語]

上尾×落語 Vol.4 三遊亭兼好独演会
於:上尾 上尾市文化センター小ホール

三遊亭しゅりけん『弥次郎』
三遊亭兼好『長屋の花見』
三遊亭兼好『不動坊』

桜も一気に満開。
会場の周りには見事な桜が咲いていた。菜の花との取り合わせが美しい。

しゅりけんさん、なんか聞くたびに上手くなってるような気がする。
今日は久しぶりに狭めの会場で高座に近い席に座ったからか、「スゥーっ」という息継ぎの大きさがちょっと耳についたかな。

兼好師の一席め、緊急事態宣言が明け、一番危ないときにありがとうございますとご挨拶。
今回の緊急事態宣言は栃木が入って緊張感が薄かったので、解除されても人の数はそんなに変わらないのではないかと思ったが、やはり上野などは人が多かったという。
これでいつ次の波がくるかわからないので、もういっそ全国民二週間ごとに完全にオンオフし、人的に波を作ってしまえばいいという奇策を打ち出す。
今日などは桜も満開で、花見にはいい日だと桜にまつわるマクラをいくつか。曰く、日本の城に桜が植えられたのは明治からだそうで、時代劇に花を愛でる殿様というのが出てきたら間違いだとか、町屋の焼き場の桜が素晴らしく、いくらか香典を持っていくだけで精進落としを飲み食いしながら花見ができるとか。
そんなマクラからは当然と言えば当然の『長屋の花見』に。
大家が結構強権的で、ムチャ振りをするときにすぐに店賃をカタにする大人気なさが楽しい。
対して長屋の連中も大家に対して好き勝手いいながらも一定の親愛の情がある言動が見え、このバランスが心地いい。
「大家といえば親も同様、店子といえば子も同然」を実践しているようで、このじんわりとした間柄がいかにも兼好師らしくていい。
そういえば最近はみんなこの「同様」と「同然」の言い換えをせず、統一してることが多い。兼好師は親と子で変える派のようだが、こういうのを注意してみるのも興味深い。

二席め、キッチリひと月振りの『不動坊』。
兼好師は同じネタは東京近郊の場合は最低ひと月あけると以前に言っていたので、最短で再聴ということになるか。まあもしくは上尾は地方扱いなのかもしれないが……。
とはいえ『不動坊』はネタとして大好きなので何も問題はない。
「不動坊が死んだ」と聞いた途端に吉公の目に宿る狂気の光がたまらない。この静かに鬼気迫る狂気とそれによる言動がまた腹が捩れるほど面白い。
また、大家の家を出た後、ストレートに「わあ、嬉しいー!」と素直にテンションMAXになるのも兼好師の突き抜けた明るさの賜物か。
一切の邪気がなく、思わず「よかったねえ」と言ってしまいそうになるような浮かれっぷりに自然と頬が緩む。
吉公の狂気に大きなリソースを割いているからか、後半の屋根の上の作戦についてはくどくどしい入れ事などを抑え目にしている印象。そうはいってもチンドン屋の万さんのキャラなど面白い要素は満載で、『浮世床』のような「わーわーもの」のような雰囲気も味わえるお得な噺だと思う。

次回は扇辰師とか。そんなの予約するしかないじゃないですか。
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