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三遊亭遊馬独演会 2020年12月6日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 2020年12月6日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『鮑のし』『崇徳院』『愛宕山』

天気のいい日曜をダラダラ過ごすと喪失感がすごい。
朝早めに起きたのにずーっとうだうだしてしまった。
これで明日からまた仕事かあー。
まあ最後に落語で〆てるからよしとする。

さて例年ならば年に2回、6月にもあるのだが今年はさすがに中止となった。今回もいつもであれば後援会が主催なのだが、どうやら遊馬師の自主公演の形になっているようだ。一席おきという制限はないものの、席数は絞っての販売だったようで。もちろん穴開きはあるが、全体的にお客は入っているようだった。
寄席やホール落語へ行って最低限の遊馬補給はしているしているものの、三席たっぷり聴けるのは3月の遊馬百席以来でかなり久しぶり。

一席め、ぼんやりとした甚兵衛さんの佇まいはほんわかとした遊馬師の雰囲気と合っていてとても心地良い。バカすぎる与太郎よりも、その手前の甚兵衛さんくらいの方が私は好き。甚兵衛さんの他にも侍や相撲取りなんかもビッとハマるからいいんだよなあ。
その甚兵衛さん、山田さんから借りた五十銭が1円に化けるからくりを魚屋の親方はおろか大家さんにまで話してしまう。「これはね、お金儲けなの。他の人に話しちゃダメだよ」と念を押すバカバカしさがたまらない。
大家さんはいきなり怒り出すような理不尽さはなく、戸惑いながらも「受け取れない」と突き返す優しさがある。
熨斗の根本を教えてくれるのは鳶の頭ではなくさっきの魚屋の大将という型は初めて聴いた。
さらに大家も熨斗の根本を聴いて本当に感心している様子なのもいい。誰もツンケンしてない。

二席めは3月の遊馬百席でも聴いた『崇徳院』。
熊さんと若旦那は年の近い友だちという設定なのはあまり聴かない。「親友のために」と駆けずり回るという形は美しいが、恋患いで寝込む若旦那の一方で、熊さんはおかみさんも持って三軒長屋に住んでいるというのはちょっと無理があるような。三軒長屋って割とステータス高めの人が住んでるんじゃなかったっけ。
とはいえ恋患いを打ち明けるのは歳の離れたおじさんよりは友だちの方が自然か。

三席め、今度は旦那が大旦那ではなく若旦那になっている。これまた初めて聴く型。
小判を投げるのは自分で稼いだものと親の金とではだいぶ重みが違う。ただ、親の金だからこそぽいぽい投げるのも納得がいく。
一八が鼻歌を歌いながら山に登る場面では恒例のハメモノが入る。
かわらけ投げをする場面では、かわらけが的に当たると「チーン」と鳴るという芸の細かさ。
谷底にいる一八と上にいる若旦那と会話をする場面では声の調子だけで谷の深さが伝わってくる。これ地味にすごい表現力ではないだろうか。声の伸び具合とかすっと声が消える塩梅が絶妙。

早く遊馬百席も復活しないかなあ。
タグ:三遊亭遊馬
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