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けんこう一番!第九回三遊亭兼好独演会 [落語]

第九回 三遊亭兼好独演会 けんこう一番!
於:国立演芸場

三遊亭兼好『のめる』
三遊亭じゃんけん『代脈』
三遊亭兼好『たがや』
伊藤佑介 けん玉
三遊亭兼好『佃祭』

はあ。仕事が終わらない。いくらやっても終わらない。終わらないどころか後から後から詰め込まれる。会社に殺されそう。
昨日の誕生日も帰りの電車の中で迎え、1日の終わりも帰りの電車で過ごした。なんなんだこれは。
今日も今日とて終わらない。けど中途半端なところで放り出して会社を出る。明日明後日出りゃいいんだろ。ケッ。みんな死ねばいいのに。

さて今日のゲストはけん玉師の伊藤佑介さん。
兼好師の周りで「けん玉」といえば現兼太郎のあの人。おかみさんもそうらしく、プログラムに「ゲスト けん玉 伊藤佑介」とあるのを見てゲストがふたりだと思ったそうで「ゲストけん玉なの!? なんで!?」「いやすごいテクニックらしいよ」「あれが!? アンタなんか弱みでも握られてんの!?」となったそうな。
昨日はおかみさんも誕生日で、弟子一同からハーブティーを貰ったそうな。オリジナルでブレンドしてもらったそうで、「おかみさんブレンド」と名前が付いていたとか。それを飲んだおかみさんが「身体から力が抜ける」とへたり込んでしまったそうで、「アイツら何を盛りやがった」とか。兼好師曰く、「『凶暴な人がいるんで』とブレンドしてもらったんでしょうね」とのこと。
弟子たちの話から「自分はあまりうるさいことは言わない方だが、職業上、言い間違えや言葉遣いが気になる」と口癖の噺へ入っていく。
「のめる」が口癖の八っつぁんの底抜けに明るいキャラクターがとにかく楽しい。「ありがてえ、いっぺぇ飲める」というときの手を叩いて「ヨッ」と毎回ポーズを取るのもおかしいし、ご隠居のアイデアに手を叩きながら指を指すポーズもウザすぎて笑える。
ご隠居の「こちらから出向かずに網を張ろう」という言葉をそのまま受け取って、網を買って自分の長屋に張るというのもいい。1円のためにいくら金を掛けてるんだか。

じゃんけんさん、こんな空気の中を出てくるのはなかなかの荒業ですなあ。
銀南の図々しさや空気の読めなさが楽しい噺だが、ちょいと過剰な気も。時間の都合か最後がかなりバタバタだったかな。

兼好師の二席め、仕事で川越に行き、風鈴がずらりと並べることで有名なお寺に行ったのだが、音がまったくしなくて不気味だったという。聞けば近所のクレームを気にして音が出ないようにしているらしい。なんだそれ。最近のなんでもクレームつける風潮ホント嫌い。
兼好師の自宅近くの教会の鐘も鳴らさなくなったという。そのかわり区の放送はうるさい、と言い、「5時に5時に5時になりましたなりましたなりましたおうちにおうちにおうちに」とエコーのかかった防災放送のマネ。これがすごい再現度。ホントこの人すげえな。
そんな中でもさすがに花火は自粛していないと『たがや』に入る体制に持っていき、お約束の掛け声のマクラに。
フォーマットともいえる掛け声の話だが、歌舞伎のプロの大向こうが『ちびまる子ちゃん』を読みながらやっていた、とか、小三治師への声掛けが「高田馬場〜」とゆっくりだったので駅のアナウンスみたいだったとか、兼好師ならではのマクラになっている。
またこの噺の兼好師のオリジナルの型で合間合間に家族エピソードを差し挟むのだが、この小ネタも一新されていた。日々アップデート。

けん玉師の伊藤佑介さん、けん玉に特化したジャグラーかな。
ギネス記録を2つ持っていて、そのうちのひとつは「もしもしかめよ」を8時間近くノーミスで続けたらしい。1分間に130回以上というルールがあり、もちろん飲み食いなし。というか見てる方も大変だそりゃ。
ジャグリングでよくやるお手玉をけん玉で行なったり。手で掴めない分難しそう。

兼好師の三席め、夏らしい噺を続けて。
次郎兵衛さんが引き止められる前半部分は笑いが少ないものだが、要所要所でしっかりと笑えるくすぐりを入れてくる。
おかみさんがヤキモチ焼きであることを表すのに顔をタテヨコにひっかく仕草をするというのが面白いが、それが近所の人にまで浸透しているのがおかしい。
佃島の船頭が「旦那が助かったのは女房のおかげではなく旦那自身のおかげ」ということを言おうとして途中で自分で何を言ってるのかがわからなくなっていき、「……わかります!?」とぶん投げるのがまた。
場面が神田に戻ると、ここからは兼好師お得意のパターン。町内の人々が悔やみになってないお悔やみを立て続けに言いにくるシーンでは、最初に大泣きしていながら徐々に女房ののろけを言っている男がたまらない。こののろけがやたらに長いのは兼好師独自の演出だろうか。延々とのろけを喋り続け、こちらも延々と笑わされるのだからうっかりしていると『佃祭』だったということを忘れてしまいそうになる。
サゲはスタンダードの「有りの実」のパターン。与太郎が不要になった早桶を返しに行こうと担いだままという情景がシュール。

あーあー明日も会社行かなきゃなんないのか。クライアントが入ってるビルだけピンポイントで有事でも起こんねーかな。
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