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扇辰日和VOL.64 [落語]

扇辰日和VOL.64
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭はい辰『寿限無』
柳家やなぎ『青春ナイン』
入船亭扇辰『秋刀魚火事』
柳家わさび『露出さん』
入船亭扇辰『夢の酒』

昼間は久しぶりに靖国神社へ参拝する。
んーーー、なんか中国人観光客が多い気がする。アンタらなんか色々文句つけてきてんじゃん。いいのか? それとも台湾の人たちなのだろうか。
最近どこでも中国語と韓国語のパンフレットが置いてあるが、さすがにここにはなかった。
これまで何度もきていたのに、本殿の裏手に日本庭園があることに気づかず、今日初めて行った。
閉門までそれほど時間がなかったせいか、人影もまばら。東京のど真ん中のど真ん中と思えぬような静けさでたいへん心地よかった。

さて今日が初高座というはい辰さん。
辰まき改メ辰のこ改メ辰乃助さんに続いて初高座を聴く。
ネタは同じく『寿限無』。辰じん改メ小辰さんも初高座は扇辰日和で『寿限無』だったらしい。
柳家が『道灌』のように、扇辰一門は初高座は『寿限無』らしい。
今どきの若者という感じで背が大きく、着物がまだ先輩の借り物なのか、つんつるてんでスネと前腕が丸出し。
一部つっかえたところはあるものの、全体的には問題なくこなしていた感じ。頑張れー。
彼は小辰さん方向に行くのか、辰乃助さん方向に行くのか。

やなぎさん、自身の初高座の思い出も絡めてマクラを話し始める。
出身の北海道別海町の話や自身の高校時代の部活の話など。
後でわさびさんに「普通マクラは2エピソードくらいなのに5エピソードくらい話していた。長い!」といわれていた。確かに長かった。けど面白かった。
出身地の話が出ていたのでまた『自由ヶ丘の由来』かと思ったが別の噺でホッとする。
野球部と見せかけて将棋部の斎藤くんと、サッカー部と見せかけて囲碁部の長友くんが女教師に告白するという学園物。
くだらないと思いながらも面白い。

扇辰師の一席め、新弟子のはい辰さんについて。「彼は本名が真周(ましゅう)っていうから『辰真周』でいいかなって思っていたんですけどね。かみさんから『背が高いんだからはい辰でいいんじゃない』っていわれて、じゃそれでいいかあ、って。登録上は『はい辰』ですけど、本当は『High辰』です。めくりの師匠方が嫌がるから平仮名にした」とのこと。
ネタ出しした『秋刀魚火事』について。「今じゃあ誰も演る人がいなくなりましたね。……誰も演らないってのには理由があるんですが」とボソリ。
ケチの噺なので、お決まりの三坊のマクラから。「泥棒は寄席にはこない。……まあもしお客様の親類友人の中に……」という何百何十回聞いたであろうくすぐりで笑わせられるのはすごい。当たり前だが前座がやるのとではまるで違う。同じセリフなのになあ。
噺はケチな地主の仕打ちにキレた長屋の住人たちが、大家を巻き込んで仕返しをしようというもの。……まあ確かに爆笑をさらうってほどの笑いどころがあるわけではないかな。
『しわい屋』と『味噌蔵』にちょっと『目黒の秋刀魚』を足したような感じ。

わさびさん、扇辰師の一席めで「仕事があるといって謝楽祭に行かない。小金に転んだ」「『笑点Jr』にレギュラーで出てて天狗になってる。今日はその鼻をへし折ってやってください」などとさんざんにいじられていた。
それを受けて「あ、どうも。もう名乗らなくてもわかるでしょ? テレビをメインの仕事にしてますから」と高飛車に第一声を放つも「声掛けられるとかないですから……。やなぎさんも前座から昇進したばかりなのになんであんなに面白いんですかね!? 私は内弟子だったんですが、落語の稽古してたら本当に怒られましたからね。だからウケることに耐性がなくて、たまさか高座でウケたりするとビクッとしてその衝撃でセリフが飛んじゃう」と告白する。ははあ……だから二ツ目昇進直後はあんなにおどおどしてたのか……。
が、一度噺に入ると爆笑の嵐。
地域に馴染みすぎた露出狂の悩みの独白噺で、世界観が独特すぎておかしい。

扇辰師の二席め、「ゲストのふたりには『好きにやっていいよ』とは言ったけどさ……」と苦笑気味。
扇辰師の『夢の酒』は初めてかな。
お花の悋気っぷりや若旦那の軽薄さが楽しい。また、お花に振り回されている大旦那の困惑ぶりもまたおかしい。
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