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第二十二回 鶴川落語会 らくご@鶴川 〜柳と三遊・暑気払い三人会〜 [落語]

第二十二回 鶴川落語会 らくご@鶴川 〜柳と三遊・暑気払い三人会〜
於:鶴川 和光大学ポプリホール鶴川

三遊亭けん玉『子ほめ』
三遊亭遊雀『堪忍袋』
三遊亭兼好『たがや』
三遊亭遊雀『電話の遊び』
柳家小満ん『鰻の幇間』

先々月の白酒一之輔の会に今日のチケットを買っていた。バイクで来ると約2時間ほどで、ツーリングにはちょうどいい。また焼けそうだなあ。

けん玉さんの『子ほめ』は初めて。
確か兼好師から教わった噺のはずなので、兼好師の形なのだろうか。兼好師も前座の頃はよく掛けていて、「『子ほめ』と『転失気』で娘を育てた」とよく言っているのだが、さすがに最近ではほとんど演ることはなく、私も聴いたことがない。一回聴いてみたいのだけれど。
そういえば私が入院して行けなくなったため泣く泣くチケットを譲った会にて『子ほめ』を掛けたらしい。なんてこった。
なんか最近はけん玉さんから余裕すら感じるように。

プログラムによれば次は兼好師。
けど出囃子は「さんげさんげ」じゃないな? と思っていたら遊雀師が登場する。
遊雀師によれば「兼好さんは小田原まで行ってしまったらしく、今引き返しています」とのこと。
そんなことあるんだ。
「今日は三人会ということで、楽屋についたら主催者から『ひとり20〜30分の長講をお願いします』といわれたんだけど、今日やろうと準備してきた噺が12分なの。で、相談したら『ギャラ半分しか払いませんよ』っていわれちゃって。そしたらけん玉さんが『二席演ればいいんじゃないですか』って割って入ってきたんで、そりゃいいなって」。
おおー。実はちょーっと「三人会だとひとり一席ずつであんまりお得じゃないんだよなあ。二人会でひとり二席ずつのほうがいいのに……」とは思っていたんだよね。これは嬉しい。
と思っていたら『堪忍袋』。おうふ。大好きなのにあまり聞きにこれない噺家のひとりである遊雀師なのだが、『堪忍袋』3回連続ですぜ。こんなことあるのかねえ。
が、最後まではやらずに梅干しをめぐる夫婦喧嘩のシーンで「兼好さんが到着したようです」と終わらせる。大胆。まあ確かにそこまでで笑いどころの7〜8割は含まれている気がするが。
それにしても何度聴いても思わず笑ってしまうというのはすごいことだと思う。

さて兼好師、「鶴川というところは不思議な駅ですね。町田よりも手前にあるのに、印象としては(町田よりもさらに先の)相模大野より向こうにある駅だと思ってしまう。なので相模大野を過ぎてもいつまでも着かないなあと思ってました」と話す。
「けど、私本当は間に合ってたんですよ! あの白髪のおじさんが高座に上る前には会場にいたので、上がろうと思えば出番通りに上がれたんです。浴衣ですけど。情報というものは操作されるものでお気をつけください」とバラす。やっぱりそりゃいくらなんでも小田原までは行かないよねー。まあ私は学生時代小田急沿線に住んでてよく寝過ごして小田原まで行ったけれども。
今日は隅田川の花火だそうで、花火や芝居、噺家への掛け声についてのお決まりのマクラを振りながら『たがや』に入る。
なんだかんだで毎年1回は兼好師の『たがや』を聴いている気がする。都内では一度かけたら1か月は同じ噺はしないと決めているそうだから、このような季節が限られる噺はシーズンでせいぜい2〜3回しかかけられないことになる。まあ神奈川や千葉埼玉に行けば演る可能性はあるけど、それでもそんなに多くはないだろう。その噺に毎年当たってるんだからなかなかの遭遇率ではないだろうか。
たがやの軽妙な啖呵と、野次馬たちの無責任な会話が楽しい。

仲入りを挟んで遊雀師の二席め。
「これがやりたかった噺」という『電話の遊び』は数年前に一度聴いたきり。
電話が普及し始めた頃に、どうしても芸者遊びをしたい大旦那が芸者の唄を電話越しに楽しむというものだが、これはお囃子さんがライブの会でなければできない噺だなあ。
たびたび電話の混線により唄が途切れたりまたつながったりするし、またふたり一緒に唄ったりするし、よっぽど打ち合わせをしっかりしているか、お囃子さんと息が合っていないとできないだろう。
そんな大したストーリーでもない、くだらないといえば大いにくだらない噺だが、遊雀師の「くだらない噺」の破壊力たるや。
恍惚となる大旦那の表情がとにかくおかしすぎる。

小満ん師、さほどマクラも振らずに噺に入っていく。そういえば今日は土用の丑の日だなあ。
冒頭で羊羹を手土産に得意先周りをするという形は多分初めてかな。それが本格的なのだそうだが。
派手さを抑えたというか、ギャグをふんだんに取り入れたというものではなく、さらーっと流している印象。江戸前のさっぱりした感じ?

帰り、途中でけっこうな田舎道を通るのだが、なんでこうも夏の昼間から夕方のこの時間はこの風景に合うのかなあ。おそらく子どもの頃のノスタルジーなのだろうけど。カメラ持ってくればよかった。
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