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第九十回 一蔵ひとりの会 [落語]

第九十回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『笑い茸』『古手買い』『御神酒徳利』

やべえな今年は年賀状とかも何にもしてない。でも落語には行く。

一席めは今年を振り返りつつ。
オンライン配信だと仲間の高座を正面から見られるので嬉しいといい、文菊師の仕草に大ウケしていたとか一左師のコロナ真打自虐が止まらないとか。
亀有リリオでの一門会で起きたエピソードや大喜利の大惨事などを相変わらず面白おかしく話す。
笑いの重要性を説いて『笑い茸』に。
笑ったことがないという旦那に笑い茸を食べさせて寄席に連れて行く噺で、実在の噺家とフレーズが登場する。
「春風一刀と申します。名前が一刀だけに真剣に……」「くだらん!」「春風亭一朝と申します。名前が一朝だけにいっちょうけんめい……」「天才だ!」と師匠を持ち上げるのがおかしい。

二席めはネタ下ろし。ある師匠に稽古をつけてもらうことになったのだが、すでに持っている噺も多かったため、珍しい噺を選んだという。一蔵さんも寄席で掛かっているのは聴いたことがないそうだ。
が、一蔵さんに限らず珍しい噺をするときは必ず「珍しい噺っていうのは面白くないから廃れていった」と注釈が入る。「最初っから言い訳から入るんすから」というぶっちゃけも楽しい。
唯一米朝師匠の音源をYouTubeで見つけたそうだが、その米朝師匠も言い訳していたとか。
さて噺の内容だが、親戚の着物を買いに行きたいので買い物上手の友人についてきてくれと頼み、店でありえない額を値切ったら番頭にぞんざいな扱いをされたのでキレて啖呵を切るというようなもの。三席めでの一蔵さん曰く、「最初『壺算』で途中から『大工調べ』になり、最後は小咄で落とすわけのわからない噺」だそうだ。
「これでもかなり手を入れてわかりやすくしたんです。教わったままだともっと意味がわからなかったのをどうにかここまで持ってきた」とのことだが、あまりの噺の筋のぶっ飛び方に頭の中が「?」でいっぱいになる。
「一席め二席めは珍品を聴いていただいたということで……」とのことだが、たしかにレア物だった。

三席めはスタンダードに。
鴻池の支配人の圧の強い強引さがいかにも一蔵さんらしくておかしい。
そろばん占いのときに変な手振りをつけて「胡散臭いな!」と毎回ツッコミを入れられるのも面白い。
でも宿の旦那が鴻池の支配人に話をされて大坂行きの話を善六さんにしようとしているときに「あっ、旦那! いま芸者の〇〇ちゃんと△△ちゃんにいい人がいつ現れるか占ってあげようと思って!」「無駄遣いするな!」というやり取りが実は一番好きかも。
以前小辰さんとリレーでやっていたが、小辰さんと共通のくすぐりも多い。同じ師匠にふたりいっぺんに習ったのだろうか。

予定よりだいぶ時間が過ぎての終演。かなり力が入っていたようだ。
タグ:春風亭一蔵
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