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第九十一回 一蔵ひとりの会 [落語]

第九十一回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『鮑のし』『花筏』『火焔太鼓』

寒いなー。
らくごカフェまではバイクで20分ほどだが、体の芯まで冷える。こんな事態でも2階のカレー屋ボンデイはぎゅうぎゅうに列を作って並んでいる。まあこっちも外出してるので文句は言えないが。

と思っていたら一蔵さんがマクラで不平をこぼす。
らくごカフェに行くには行列の横でエレベーターに乗るのだが、そこで行列に並んでいる人から「割り込むんじゃねーよ」という視線を感じるという。超わかる。ヤツらはこのビルにボンデイしかないと思ってるから、他のフロアに用がある人がいるということをわかってない(人が多いような気がする)。一蔵さんも逆クレーム。「2階からエレベーター使って降りてくるな」。スーパーわかる。開演時間ギリギリに着いたときに限ってエレベーターがなかなかこない上に2階から乗り込んで1階に降りてくるヤツいるんだ。
「……こんなこと言うつもりなかったんですけど、なんか溜まってたんですかね」とのこと。
いつもは年越しは近所の神社のボランティアで甘酒配りをしているのだが、今年はコロナの影響でなくなって久しぶりに家でのんびり年越しをしたそうだ。さらに師匠宅への挨拶もなし。その結果、マクラで何度も話されている「味なし雑煮」もなしだったとか。
毎回面白おかしく話しているが、味がなかったのは1回きりだったそうだ。その後は毎年「一蔵、今年は味があるから」と嫌味を言われながら振る舞われるのだとか。「年の初めにそんな気を使う辛さがわかりますか!?」っていうけど、完全に自業自得のような……。
おめでたい噺として掛けたようだが「覚えてからそれっきり全然演ってない」とのこと。確かにちょいちょい抜けてそうなところがあったかも。しかし数年放置していた噺を思い出しながらでもできるってのが噺家はすごい。

いつもなら一席めと二席めは一度楽屋に引っ込むのだが、今日は紋付袴姿なので引っ込むのも面倒とそのまま二席めに。
今日から初場所なので相撲の噺をしようと思っていたのだが、『阿武松』も『佐野山』もつい最近掛けたばかりなので一番自信がないものしか残っていないといいながら『花筏』に。俺『花筏』は八割方兼好師で、あとは遊馬師と一蔵さんで1〜2回ずつくらいしか聞いたことがない。あまり掛ける人が多くないのだろうか。
親方から「土俵の上では絶対に目を合わせないで他のことを考えろ」と言われて土俵に無理やり上げられた提灯屋が、「今年は春風亭柳枝が誕生するから一門として応援しなきゃ。……でも俺のマブダチは㐂三郎、きさっぺなんだよなあ!」といろいろとお悩みを吐露するのがおかしい。

三席め、これまで聴いたときは甚兵衛さんもおかみさんも常にハイテンションで聴いていて疲れたのだが、現在はだいぶ落ち着いている感じ。特に甚兵衛さんが気弱な感じになっていておかみさんとのメリハリが効いているように思えた。一席めの『鮑のし』とついている気もするけどそれはまあご愛嬌。

たまたま楽屋から顔を出していた一蔵さんと久しぶりに言葉を交わす。一言だけだけどね。
タグ:春風亭一蔵
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