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けんこう一番!第四回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第四回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好 『館林』
三遊亭けん玉『浮世床(将棋・本)』
三遊亭兼好『粗忽の釘』
桧山うめ吉 俗曲
三遊亭兼好『紺屋高尾』

まだ大丈夫だろうとのんびりしていたら、いつの間にかチケットがすべて売り切れてしまっていた。
マジかよーと慌てていろいろ探していたところ、チケット救済サイトにて急用で来られなくなった人が出品していたため、定価+送料で譲っていただいた。ふーやれやれと入手したチケットを前売りチケット入れ(一之輔後援会特製チケットホルダー)に入れようとしたところ、「けんこう一番!」のチケットが。あれこないだ買った春の大手町のチケットもうきてたっけ……と思ってよく見ると、今日のチケットだった。
あーれーーー? もしかして今日のチケット買ってたんだっけ? 発売してすぐ買ったからすっかり忘れていた。てことはダブって買っちゃったのか。うわあ。
仕方がないので一枚は売りに出すことにする。さすがに買ったところと同じ救済サイトに出すのは気が引けたので、他のチケット売買サイトを見たところ、運よく「買います」の募集があったため、即決。
定価以上で買ってくれたのだが、こちらが送料負担(しかもレターパックプラス指定)のうえ、サイトのシステム使用料だとか振込手数料負担だとかで結局は赤字。あーあ何やってんだろ俺。まあチケットが無駄にならなかっただけよかったとするしかないか。
最初のチケット救済サイトはシステム使用料などは一切ないが、個人売買の掲示板でしかないため悪質な人に当たる恐れはゼロではない。一方のチケット売買サイトはかなりしっかりとしたシステムを作っているので事故は少ないが、手数料やらなにやらで売り手も買い手も結局は高くつく。一長一短ではあるけど、チケット救済サイトで嫌な人に当たったことはないのでできるだけこっちかな。

さて会社をやや無理くり早めに上がって国立演芸場に。満席なはずなのにチラホラと空席がある。てことはコレ全部ドタキャンか。もったいねー。というか私が売った席も来てなかったような……。

挨拶代わりの一席め、トランプ大統領府に触れ、「ひとりの人間のためにこんなに世界が混乱するんだ」と感心しきり。「あれを見ていたら安倍首相の強引さなんて可愛く見える」とのこと。
これ以上の混乱が起きたのが幕末だ、と噺に入っていく。
幕末の混乱期に剣術を学んでいる町民の噺で、普通に考えれば最後はかなりグロテスクな場面なのだが、兼好師の話し方でだいぶ緩和されている感じ。かなり演る人を選ぶ噺のように思える。

けん玉さん、……んー、あー、頑張れ。
なんというか、その、つまんなくはないんだけど、うん、まあなんだ、そういうことでね。
もうそろそろ二ツ目に昇進するし。
兼好師のいない前座だけの会だとものすごくハジけてるとの噂だが。

兼好師の二席めの『粗忽の釘』は久しぶりに聴く。
今日は引越しの場面もたっぷりと。箪笥を担いで泣きながら前の長屋を出てからの出来事を語る亭主がおかしい。
おかみさんもかかあ天下だけではなく、亭主を気遣っているのが伺えるのがいい。結局は仲良し夫婦がいちゃついてるっつーか。

うめ吉さん、高座上でピッチパイプを使って調弦をしているのは初めて見た。
新内や小唄の後、『奴さん』を踊る。動きが滑らかで美しい。

兼好師の三席め、『紺屋高尾』は初めて聴く。
これまでなぜか出会わなかった。ずっと聴きたいと思っていたので嬉しい。
久蔵が隠し持っていた錦絵で「恋わずらい」と見破られるのは初めて聴く形。ヤブ医者の先生のキャラをうまく使っていて楽しい。
親方の「三年一所懸命働いて作った金を一晩で使おうってのか? ……馬鹿だねえ……よし気に入った、そういう馬鹿がひとりはいなくちゃダメだ」というセリフが痺れる。江戸っ子ですなあ。
高尾に会ってすぐに「次はいつきてくんなます」と聞かれるのも、格式の高い見世の実際の流れに沿っていて嬉しい(大見世と呼ばれる廓では、初回は花魁と二言三言しか話せなかったらしい)。これは遊馬師もこうやっていたので、三遊亭の形なのかな。
「花魁に会えるためだと思うと仕事が楽しくて仕方なかった」という久蔵の言葉が胸を打つ。人情噺をやらない兼好師としては珍しい場面。
その分その後の「来年三月十五日」の壊れっぷりとの対比がおかしい。

終演後は半蔵門駅内の中華屋でちょっと飲んで帰る。
トンポーローと餃子が美味かった。
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コメント 2

ロコヒ

寒い内は冬眠と決め込んで我慢していたが兼好師匠の会には(特に独演会)出掛けて行く。”粗忽の釘”ふくらまし方には感心しきり。顔見知りにもお会いして、帰りJRの遅延に巻き込まれましたが、幸せ気分で帰宅しました。紺屋高尾も久しぶりでしたので満足でした。兼好さんは良いですね。
by ロコヒ (2017-02-09 15:47) 

Macky

>ロコヒさんん

こんばんは。
兼好師匠の粗忽噺は本当に「腹がよじれる」という表現がぴったりくるほど笑わせてもらいます。
あの緩急の間がたまらないですね。
by Macky (2017-02-09 20:28) 

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