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扇辰日和VOL.67 [落語]

扇辰日和VOL.67
於:中野 なかの芸能小劇場

柳亭市坊『一目上がり』
入船亭扇辰『佃祭』
柳家甚語楼『松曳き』
入船亭扇辰『野晒し』

今日は連続してなかの芸能小劇場での落語会。
とはいえ2時間くらい間があるので、散歩がてら隣の高円寺のいつものタイ料理屋まで歩く。というか思っていたよりも近い。むしろバイクだと入れないところもあって遠回りしなければならなかったりするので徒歩のほうが最短距離で行けるかも。
帰るまでは時間があるからビールでも飲むかと一瞬考えたが思いとどまる。捕まりたくないし。
食後はまた歩いて中野まで戻る。
途中の公園で桑の実が成っているのを見つけ、ひとつ摘んでみる。甘酸っぱい。都会の中でもこんなにたくさん成るんだ。

前座さんは市馬師の弟子の市坊さん。
さすが市馬一門というか基本に忠実で変にアレンジを入れたりしない。堅い感じもするが、前座さんらしく清々しくていい。

扇辰師も市坊さんを褒め、「よその前座さんはいいね。自分の弟子だと嫌なんだ。自分の悪いところばっかり似る」とのこと。そういや兼好師も同じようなこと言ってたなあ。皆同じなのかな。
そういえば小辰さんを開始前の受付でちらりと見かけた。今日は手伝いに来ていたのか。
扇辰一門の弟子入りの様子も語られる。小辰さんや辰之助さんには自宅の前で土下座されたらしい。はい辰さんは名古屋の街中で弟子入り志願されたとか。
最近は旅の仕事が多いらしいが、ひとりだけで行く仕事が多くて荷物持ちもいなかったとぼやく。「旅といえばチンピラと役人がヨーロッパ行ったそうですなあ」と話す。兼好師から始まった毎年この時期にあるヨーロッパツアー、今年は文蔵師とわさびさんだそうだ。
数年前は扇辰師と小辰さんで、そのときのエピソードも。同行したチェコ人が日本語がペラペラで、屋外テラス席に座ったときに天気雨が降ったときに「大丈夫ですよ、こんな狐の嫁入り」と言われたそうだ。「そんなこと今どきの日本人言います? 死語だよねえ。死語と言えば『半ドン』なんかも言わないね。『半ドン』の『ドン』は『ドンタク』のことで、休みの日のことを表す外国語だそうですよ。でも『どんたく』というと博多のお祭りを連想します。お祭りといえば……」とすごいつながりでネタ出しの『佃祭』に入っていく。
扇辰師の『佃祭』は初めてかな。
扇辰師らしく佃島のおかみさんはたおやかで、船頭の亭主はちゃきちゃき。
わかりづらい「ありの実」の部分はカットするのはやっぱり最近のトレンドなんだろうなあ。

甚語楼師は初めて聴く。
「先輩の会にゲストで出るのはあまりなくて。自分の会では後輩を呼ぶことが多いんですが、あいつらこんな気分だったんだ」とはなす。
「そんなとき大体彼らは私とのエピソードトークをしますね。頼んでもいないのに。まあ私の会に来るお客さんは私を見に来ているので、お客さんにおもねっているんでしょう。噺となんのつながりもないことを話して、最後に『大好きな先輩です』って言えばいいと思っている」……と言いながら扇辰師とのエピソードを話す。
甚語楼師が入門したときに扇辰師は二ツ目だったそうで、一緒に飲みに行ったりしてたらしい。
当時新宿末廣亭には席亭のお嬢さん(?)でスミ子さんという方がいて、その頃すでに割と高齢だったようだがベロベロに酔っ払った扇辰師が「一緒にお風呂入ろう」と言い出し、「ほんとに入るね?」聞き返されて引っ込みがつかなくなったのか実際に入ったらしい。なぜか「お前も来い」と甚語楼師も呼ばれたそうだ。
そんなことを話しつつやっぱり「大好きな先輩で……」と取ってつけたように言って噺に入る。
権太楼一門らしくストレートに笑わせにくるという印象。

扇辰師の二席めは久しぶりに聴く『野晒し』。
さいさい節の唄声も相変わらず名調子。
こっちは分かりづらいと思われる「幇間の新朝」のままで演じられていた。何度も聴いたり調べたりしているから意味はわかるんだけれども、それが本当に面白いのかと問われるとどうなんだろう。
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