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第39回 宝寄せ 早い忘年会 [落語]

第39回 宝寄せ 早い忘年会
於:六郷土手 宝幢院

柳家一琴『真田小僧』
三遊亭兼好『権助魚』
古今亭駒治『同窓会』
古今亭駒治『鉄道戦国絵巻』
柳家一琴 紙切り
三遊亭兼好『締め込み』

中野の小辰さんの会が終わった後、兼好追っかけ仲間にビールでもタカろうかと思っていたのだがいつの間にかいなくなっていた。撒かれたか。この会には行かないと言っていたし。
仕方ないので最寄りの雑色駅まで行き、そこでランチビールでもすっかと思ったのだがあまり店がない。そりゃそうか。昼間っから酒が飲める北千住とか中野がおかしい。
久しぶりに松のやでとんかつをビールなしで食す。おいしい。……しかしかなりもたれる。ううむ。

さて久しぶりの宝寄せ。実に6年ぶり。
駅からやたら遠い道のりをテクテク歩く。雨やむってわかってたらバイクできたらよかったなあ。

開演前に住職のご挨拶。なにやら一琴師からサプライズがあるという。

で一琴師。「サプライズというのは黙ってるからいいのであって、前もって言ってしまっては……」ごもっとも。さてそのサプライズの内容はというと「ひとり二席ずつやります」とのこと。これは嬉しい。この顔付けでこの木戸銭なら前座を含めてひとり一席ずつだろうなあと思っていたのでかなりのお値打ち。
「なので私が前座。短い噺をやります」といいながら『真田小僧』に。なるほど確かに短めにするためか、父親に小遣いをせびる算段の場面などは短め。しかし日曜の昼のお寺で結構な直截的な濡れ場を演じる。
短めといっていたので「お前この話聞きたい? ならハナ一銭出しねえ」で終わりかと思ったがしっかりと『真田三代記』のところまで。そもそも女房が聞きたがる場面がない。一度で講談を覚えた金坊に「おめえ頭いいなあ」と素直に感心する父親の表情がおかしい。

兼好師の一席め、師匠は5年振りだそうで、「いいですね、このアクセスの悪さ。しかしアクセスが悪いということは、皆さん目的を持ってここにきている。たまたま通りかかって『へー落語やってるんだ、行ってみよう』という人はいないですから。ここはたまたまは通りかからない」と会場をいじる。
昔は親戚縁者一同の了承があればお妾さんを持つことができたのだが、そこに至るまでが大変だったようで……と噺に入る。兼好師の『権助魚』は久しぶり。
『悋気の火の玉』でもそうなのだが、ヤキモチを焼いているお内儀さんはなぜか目を見開きつつアゴを上げて左右に小刻みに揺れる。それがなんだかよくわからないけどおかしい。「……お前ねえ、それお前が思ってる以上に怖いよ」という旦那の一言がまた。
そして毎回思うがこの権助の愛嬌のあること! やっぱり兼好師の権助最高。

駒治師、一席めは甲子園の決勝、9回裏ツーアウトからサヨナラエラーをした元球児たちが同窓会で集まる噺。んー、うん。
仲入りを挟んだ二席めは私が駒治師を初めて聴いたときのネタ。このネタを聴いて彼女とゲラゲラ笑ったっけ。初めて作った鉄道落語だそうだが傑作だと思う。東京の人じゃないと通じない噺ではあるが。ちゃんと実際の鉄道の変化に合わせて細かく噺がアップデートされているのもポイント高い。

一琴師は二席めは余技といって紙切りを。そういえば前にも見たことあったな。
桃太郎にきびだんごをもらう犬や宝船を器用に切り抜く。
特にムーミン一家は見事だった。
また、会場に来ていたお客さんの似顔を切ったのだが、これが本当に似ていた。仕込みじゃないならこれかなりすごい特技なんじゃなかろうか。

トリの兼好師、地元の会津若松でまむしに噛まれた知人が血清を打ってもらったという話をマクラに。血清といってもまむしからできているのではなく、馬由来なのだそうだ。まむし毒にも効くが、そのかわり馬アレルギーになるのだとか。……まあ普通に生活してる分には影響なさそうだが。血清が効くときには幻覚が見えたりするそうで、「沢尻さんも血清にしとけばよかったのに」と相変わらずの兼好節。
「『まむしの〇〇』なんてあだ名が付くと悪いやつと決まっていますが落語に出てくるのは泥棒からしてそんな二つ名を持っているやつはおらず……」と『締め込み』に。
ネタは鉄板なのでつまらないなんてことはあろうはずもない。いつもながら半泣きになりながら女房を問い詰める亭主の姿が最高。

帰りは少し足を伸ばして蒲田まで歩く。せっかくの蒲田なんだから安酒場でちょっと呑んでから帰ろうと思って焼鳥屋に入ったら、煙がすごくて全身焼鳥臭くなり早々に退散。電車で迷惑だっただろうなあ……。
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