SSブログ

桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 [落語]

桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

桃月庵ひしもち『垂乳根』
三遊亭兼好『だくだく』
桃月庵白酒『化け物使い』
桃月庵白酒『尿瓶』
三遊亭兼好『花筏』

ヤバい仕事終わらない。これはマジでうちの会社ヤバくなるヤツじゃねえのか……。はー40代も半ばを過ぎてまた履歴書とか書きたくねーぞ。
など思いつつ落語に。ホントは会社出た方がいいんだけど、せっかく救済サイトでチケット手に入れた即完売の会なんだから行かなきゃ。

ひしもちさん、ハキハキとした口跡で聴きやすい。
いかにも本格派の弟子です、って感じがする。

兼好師の一席め、昨年芸歴20周年だったことに触れ、「でも20年なんて大したことないんですよ、ピエール瀧さんのコカイン歴と同じくらい。ある意味同期」とまた黒いことをいう。
「でも20年やってたのにその間捕まらなくて、今回が初犯扱い。で、もし今回の騒動をみて『俺もやってみよう』と思って初めてやった人が捕まっても初犯。これってなんか納得いかない。立川流みたい」とわからない主張を始める。曰く、「我々が二ツ目に昇進したばかりの頃は今のように落語会も多くなく、たまに二ツ目のコンテストがあって張り切って行くとやけに落ち着いて上手い人がいる。家元が健在の頃は二ツ目真打に昇進できない人がゴロゴロいて、二ツ目なのに芸歴20年、なんて人もいてその人が賞を持っていく……どうも賛同を得られないみたいですが……」ってシチュエーションが特殊過ぎて。
「でも悪いことをするなら今です、元号が変わって恩赦があるから。小さな窃盗なら立件されないみたいですよ、ただ暴力事件は対象じゃないそうです」とこれまた黒いことをいい、「昔も許される罪と許されない罪があった、空き巣は出来心だろうと許されることも多かった」と噺に入る。
兼好師の『だくだく』も久しぶり。
「○○を○○しているつもり」がテンポよく重なり、どんどんスピードアップしていくのが心地いい。ちょっとでも噛んだりもたついたりしたら、このグルーヴ感は出ないだろうなあ。

白酒師の一席め、臍ヘルニアで手術したらしい。
お腹を切るというのに一泊二日って、そんなんでいいの?
手術は全身麻酔で行ったそうで、事前の説明では最悪の事態のことしか言わないので、散々脅されたという。
いろいろと病院には思うところがあったようで、愚痴というか恨み言というか結構際限なく出てくる。
ただ、クレーマーのような入院患者もいるようで、そんな人たちの相手で手を煩わされている看護師たちにも同情を示し、人使いの荒いご隠居の噺へと入っていく。
『化け物使い』は好きな噺なんだけど、あまり当たることがない。白酒師では6年ぶり。
雑巾掛けのスピードを目線だけで表現しており、杢助、一つ目小僧、大入道でそれぞれ速さが違うのが芸が細かい。
のっぺら坊が出てきたときのご隠居のテンションの上がりっぷりがおかしい。セクハラまがいのことを言って消えられてしまい、翌日虚空に向かって「出てきておくれ、下心なんてなかったんだ、ちょっとしか」というのがおかしい。

仲入りを挟んだ二席めは「前半おしゃべりが過ぎた」とあっさりめに。
「符丁を使うのは目の前にいる人にわかられたくないことが多いからで、胡散臭い商売が多い」と話す。
道具屋もそのひとつで「ションベン」という符丁について説明して噺に入る。『道具屋』でおなじみの符丁だが、そういやなんでションベンというのかは知らなかった。「買う」といって買わないことがションベンなのだが、一度買っておいて返品するのも含まれるという。人を「引っ掛ける」からションベンなのだそうだ。ほおー。
終演後の演目としては『花瓶』とあったけど、やっぱり『尿瓶』だよなあ。

兼好師の二席め、白酒師が手術したのを初めて知ったらしく、「ホントにやったんですかね、もしそうならもっとゲッソリするもんじゃないですか?」と相変わらずの兼好節。
オリンピックのチケットが発売される話から柔道の「ゴジラジャパン」の愛称の話に。「女性もいるのにゴジラはどうなんですかねえ……柔道はどうも国際化を進めてからなんだか媚びてるようで嫌ですね。それに比べて相撲は媚びなくていいですね」と相撲の話に。
久しぶりの『花筏』、やっぱり勧進元が花筏を土俵に上げてくれと頼みにきたときに、宿の板前や酒屋の小僧、芸者を再現VTRのように演じるところが面白い。

ああこんなに面白いのに、ずっと頭の片隅に「仕事ヤベエよヤベエよ」とグルグル回ってるのが嫌だ。金さえありゃあなあ……。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。