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人形町噺し問屋 その七十七 [落語]

人形町噺し問屋 その七十七
於:水天宮前 日本橋公会堂

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭じゃんけん『後生鰻』
三遊亭兼好『鈴ヶ森』
ニックス 漫才
三遊亭兼好『富久』

うーあんまり平日に落語行けるような状況でもないんだけど、先月も来れなかったし、最悪正月に会社出りゃいいか! と早めに上がる。
しかしまー街はすっかり年末の忘年会モードですなあ。はーみんな足の小指か脛を強打すればいいのに。

恒例の挨拶は新幹線の話題をメインに。
亀裂の話や犬が新幹線の構内に入って止まった話など。
若干乗り鉄の気がある私としては新幹線によく乗る旅の仕事が多いってのは羨ましいなあ。そういや最近ローカル線とか乗りに行ってないな。

じゃんけんさん、最近珍しい噺。
こないだちょうど兼好師と「最近はちょっとブラックな噺をするとすぐクレームがきたり、そこまで行かなくてもお客さんが『引く』のがわかる」という話をしていて、その例として上がったのがこの噺だった。
最近ではサゲで赤ん坊じゃなくおかみさんを川に放り込むという型が多いけれども、それじゃ意味がない、なんの抵抗もできない赤ん坊だからこそこの噺は成り立つんだ、ということで、果たしてじゃんけんさんは赤ん坊を放り込んでいた。
兼好師のご挨拶で温まっている客席を一気に冷やしかねない噺をぶっ込む度胸はすごい。でも圓楽一門は割とそういうところ寛容というか自主規制をあまりしない雰囲気があるというか。

兼好師の一席め、マクラでいつも足立区をネタにするので足立区民から文句を言われることがあるが、それは誤解で足立区が好きだからネタにするのだ、とのこと。最近では北千住近辺に大学をたくさん招致して若者が増えたので雰囲気も明るくなったし、お年寄りを狙った引ったくりも減っているという。「ま、その分葛飾区に行ったんですけど」。
そこから泥棒の噺につながる。とにかく新米泥棒のボケっぷりが楽しい。
親分が怒ると敬語になるってのがおかしい。これは噺を兼好師に教えた一之輔師もそうだったかな。
あと兼好師の「怒ってる」という仕草で特徴的なのが、なんでか顎が出て受け口になる。でもこれ俺も実生活でよくやるんだよな……。

二席めは時期らしい噺を。
『芝浜』や『文七元結』もそうだけど、年末の噺ってよくできてるとは思うが噺としてはそんなに面白いものではないと思う。
『富久』もやっぱりそうで、特に面白い場面があるわけでもないし、人によっては久蔵の酒にだらしないところばかりがフィーチャーされてなんとなくやな気分になることも。正直私はそんなに好きな噺じゃない。
兼好師は富くじを大神宮様の神棚に上げてお神酒を飲むという場面を、「もし富くじが当たったら」という妄想で今後の願望を大神宮様に向かって話して盛り上がる、という風にしてここでいろいろと笑いを盛っていた。
それと酒でしくじった幇間が一分という大金を持っているのはおかしいということなのか、富くじを買うシーンで「金は出世払いでいい」ということになっていたけど、これはいらないんじゃないかなあ……。
富くじに当たったけど札は燃えてしまったから、と五百両でいい、百両でいい、五十両、十両……と粘るシーンがあるけれど、いくら金に切羽詰まっていて千両が手に入るか入らないかの瀬戸際になったとしても、そもそもお金払ってない、となったらあんなに見苦しくなるまで粘れないと思う。「だって売ったでしょ? それでアタシが買ったでしょ?」という台詞も「いやアンタ金払ってないよ」と思ってしまう。

(24日追記)
兼好師匠と話す機会があったので聞いてみたところ、やはり「もう首をくくるしかない」というような人間が一分という大金を持っているはずがないということらしい。
また、あの時代は掛けで売り買いするのが基本なのでお金を払っていなくてもおかしなことではない、とのこと。なるほどなあ。

終演後に飲みに行こうとするが、さすがに仕事納めの前の週の週末ということでどこもいっぱい。
運よくやきとん屋の2階の隅に席が取れ、モツ鍋や馬刺しなどでビールと日本酒。
やっぱり酒飲みの噺を聴くと日本酒が飲みたくなる。
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