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けんこう一番!第五回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第五回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好 『金明竹』
三遊亭けん玉『弥次郎』
三遊亭兼好『お菊の皿』
坂田美子 琵琶『耳なし芳一』
三遊亭兼好『鰻の幇間』

ここ2週間ばかり落語を聴いていない。
先日の日曜日に仕事関連の検定試験を受けてきたので、その勉強のために時間を割いたというのもあるのだけれども、入谷の朝顔市や浅草のほおずき市なんかに出かけていたというのもある。
いずれにせよ落語分が足りていないので補充に向かう。

前座代わりに、とまずは兼好師が高座に上がる。
季節や気候の話をマクラに。
昔の夏はまだのんびりしていたといい、「ああお前さんかい、まあおあがりよ。……おーい夏が来たからスイカ切ってあげて。それと花火あったろ。ない? じゃあ新しく買って。あと蚊取り線香もな」みたいなのどかさがあったという。こういう何でも落語仕立てにするところが面白い。
兼好師の『金明竹』はおそらく初めて。二ツ目時代にも聴いたことないんじゃないかなあ。最近兼好師が前座噺を演るのをよく聴く。前座噺を改めてさらいだしたのか、二ツ目間近のけん玉さんのためにお手本を見せているのか。
ただひとつ確かなことはめちゃくちゃ面白い、ということ。
言いたての最初の方はゆっくりと、後ろの方は猛スピードのこのドライブ感。しかも回を重ねるごとにギアが上がっていくような感じで、最後の方はもう聞き取れないほどの速さ。おかみさんが旦那に「どんな話だったんだ?」と聞かれ、鼻歌のように「ふんふふふんふ、ふんふ、ふふふふふ、~ほな!」と答えるのがおかしい。

けん玉さん、んんー今日はイマイチかなぁ。
久しぶりに聴いたんだけど、噺の構成が他の人と違うってのも違和感の元かもしれない。

兼好師の二席め、久しぶりに聴く『お菊の皿』。
最初に江戸っ子たちが皿屋敷に向かって幽霊が出る、というときにドロドロと結構な大きさでウスドロが鳴りビックリする。
その後、「どこで打ち出だすか遠寺の鐘が陰に籠ってものすごく……」のところで本当に鐘が「ゴーン」と鳴る。が、「……早い」。「もう一回やるよ。……すみません打ち合わせが急だったもんで。……どこで打ち出だすか遠寺の鐘が陰に籠ってものすごく……『ゴーン』……許す」あれどのタイミングが正解だったんだろう。
お菊の井戸が盛況になるに従って、前座二ツ目色物までもが出てきてやりたい放題なのがおかしい。

坂田さん、実は兼好追っかけ仲間。
琵琶の舞台を聴いたこともあるんだけど、知り合いが兼好師匠と同じ舞台の上にあがっているのを見るのはなんか変な感じ。
「兼好師匠に『夏だからなんか怖い話やってよ』といわれたのですが……。『耳なし芳一』のイメージが強いからでしょうが、琵琶は『平家物語』のような戦記物を語る楽器で、怖い話をやる楽器ではないのです」。そう言われてみれば。
ただし、琵琶は弦を抑える力加減によって音程が細かく変わるので、怖い雰囲気を作るには適した楽器なのだとか。

兼好師の三席め、意外にもこの噺も兼好師では初めて。
兼好師では冒頭に羊羹の話は出てくるものの、それを土産に客周りをするわけでもなく、「こんなことなら家で羊羹でも食っていればよかった。いや、あれは客を釣るためのエサだからそれを食っちゃだめだ」とかぶつぶつ言っている珍しい形。
浴衣の男は一八のことを知っていて、その上で騙しにかかっている。なので話のはぐらかし方が上手い。
騙されたと気づいた後の一八の小言が、小言というよりも八つ当たりの泣き言というような雰囲気で、半泣きになりながら文句を言っているのがおかしい。「アタシが許せないのはお新香だ。キュウリがつながってるのはまだいい。なんでキュウリと大根がつながってるんだ!」というくすぐりがとにかく笑える。

11月の第6回のチケットも購入。
終演後にほぼ他人の金でたらふく飲む。ありがたやありがたや。
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