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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年6月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年6月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『牛ほめ』
三遊亭じゃんけん『初天神』
三遊亭兼好『やかん』
三遊亭兼好『三年目』

今日もこの後は休出。さていよいよ心身ともに限界が近づいてまいりました。いろいろとマイナスのことしか考えられないし、ちょっとしたことですぐにパニクってまともに思考ができなくなる。俺こんな人間だったっけ? 自分で自分がわからなくなってきてる。わかってるのはこのままじゃヤバいってことくらい。

落語に行く余裕や気力すら出てこないが、さすがに兼好師のこの会くらいは行って無理やりにでも少しくらい気分を上げないとホントに潰れてしまうかもしれないと気分を奮い立たせる。落語行くのに気分を奮い立たせるってなんだよ。

しゅりけんさん、与太郎の酒の粕の小咄で「よっちゃん、あたい酒呑んじゃった」「いい若えもんが『酒呑んだ』なんていうな、そういうときは『酒の粕食った』って言え……もうめちゃくちゃだな」と取り返しのつかない感じになる。「もうそういうときは噺に入った方がいいと先輩にも言われているのでそうします」とバッサリ小咄を捨てる。なんという大胆な。
その後も割と大きめな言い間違えがあったが、すべて力業で流す。実は結構大物かもしれん。

じゃんけんさん、これはもう兼好師の『初天神』ですな。くすぐりや間などが完全にそれで、今は完コピを目指す段階なのかな。

兼好師の一席め、この会はいつも会場入りするのがギリギリなので、弟子に長めにやれと言っているのにまさか小咄を抜かすとは……と驚いた様子。
最近はCDが売れず、発売当日にYouTubeに上がっているのだという。それも悪意があってやっているならともかく、あげている本人としては「世間に兼好さんを知らしめたい」と善意でやっているのでタチが悪いとのこと。
それでも実際に地方の仕事で主催者になぜ自分を呼んだのか聞くと「YouTubeで見て」ということもあるらしい。なので一概にマイナスばかりではないが、さすがに弟子入り志願でそれを言われると腹が立つという。こないだも地方で弟子入り志願があったので理由を聞いてみたら「YouTubeで見て」だったらしい。「そういうときは嘘でもいいから『CDを聴いて』っていいなよ」というと「CD買えば弟子入りできるんですか」と聞かれたとのこと。
「そんなAKBみたいなシステムじゃない……けど、今度からCDに『弟子入り志願権利券』つけようかな。5枚集めたら弟子入り志願していいという。普通弟子入りまで2〜3回はお願いしにいくから、それだけで15枚売れる」とのこと。この時期は5月病で会社辞めた人がたくさん志願しにくるそうだからちょうどよさそう。
噺家の場合は弟子をとれば「師匠」だが、色物や講談の場合は「先生」と呼ばれる、というところから『やかん』に。
お弟子さんのは何度か聴いたが、兼好師の『やかん』は初めてじゃないかな。
八っつぁんに対して知ったかぶりをするときは「カッ」と見得を切って威嚇するのが面白い。その分八っつぁんに突っ込まれたり知らないことを聞かれると途端にキョドりはじめ、それを見透かして八っつぁんがニヤニヤしてるのもまたおかしい。
講談部分の軽やかさもお見事。

二席め、相手がよかれと思ってやっていることについては文句を言いにくい、というところから『三年目』に。
これも『超入門!落語the Movie』で聴いただけで高座では初めて。
病の床にある先妻が、旦那から「女はお前だけ」とか「後添いは持たない」とか聞かされるたびにニヤーと顔を綻ばせるのが楽しい。その後にハッとした顔で「でもあなた……」とネガティブな言葉を続けるのがウザいながらもいじらしい感じ。
『落語the Movie』で泉谷しげるが演じていた「本所のおじさん」の破壊力がすごい。「はい本所のおじさんです」といいながら顔を出す仕草がたまらない。

こんな面白いのに心は沈んだままってなんなんだよ……。
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