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三遊亭兼好独演会けんこう一番!春スペシャル [落語]

三遊亭兼好独演会けんこう一番!春スペシャル
於:大手町 よみうり大手町ホール

三遊亭兼好『千早振る』
三遊亭じゃんけん『道具屋』
三遊亭兼好『百川』
日比健治郎 伊東福雄 リコーダー・ギター
三遊亭兼好『井戸の茶碗』

久しぶりの兼好師。いやはや『四段目』『淀五郎』じゃないけど「待ちかねたァ……」。
先月は土日の会が少なかった上に、平日は落語に行けるような状況ではなく。
それに昨日クライアントと打ち合わせに行き、ここ数か月モヤモヤしていたことがほんの少し、ほんのすこーしだけ解消というか整理された感じになったのでちょっとだけ気が楽になる。とはいえあと数か月キツい状況なのは変わらないんだけど。はぁー。

そんな中で久々の兼好師の落語。沁みるわー。

一席め、新元号の「令和」について。決まってから発表前に陛下に報告するのに、宮内庁の職員が車に乗って御所まで行き、そこで電話をかけたことに「……車に乗る意味あります? 宮内庁の電話って電波の範囲狭いんですかね?」とチクリ。また安倍首相が陛下に報告に行くのが本来なのだろうが、滑舌が悪すぎて伝わらないことを恐れて首相ではなかったんだろうとの推理する。もし首相が報告に行っていたら、というモノマネがおかしい。
おかみさんが名付けたという兼好師の二番めのお嬢さんの名前に触れ、なんでその名前にしたのかを聞いたところ、「万葉集からつけた」と言われたそうな。「ウソつけぇ」というところから落語に出てくる適当なウソをつく先生の噺に入る。知ったかぶりの話から入らないってのはちょっと珍しい。
八っつぁんがずっと「あまっちょの娘」と通して直す気がないのがおかしい。
龍田川が断ちものをしたと聞いて「塩断ちしたんですか?」と聞いた八っつぁんに、「相撲取りが塩断ちしてどうするんだ、土俵際で何撒くの? 片栗粉? 龍田川の話してるんだよ、竜田揚げじゃないんだよ」というのが私には面白かったのだが会場ではあまり引っかからずに流れた。あれー?
落ちぶれた千早が龍田川の豆腐屋に現れたときの様子が浪曲仕立てになっており、それもまた上手くて兼好師の芸達者ぶりが際立つ。

二席め、人手不足と言われている中で留学生が年間700人も行方不明になっていることに触れ、「どうせそういう人たちもどこかで働かせられているんでしょうねえ」と話す。「700人って東京の噺家と同じくらいの人数ですよ、それが行方不明って。噺家では『この人どうやって生計立ててるんだろう』って不明の人はいますけど……」とさらりと毒を吐く。
「昔は人手が足りなくなると桂庵に頼んでいた」として百兵衛さんが口入れ屋で百川を紹介されているところから。
何度も言うようだけれどもやっぱり兼好師の田舎者はチャーミングだね。

リコーダーの日比健治郎さんとギターの伊東福雄さんのステージ。
どことなく哀愁のある音色がギターとよく調和する。
リコーダーは音の出し方は簡単だけど、その分さまざまな表現を出すのが難しそう。

兼好師の三席め、五十両の方に何かを高木作左衛門に渡す、という話になったときに渡すものを清兵衛さんに選ばせるというのは上手い。「屑屋なのに目が効かない」という設定にもなるし、茶碗が三百両に化けたときに「あの茶碗を選んだのは誰だ」といって割前を持ってかせる理由になっている。
それにしてもやっぱり井戸茶はよくできた噺だなあと改めて思う。
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