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兼好∞ シーズンII(第7回)七度狐 [落語]

兼好∞ シーズンII(第7回)七度狐
於:巣鴨 スタジオフォー

三遊亭じゃんけん『阿弥陀ヶ池』
三遊亭兼好『粗忽長屋』
柳亭こみち『七度狐』
柳亭こみち『虱茶屋』
三遊亭兼好『小言幸兵衛』

昼は暖かかったので散歩がてら町屋まで歩いて荒川線沿いを少し散策する。
家の近所にあってテレビの「汚なミシュラン」にも出ていた寿司屋でランチを食べたり。気にはなってたんだけど入ったのは初めて。入ったら店主とおかみさんが小上がりでのど自慢見ながらメシ食ってるという。なんか昼メシ時分に人んチに上がり込んだような気まずさを味わう。
会場まで特に撮りたいような被写体も見つからず。これなら普通に電車できてもよかったな、と思う。

じゃんけんさん、『阿弥陀ヶ池』は何度か聞いたことがあるが、やはり私が根っからの関東の人間だからかなんとなくピンとこない。普通の『新聞記事』の方が面白いように思えるんだけどなー。
思うに『阿弥陀ヶ池』は上方の噺だからか、話の要素が多すぎでガチャガチャしすぎ、前座が扱うにはちょっと内容がとっちらかりすぎているんじゃないかと。これをまとめるって結構大変なんじゃないかなあ。
仕込み忘れがあったらしく、途中「……んん? なんか仕込み忘れたなあ」と正直にバラす。そんな正直なのは天どん師くらいしか聴いたことない。

兼好師の一席め、好の助さんの襲名騒動の裏側というか事情説明を。
好楽師は彦六一門在籍時の名前である林家九蔵を大切にしていて、その名前を一番可愛がっている弟子の好の助さんにつけようと思ったのだが、海老名家の横槍が入ったそうだ。まあ三遊亭の中にいきなり林家がいても混乱しそうだしやめといたほうがいいと思うんだけど。
で、「一般の人はこんなニュースは一週間もしたら忘れてしまう。でも好の助くんの真打昇進は5月なんです。その頃になったら誰も好の助くんのことは覚えてなくて、『三平が正蔵になれなかったんだっけ?』ぐらいになってしまって、結局海老名家だけがみんなの記憶に残ってしまう。これが悔しい。これを防ぐにはもう好の助くんには『好楽』を譲ってしまえばいいんです。で、師匠は勝手に二代目海老名香葉子を名乗るとかね」そうなったらちょっと面白いけど。というか海老名家ってなんで落語会であんなにでかい顔してるんだろうなあ……。
『粗忽長屋』はコンスタントに聴いている印象。それでも毎回たっぷり笑えるんだからすごいよねえ。

こみち師の一席め、この会はいつも音曲というかライブがあったりするのだが、こみち師にはそんな印象はない。と思っていたらこの『七度狐』にハメものを入れるらしい。しかも三味線、笛、太鼓と「フルオーケストラ」だとか。フルオーケストラでやるのはこみち師も初めてだそうだ。三味線は太田そのさん、笛がじゃんけんさん、太鼓がしゅりけんさん。
『七度狐』は何度か聴いたことがあるが、ハメものが入った形は初めて。結構な頻度で鳴り物が入り、こりゃあ裏方さんたちも大変そう。それにしてもじゃんけんさんの笛上手いな。
ハメものもだが、もちろんこみち師も上手い。狐に化かされる江戸っ子ふたりの軽妙さや、尼さんの妖しい色気なんかがピッタリとくる。

こみち師の二席め、『虱茶屋』は初めて聴く。
お茶屋遊びに飽きた旦那がホームレスから虱を買い集め、幇間の一八や芸者衆に「骨相を見てやる」と言いながら襟足に虱を入れるという噺。
踊っている最中にかゆみに耐えられずに踊りながら虱を取って噛み潰すという虱踊りが最大の見所で、表情や仕草がおかしい。

兼好師の二席め、「こみちさんはすごいですね、楽屋にいる間ずっと話してるの」。そういやこないだもそんなこと言ってたな。
「しかも『この師匠にはこういう話』『この師匠にはあの話』と人によって話題を変える……ってことは全然ないの。とにかくずーっと話してる。こういう人は柳家では珍しい。柳家はとにかく小言が多くてどんなに明るい人が入っても真打ちになる頃には暗くなる。……なんか今日は林家と柳家に怒られそうですが。でも流派によって小言の言い方が違う。柳家は細かくて林家はとにかく怒鳴られる。三遊亭は圓生師匠からなんで、舌打ちされる」と流派による小言の違いから『小言幸兵衛』に。
この噺も割りとコンスタントに聴くな。それでも毎回面白い。
特に仕立て屋の親父が結構すっとぼけてるのがおかしい。

終演後は恒例の打ち上げ。日本酒などをくぴっと。今日はちょっと飲み足りなかったかな……。
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